【国内試乗】いよいよ日本市場に導入されるフォルクスワーゲンのBEV、新型『ID.4』に公道試乗!! 乗り心地の良さに太鼓判

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フォルクスワーゲン(VW)のEVシリーズ「IDファミリー」からID.4が先陣を切って国内導入を果たした。今回は都心部で限られた時間での試乗となったが、乗り心地の良さには太鼓判。スタイリッシュでありながら、普段使いに最適で、VWらしいEVに仕上がっている。

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スマートなデザインでも乗り心地は普段使いに最適!

VWのバッテリーEVシリーズ「IDファミリー」が、いよいよ日本市場に導入された。その第一弾がコンパクトSUVのID.4。ドイツでは2020年9月に発表され、翌年3月にデリバリー開始となっているので、約1年半遅れでの日本上陸となる。

とはいえ日本向けが特に後回しになっていたというわけではなく、コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻などに起因した、部品供給網の混乱や半導体不足など様々な理由により、輸出自体がスタートしていなかったというのが実情。それでも日本は、韓国など数カ国とともに、ID.4が最初に輸出される国のひとつなのだという。

今回試乗したのは、導入記念モデル「ID.4プロ・ローンチ・エディション」。導入記念モデルにはもう1台「ID.4ライト・ローンチ・エディション」もあるが、こちらはバッテリー容量が52kWhと小さめで、航続距離はWLTCモードで388kmと短い。今回乗った「プロ」は77kWhのバッテリーを搭載し、561kmの航続距離を実現した上位グレードである。

ID.4は、VWグループのBEV専用プラットフォームであるMEB(モジュラー・エレクトロニック・アーキテクチャー)を採用している。メカニズムは基本的に1月に発表されたアウディQ4と共通で、バッテリーサイズや駆動用モーターのスペックも変わらない。ヨーロッパ仕様には前後にモーターを積んだ4WDもあるが、日本仕様が後輪駆動となっている点も同じだ。

ティグアンより若干大きいボディは、2770mmのロングホイールベースにより、フロントオーバーハングの短い、キャブフォワードなプロポーションが印象的。これは室内空間の広さに寄与していて、後席空間は大柄な男性が余裕で足を組めるほど。パノラマガラスルーフと相まって、クラストップレベルの開放感を実現している。

インテリアはスッキリとしたデザインで、仕立ての質感も悪くない。ただ、シフトセレクターと一体のメーターパネルや、パワーウインドー開閉スイッチパネルなど、各部にコストカットの影響が散見される。またカーナビの設定がなく、OTAによる機能アップデートにも非対応という点も残念なところ。コネクティビティによる先進的なモビリティサービスもIDファミリーのセールスポイントなだけに、将来的な日本仕様への導入も期待したい。

では、走った印象はどうかというと、すこぶる良い。204psと310Nmを発揮するモーターは十分にパワフルで、2140kgの車両重量を感じさせない軽快な加速を実現。EVらしくアクセルレスポンスは良く、しかも急激にトルクが立ち上がるようなこともないので、ドライバビリティも良好だ。コーナリング時には、低重心の後輪駆動モデルらしい素直なハンドリングが楽しめる。

また足回りも実にしなやかで、路面からの入力をやんわりと受け止めてくれ、高いレベルの快適性を備えている。街中でも高速道路でも、EVの美点を活かした、気持ちの良いドライブができるクルマに仕上がっていると言えるだろう。

また、回生ブレーキはあまり強く効かせない制御を採用している点も特徴。これはヨーロッパの交通環境に合わせて、エネルギー回生よりコースティングで航続距離を伸ばそうという考え方を反映させたものだという。こんなところにお国柄が出るのは、なかなか興味深いところである。

EVのコンパクトSUVとしての出来栄えはまずまずのID.4。EVを所有できる環境があって、「ナビはスマホで十分」という人には、満足度は高く、選択肢としてアリと言えるだろう。

【Specification】フォルクスワーゲンID.4プロ・ローンチ・エディション
■全長×全幅×全高=4585×1850×1640mm
■ホイールベース=2770mm
■車両重量=2140kg
■モーター種類=EAD3
■最高出力=204ps(150kW)/4621-8000rpm
■最大トルク=310Nm(31.6kg-m)/0-4621rpm
■バッテリー容量=77kWh
■最大航続距離(WLTC)=561km
■サスペンション(F:R)=マクファーソンストラット/マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ドラム
■タイヤサイズ(F:R)=235/50R20:255/45R20
■車両本体価格(税込)=6,365,000円

フォルクスワーゲンID.4公式サイト

フォト:市 健治 ルボラン2022年1月号より転載

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竹花寿実
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