キープコンセプトながら完成度はハイレベル、受け継がれたベストセラーへのバトン。新型『メルセデス・ベンツGLC』を海外試乗!

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ベストセラーモデルであるCクラス同等の安全/快適装備をまとった新世代SUVとして、GLCが登場したのは2016年。いまやそのCクラスにとってかわるベストセラーとなったGLCが2代目へとフルモデルチェンジを果たした。その内容は正常進化といえるもので、それゆえに当面人気は揺るぎなさそうだ。

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全方位で盤石の仕上がり

発表以来約260万台を売り上げ、2年連続でメルセデス・ベンツのベストセラーとなったのがGLCだと聞いてちょっと驚いた。首位に君臨するのはてっきりAクラスかCクラスだと思っていたからだ。SUVが広く好まれるのは一過性のブームだと信じていたけれど、こうなるとSUVはもはやクルマのボディタイプのスタンダードになってしまったのかと疑いたくもなる。

ベストセラーの獲得は喜ばしいことであるいっぽうで、そのフルモデルチェンジは何かとやっかいだ。1位の継続死守を当然のごとく求められるからである。おそらくそういう背景もあって、2代目となる新型GLCは結論からいって性能面では全方位で盤石な仕上がりとなっていた。

プラットフォームはS/Cクラスと同じMRAⅡを使う。GLEやGLSがSUV専用のMHAを使うのにGLCだけがセダンベースを流用するのは、Cクラスと同じブレーメン工場で生産されるという都合もあるけれど、シティユース(=オンロード)がほとんどというGLCの使われ方も考慮した上での判断と目される。ただし、このセグメントでの競争はなかなか激しいし、3年連続トップを狙うためにも、新型はオフロード性能を従来型よりも引き上げた点が特徴のひとつと言える。本格的なオフロードモードとオプションでエアサスペンションを用意することで、オフロードの走破性を大きく向上させた。

パワートレインはガソリンのGLC200とGLC300、ディーゼルのGLC220dがいずれもISG仕様、さらにGLC300e、GLC400e、GLC300deのプラグインハイブリッドを3種類用意して、すべて電動化ユニットとしている。駆動形式は現時点で4MATICのみ。前後駆動力配分はISG仕様が45:55、バッテリーをリアに積み後軸重の重いプラグインハイブリッドは31:69とわざわざ2タイプを備えている。理にかなった周到な設定である。

今回はガソリン、ディーゼル、プラグインハイブリッドを試したが、動力性能で不満が残るパワートレインはひとつもなかった。むしろ、いまどのパワートレインを試しているのか分からなくなるくらい乗り味が統一されていて感心した。プラグインハイブリッドはEVモードでの航続距離が最大約100kmなので、ハイブリッドモードで走行していると加速時以外はモーターのみで駆動するのでEQCのようでもある。オフロードコースでは電気信号による駆動力の反応の早さが悪路走行には向いていて、レスポンスよく4輪にトラクションがかかり想像以上に運転しやすかった。

すべての試乗車にはオプションの後輪操舵が装着されていたので、ハンドリングの印象は限定的となる。ホイールベースは従来型より15mm延長されていて、全長も60mm長くなってはいるものの、ボディの「長さ」をまったく感じないのは後輪操舵の効果にも因るところが大きいと考えられる。ばね上の動きはエアサスの制御と相まって上手にコントロールされているから、ステアリングを切ってから旋回姿勢が決まるまでの過渡領域の挙動は極めて自然なものである。クセがなく安定感が強く感じられるハンドリングだった。

室内は見た目も機能も操作性もCクラスと同じ。外観のスタイリングは従来型からドラスティックな変化のない保守的なものである。あえて冒険を避け、幅広い層に手堅く選んでもらえるようにという狙いが、動的性能にもデザインにもうかがえる新型GLCであった。

【Specification】GLC200 4MATIC
■全長×全幅×全高=4716×1890×1640mm
■ホイールベース=2888mm
■トレッド(F:R)=1627/1640mm
■車両重量=1925kg
■エンジン種類=直4DOHC16V+ターボ
■総排気量=1999cc
■圧縮比=10.5
■最高出力=204ps(150kW)/6100rpm
■最大トルク=320Nm(32.6kg-m)/2000-4000rpm
■トランスミッション=9速AT
■サスペンション(F:R)=4リンク:マルチリンク
■ブレーキ(F&R)=Vディスク
■タイヤ(F&R)=235/60R18

メルセデス・ベンツ公式サイト

フォト=メルセデス・ベンツ日本 ルボラン2022年11月号より転載

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2022/11/15 18:30

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