世界初の可変圧縮比エンジンVCターボを搭載! 新型エクストレイルはよりタフさ&上質さに磨きをかけて進化した本格SUV

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本格SUVならではの力強い走りや利便性の高さで人気のエクストレイルがフルモデルチェンジを果たした。4代目となる新型は、「e-power」と「e-4ORCE」という世界初の組み合わせにより、初代からのDNAである「タフギア」を継承しつつ、新たに上質さをプラスしているという。

技術の日産ならではの先進技術が満載

日産のエクストレイルがフルモデルチェンジを受けて4代目へと生まれ変わり、パワートレインがe-POWERとなった。というだけなら想定内のお話だけれど、その中身にはとんでもない隠し球が潜んでいた。

e-POWERはご存知の通り、エンジンを発電機として利用しモーターで駆動するパワーユニットのこと。このエンジンがなんとVCターボなのである。VCターボとは、ちょっと大袈裟に言えば内燃機の常識を覆す技術が採用されたエンジンである。ピストンの往復上下運動とクランクシャフトの回転運動の関係は構造上固定されたものであり、つまりピストンのストローク量を可変することはできない。ストローク量が一定なので圧縮比も一定となる。ところが燃焼効率を考えたら、理想的には状況に応じて圧縮比を変えたい。そこでVCターボでは、4つのリンク機構とアクチュエータを使ってクランクシャフト自体を上下させ、ピストンのストローク量(=ピストンの上死点の位置)を可変させているのである。これにより、圧縮比が14.0から8.0まで可変できるようになっている。

この恐ろしく複雑で精緻な機構のエンジンはすでに海外向け日産車に搭載されているものの、日本仕様では初採用となる。それが駆動用ではなく発電機としてというのはなんとも贅沢というか、もったいない気がしてならない。まるで、縁日の屋台の後ろでせっせと回るホンダ製の発電機に「VTEC」と書かれているようなものだ。

VCターボ採用の理由について伺ったところ、スペースの関係で3気筒エンジンのサイズが必須となり、もっとも経済性の高い3気筒を開発するにあたりVCターボの技術が最適だったとのこと。海外向けとしてすでに数が出ているのでコスト的にも問題はなかったそうだ。

【写真9枚】世界初の組み合わせによりタフ&上質に磨きをかけて進化! 新型エクストレイルの詳細を写真で見る

ボディサイズは全幅が20mm広くなったものの全長は30mm短くなり、でもホイールベースは同じなので室内長はそのままというパッケージである。駆動形式は2WDと4WDが用意され、フロントには204ps/330Nm、4WDのリアには136ps/195Nmのモーターをそれぞれ置く。今回の試乗車は4WDだった。

当初に比べればエンジン音はずいぶん聞こえなくなった。バッテリーが小さいため、内燃機仕様と同じようにアクセルペダルの動きとシンクロしてエンジン回転数が上下してモーターに電力を供給する場面がある。ここでエンジン音がウルサイと、モーター駆動のメリットである静粛性の恩恵が受けられないわけだが、エクストレイルでは遮音/吸音もしっかりやったそうで、ほとんど気にならないレベルになっていた。

4WD仕様で謳われているe-4ORCEとは、前後モーターの駆動力をコントロールして、ばね上のピッチ方向の動きをブレーキによって左右方向のトルクベクタリングを統合制御するというもの。確かに加減速時のスクォート/ダイブは抑えられているし、旋回時に左右方向のGを抱え込むような動きを軽減してニュートラルステアに近い挙動を示していた。アクセルペダルの動きに対する反応の早さはモーターならではの特性であり、最近それを操縦性にも活かそうと各メーカーがしのぎを削っているけれど、スッキリとした味付けはさすが日産である。

バッテリーが小さいので4WDの車重は1850kg前後に収まっている。モーターによる力強くスムーズな加速感はどの速度域でも体感できて、これがe-POWERの人気の理由なのだろう。個人的にはモーターを回すためにガソリンをごくごく飲む行為に矛盾のようなものを感じるけれど、この技術がいまの日産を支えている。

【Specification】日産エクストレイルG e-4ORCE
■全長×全幅×全高=4660×1840×1720mm
■ホイールベース=2705mm
■車両重量=1880kg
■エンジン型式/種類=KR15DDT/直3DOHC12V
■総排気量=1497cc
■最高出力=144ps(106kW)/4400-5000rpm
■最大トルク=250Nm(25.5kg-m)/2400-4000rpm
■モーター最高出力(F:R)=250ps(150kW)/4501-7422rpm:136ps(100kW)/4897-9504rpm
■モーター最大トルク(F:R)=330Nm(33.6kg-m)/0-3505rpm:195Nm(19.8kg-m)/0-4897rpm
■サスペンション(F:R)=ストラット:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=235/55R19:235/55R19
■問い合わせ先=日産自動車 ☎0120-315-232

日産エクストレイル公式サイト

フォト=郡 大二郎/D.Kori ルボラン2022年10月号より転載

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2022/09/29 11:30

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