クオリティ向上のカギは意外な所に!アオシマ製「初代エスティマ」プラモをより見栄えよく仕上げるには!?【モデルカーズ】

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国産車の歴史に残る”天才タマゴ”

トヨタのミニバンと言えば、今ではアルファード/ヴェルファイアがその代表的存在であるが、かつてその地位にあったのが、エスティマである。エスティマは3代目モデルが数年前に生産終了してその役目を終えたが、特に初代エスティマは、国産車の歴史に残る重要なモデルであったと言えるだろう。

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初代エスティマは1989年に東京モーターショーで発表され、翌1990年5月に発売された。思えばこの時期は、ワゴンやミニバンといったクルマが、日本でも本格的なものへと成長を遂げた期間であった。ステーションワゴンにおいてはレガシィがその先導役を果たしたが、ミニバンにおけるそれは、このエスティマであったと言える。

それまでの日本においては、ミニバン的な存在と言えばワンボックス・ワゴンがそれにあたるが、基本的には商用バンに豪華な装いを与えたもの、そしてレイアウトはエンジンが運転席の下にあるキャブオーバー式というのが一般的であった。アメリカのミニバンにおいても、エンジンをフロントに置くFFかFRが常識的なものだが、エスティマでは車体中央にエンジンを75°傾けて配置するというミッドシップ・レイアウトを採用している。これを成立させるため、補器類もエンジンとは分離して配置するという努力がなされていた。

そうまでしてこのレイアウトを採用した目的は、運転席から3列目シートまでを同じ高さのフロアに並べ、完全なウォークスルーと、セダン感覚を併せ持った室内を実現することだった。当時としては革新的なこの内容は各方面で絶賛を浴びたのだが、北米市場を意識した3ナンバー・サイズが祟り、販売は奮わなかったようだ。5ナンバー・サイズにボディを縮めたエスティマ・エミーナ/ルシーダを後に新設(1992年)、こちらの方が街ではよく見かけたものである。

話をエスティマに戻すと、搭載エンジンは2.4L直列4気筒DOHCの2TZ-FEで、これはエスティマ専用に設計されたものである。2438ccの排気量から135psの最高出力を発揮した。前述のレイアウトのため、スタート時にはオイルパン内のオイル量を検知し、必要な量のオイルが自動的に供給される機構が採用されている。サスペンションはフロントがストラット、リアがダブルウィッシュボーン。

当初はモノグレードであったが、ボディは標準ルーフのほかに、前席と2列目席の上をそれぞれグラスルーフとしたツインムーンルーフも設定されていた。また、駆動方式も2WDと4WDの2種類を用意。1993年にはリアサスペンションをリジッド(4リンク)とした廉価版モデルを追加、翌年には標準モデルのエンジンをスーパーチャージャー付き(最高出力160s)に変更。さらにマイナーチェンジで全車エンジンがスーパーチャージャー仕様になるなど、変更を重ねたのちに2000年1月、2代目へとモデルチェンジを行っている。この2代目では、ドライブトレインのレイアウトは常識的なFFへと変更された。

追加された新規パーツだが、前後バンパーの形状は……
初代エスティマのプラモデル化はアオシマのみが行っている。1/24スケールにて、派生モデルのエミーナ/ルシーダが先にキット化され、次いで1990年代後半にエスティマも製品化された形だ。ただしこのエスティマは、ジャンクションプロデュースやファブレスなどのフルエアロ仕様のみがリリースされ、ノーマル仕様に不可欠な前後バンパーやホイールといったパーツは含まれていなかった。アオシマのキットはノーマル仕様を前提としたものが大半だが、このエスティマはその通例からは外れた形だ。

しかし、やはりノーマル仕様を望む声は少なくなかったのであろう、2019年になって、前期型ノーマル版のキットがようやくリリースされたのである。ホイール、バンパー、リアウィング、リアワイパー、シートなど、多くの新規パーツを追加し、ウィンドウの黒セラ塗分け用マスキングシールも付くという、ありがたいキットとなった。従来からある製品にも必要な新規パーツやデカール等の追加を行い、魅力的なアイテムへと仕立て直す努力を怠らないアオシマには、頭が下がるばかりである。

ここでお見せしているのは、このノーマル版エスティマを制作した作例である。基本的にはキットを素組みしたものだが、特に前後バンパーの形状には違和感があったので、少々形を見直している。そのほか、ドアノブの修正や車高の調整、室内の塗装のコツなど、大小さまざまなポイントがあるので、工程写真に付したキャプションをお読み頂ければ幸いだ。

作例制作=坂中善之/フォト=服部佳洋 modelcars vol.294より再構成のうえ転載

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2022/09/23 17:40

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