本気になったホンダはあまりにも強かった
1985年からグループA規定の元で開催されてきた、全日本ツーリングカー選手権。1994年からはクラスⅡツーリングカー規定に変更され、名称はそのままながらも略称はJTCからJTCCへと改められた。参戦可能な車両はフロントエンジンの4ドア車であるため、ホンダは当初、JTC同様にシビック・フェリオでのエントリーを行っていたが、予想外の苦戦を強いられてしまう。これによりベース車の選定まで含めた抜本的な見直しが行われ、3年目からはアコードでの参戦となったのである。
【画像73枚】見事エンジン搭載に成功したアコードとその制作過程を見る!
アコードが選ばれたのは、車体が大きい分、様々な部分で余裕があることが理由であったという。これによりエンジン搭載位置をバルクヘッドぎりぎりまで寄せ、高さも極限まで下げることが可能となった。エンジンは2L 直4DOHCのH22Aだが、吸排気のレイアウトを市販車とは逆にする”リバースヘッド式”を採用。極限までチューンされることで、最高出力は300ps以上を発揮していた。さらに重量配分の適正化のために、エンジンの前にデフを置くという、これも市販車とは逆の配置となっている。
組み合わせられるトランスミッションは6速シーケンシャルだが、シフトレバーをステアリングに近づけるためにコラムシフト方式を採用。シートとステアリングの位置はグッと後退させられ、車体中央に寄せることで、これも重量配分に配慮したものとなっている。サスペンションは市販車と同じく4輪ダブルウィッシュボーンだが、これはもちろん形式で言えば同じというだけのことで、構成から材質まで全くの別物である。
アコードはムーンクラフト(ジャックス)、無限(カストロール)、ナカジマレーシング(PIAA)の3チームによる参戦となったが、このうち無類の強さを見せつけたのは、ムーンクラフトのNo.14(服部尚貴)で、全14戦中5勝を挙げてチャンピオンを獲得している。無限のNo.16(中子修)は2勝、そしてナカジマのNo.15(黒澤琢弥)は1勝。アコードの勝利は合計8勝であった。
タミヤ製のトヨタ3S-GTEパーツをベースに使用
この1996年シーズンのJTCCアコードは、タミヤから1/24スケールでプラモデル化がなされている。しかも、3チーム全てのマシーンが製品化されており、ただのデカール替えでなくシフトの違い(前述のコラムシフトはPIAAアコードには採用されておらずフロアシフト)もパーツを変更してきちんと再現されていた。ここでお見せしているのは、バリエーションの中では比較的入手しやすいPIAAアコードの作例である。
ただし、この作例はそのままタミヤのキットを制作したものではない。と言っても別に、タミヤのキットに問題があってプロポーションの修正が必要になってくる、というような意味ではなく、本来は再現されていないエンジンを、自作して搭載したのである。エンジンは全くの自作ではなく、横置き4気筒ということで、タミヤ製ST205型セリカGT-FOURのものをベースに使用。もちろんそのまま載せたのではなく、ヘッドカバーなどよく見える部分は、ホンダのH22A型エンジンの形状に改めている。その工作内容については、工程写真のキャプションで述べているので、よく御覧頂きたい。
古いレーシングカーのプラモデルと言えば、やはりデカールが懸念材料だ。今回、作者は事前チェックとして不要なデカールを使い実験したという。意外にも問題なく、むしろ貼りやすいくらいか? と思いつつ作業を進行。しかし、このキットのデカールは2枚綴りとなっていて、片方はノーチェック。こちらのデカールを水に浸けると割れが発生してしまったという。同じキットのデカールでも劣化具合が違うことがあるということで、皆さんにもデカールのチェックは綿密に行うことをお勧めしたい。
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