【国内試乗】”ほぼEV”といえるレクサスNX450h+は電動化時代の現状最適解か!? 同モデルのガソリングレードとその乗り味を徹底比較してみた

全ての画像を見る

現状ではBEV仕様こそ用意されないが、搭載するパワーユニットは2.5L自然吸気から2.4Lターボ、2.5LハイブリッドとそのPHEV版と多彩なレクサスNX。同じモデルで純内燃機関と電気駆動が選べるとなれば、気になるのはそれぞれの満足度だが……。

電気駆動SUVとしてはもはや隙がない450h+

ミドルサイズSUVのNXは、2014年に登場した初代が90以上の国と地域で約105万台という販売実績を残しているレクサスの主力モデル。それだけに、昨年登場した現行型はパワートレインだけでも6種類の選択肢を用意、幅広いニーズに対応できる態勢が最初から整えられている。もちろん、エンジンかモーターか、という企画のテーマにもピッタリとハマる仕様はあるわけで、今回はトップグレードの450h+とベーシックな250の4WD版を比較してみよう、ということになった。

まず、レクサス初のPHEVモデルとなった450h+だが、搭載エンジンは2.5L自然吸気の4気筒ガソリンで、これに182ps/270Nmを発揮するフロントモーターと54ps/121Nmのリアモーターを組み合わせるところまではハイブリッド仕様の350h(の4WD)と基本的に同じ。450h+では、これに総電力量18.1kWhのリチウムイオン電池をプラスして88〜92kmのEV走行を可能にしている。

その走りは、日常的な使用環境だと”ほぼBEV”という表現が相応しい。PHEVというと、黎明期には申し訳程度の動力性能しかない電気モーターと必要最低限なEV航続距離。それに対してベース車より不当に狭い荷室や重さを意識させられる身のこなし……といったネガばかりが目立つモデルも少なくなかったが、もはやそれも昔の話。むしろ、いまだ根本的な弱点の解決方法がないBEVの現状を思えば、良く出来たPHEVこそ環境性能とクルマ本来の機能を両立する現在の最適解とすら思える。

【写真15枚】電動化時代の現状最適解か!? レクサスNXシリーズの詳細を写真で見る

例えば450h+の場合、そのEV航続距離は88km〜となっているが、街中や郊外路主体なら現実の使用環境でも60km程度は無理なくゼロエミッションが実践できる。また、前述のスペックからも明らかだが動力性能はモーター駆動のみでも十二分なほど。法定速度内であれば、電力を使い切るまでは高速巡航でもエンジンの出番はまずない。そして、さらに付け加えるなら試乗車で2トン超えの車重も多少飛ばす程度のペースまでなら後述する250と比較しても気にはならない。そこにレクサスならではの静粛性や細やかな作り込みが加わるとなれば、電気駆動のSUVとしては文句のない完成度と言うことができる。

そんな450h+を賞味した後に250のステアリングを握ると、エンジンの存在が厭わしく思えてくるのは本当の話だ。こちらとて、日常域の静粛性はレクサスを名乗るに相応しい水準をクリアしているし、動力性能にも特段の不足はない。また、ベーシックな250でも試乗車のように装備が充実したバージョンLグレードを選べば内外装の仕立ては上級仕様に見劣りしないから、割り切れるならあえてこちらを選ぶ意義はある。だが、無音であることがプレミアムなクルマの一要素となりつつある現状を思えば、今回の勝負の結論は言うまでもないだろう。

2.4Lターボならまた違った結論になるかも?

いまNXを選ぶ、という前提なら今回は断然450h+。その価格差を思えば合理的に250を、という考え方も否定はしないが……。また、エンジン仕様が2.4Lターボなら結論はまた違ったものになったかもしれない。

【Specification】レクサスNX450h+ version L
■全長×全幅×全高=4660×1865×1660mm
■ホイールベース=2690mm
■車両重量=2010kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+電気モーター/2487cc
■最高出力=185[182/54]ps(136[134/40]kW)/6000rpm
■最大トルク=228[270/121]Nm(23.2[27.5/12.3]kg-m)/3600~3700rpm
■トランスミッション=電気式無段変速
■サスペンション(F:R)=ストラット:Wウイッシュボーン
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ=235/50R20
■車両本体価格(税込)=7,140,000円

【Specification】レクサスNX250 version L
■全長×全幅×全高=4660×1865×1660mm
■ホイールベース=2690mm
■車両重量=1710kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V/2487cc
■最高出力=201ps(148kW)/6600rpm
■最大トルク=241Nm(24.5kg-m)/4400rpm
■トランスミッション=8速AT
■サスペンション(F:R)=ストラット:Wウイッシュボーン
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ=235/50R20
■車両本体価格(税込)=5,700,000円

レクサスNX公式サイト

フォト=市 健治/ K.Ichi ルボラン2022年9月号より転載

■関連記事

小野泰治
AUTHOR
2022/08/17 20:00

関連記事

愛車の売却、なんとなく下取りにしてませんか?

複数社を比較して、最高値で売却しよう!

車を乗り換える際、今乗っている愛車はどうしていますか? 販売店に言われるがまま下取りに出してしまったらもったいないかも。 1 社だけに査定を依頼せず、複数社に査定してもらい最高値での売却を目 指しましょう。

手間は少なく!売値は高く!楽に最高値で愛車を売却しましょう!

一括査定でよくある最も嫌なものが「何社もの買取店からの一斉営業電話」。 MOTA 車買取は、この営業電話ラッシュをなくした画期的なサービスです。 最大20 社の査定額がネット上でわかるうえに、高値の3 社だけと交渉で きるので、過剰な営業電話はありません!

【無料】 MOTA車買取の査定依頼はこちら >>

注目の記事

「ル・ボランCARSMEET」 公式SNS
フォローして最新情報をゲット!