【国内試乗】名前以外はすべて新しい! 生まれ変わったトヨタのフラッグシップ、新型「クラウン」ファーストインプレッション!

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1955年に初代誕生以来、トヨタのフラッグシップとして君臨したクラウンがまったく新しいクルマへと生まれ変わった。16代目となる新型は、4つのボディタイプが販売されるが、まずは第一弾となるクロスオーバーモデルのファーストインプレッションをお届けしよう。

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すべてが生まれ変わったトヨタのフラッグシップ

このクルマが予想以上の反響を呼んだり巷でさまざまな物議をかもしているのは、こんな格好をして「クラウン」を名乗っているからではないだろうか。

先代の15代目が登場したときに「ようやくクルマになったクラウン」というタイトルの原稿を書いた。それまでのクラウンは、よくも悪くも既存オーナーの声を何より重視したクルマ作りをやってきた。だからロードインフォメーションがほとんどないステアリングフィールとかスイングするエアコン吹き出し口のルーバーとか、時代にそぐわない性能や機能が残っていてもそれを善しとした。そんな状況を目の当たりにして、「トヨタはクルマじゃなくてクラウンを作っているんだ」と自分なんかは思っていたのである。

16代目となる最新型は、それこそ本当に生まれ変わってしまった。その上、ボディタイプは4種類もあって、国内専用ではなく本格的に輸出もするという。名前以外はすべて新しい。むしろ、よく「クラウン」という名前を捨てなかったと感心するくらいである。こうなるともう、先代やこれまでのクラウンと比較するのはほとんど意味がない気がする。なので今回は、新型クラウンを「クラウン」としてではなく1台の「クルマ」として評価することにした。

プラットフォームはRAV4やハリアーやカムリ、レクサスのESやNXなどが共有する通称”Kプラ”、GA-Kプラットフォームである。つまりエンジンは横置きだ。4種類のボディタイプのう最初に登場したのは“クロスオーバー”と呼ばれるもので、搭載されるパワートレインはカムリやNXも使う2.5Lのハイブリッドと、レクサス新型RXでお披露目された2.4Lターボのハイブリッドで、駆動形式はリアにモーターを置くE-Fourの4WDのみ。試乗車は前者だった。

全長は4930mm、全幅は1840mm、ホイールベースは2850mm、全高は機械式駐車場が使用可能な1540mm。ルーフの頂点からリアエンドへ向けてなだらかに下がるフォルムでハッチバックのように見えるが、トランクリッドを持つ3ボックスである。こんな格好なので後席の居住性にはあまり期待していなかったものの、実際には広々としていて驚いた。デザインコンシャスなだけでなく、パッケージも煮詰められている。

最近のトヨタやレクサスの内装デザインは、個人的にはちょっとビジーに思っていて、クラウンも同じ流儀だった。が、視認性や機能性に特段の不満はなかった。リチウムイオンではなく新開発のバイポーラ型ニッケル水素電池を使用するハイブリッドは、これまでよりもレスポンスに優れ動力性能はほぼ問題ないものの、加速時のエンジン音は相変わらず耳に付く。

驚いたのは操縦性のよさだった。最新型の電動パワステと試乗車に装着されていたDRS(後輪操舵)の統合制御の塩梅が絶妙で、きわめて自然かつスムーズな回頭性を見せる。ステアリングの中立が明確で、そこから切り始めたときの手応えやクルマの動きもリニアでダイレクト感があった。

いっぽうで「最優先事項でした」という乗り心地は芳しくない。試乗車は21インチのタイヤ&ホイールを履いていて、そのせいも多分にあると思われるけれど、路面からの入力の大小によってばね上の動きが大きく変化するという事象が見られた。おそらくリアのサブフレーム周りの剛性に問題があると推測される。19インチは悪くなかったという同業者の意見もあったが、それなら今度はタイヤ依存度が高すぎることになる。乗り心地をウリにするならば、改善の余地はまだ大いに残されている。

世界に打って出るからには、日本車の底力を見せつけて欲しい。

【Specification】トヨタ・クラウン クロスオーバーG
■全長×全幅×全高=4930×1840×1540mm
■ホイールベース=2850mm
■車両重量=1760kg
■エンジン型式/種類=A25A-FXS/直4DOHC16V+モーター
■排気量=2487cc
■最高出力=186ps(137kW)/6000rpm
■最大トルク=221Nm(22.5kg-m)/3600-5200rpm
■モーター最高出力(F:R)=F:119.6ps(88kW)/R:54.4ps(40kW)
■モーター最大トルク(F:R)=F:202Nm(20.6kg-m)/R:121Nm(12.3kg-m)
■トランスミッション=電気式無断変速機
■サスペンション(F:R)=ストラット:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F&R)=225/55R19
■車両本体価格(税込)=4,750,000円
■問い合わせ先=トヨタ自動車 ☎0800-700-7700

トヨタ・クラウン公式サイト

フォト=郡 大二郎/D.Kori ルボラン2022年12月号より転載

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2022/11/03 17:30

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