
横浜ゴムから新しいウルトラハイパフォーマンスタイヤ「ADVAN Sport V107(アドバン・スポーツ・ブイ・イチマルナナ)」が発売された。今回はワインディングロードでの新旧比較が叶ったので、その圧倒的なパフォーマンスの進化をレポートしたい。
【写真65枚】注目のフラッグシップタイヤ『ADVAN Sport V107』詳細を画像で見る!
妥協なきプレミアムタイヤ
まずは「ADVAN Sport V107」とはどんなタイヤなのか、どんな人に向くのか、などを、タイヤのプロフィールをおさらいしながらお話ししていこう。
横浜ゴムの「ADVAN」ブランドのイメージと言えばやはり、ストリート最強タイヤ「NEOVA(ネオバ)」という人も少なくないだろう。また、国内トップカテゴリーのスーパーGTやスーパーフォーミュラを連想する人もまた、多いに違いない。つまりADVANブランド=スポーツタイヤという図式は消費者のイメージの中に成立しているということに異議はないと思うが、実はADVANにはもうひとつ、横浜ゴムのフラッグシップ、という顔もある。
今回登場した「ADVAN Sport V107」は、スポーティさに加えてプレミアム性も高めたモデルだ。
装着を見越しているのは欧州のハイパフォーマンスカー。むろん、今回のテスト車である718ボクスターはもとより、ポルシェで言えば911カレラなどもターゲットに入ってくる。今回の撮影中には一般の方が乗るケイマンGTS4.0にも出会ったが、まさにそういったモデルにはうってつけ。つまり、当サイトで本記事を読んでおられるようなカーガイ諸兄には、もれなくフィットするタイヤであろう、ということをご理解いただきたい。
ADVAN Sportに求められるものとは
さて、ターゲットがわかったところで、多くのハイパフォーマンス系輸入モデル、もしくは国産高級スポーツモデルに必要なタイヤの性能とは、どういうモノなのかを考えたい。
コーナリングを安心して攻められるハイグリップに高速域を殺さない直進性能。高いブレーキング能力。これらはスポーツを感じる走行のために、必ず求められる性能だ。
しかし、使用シーンがストリートであること、そして装着ターゲットが高級車であることから、ドライ路面はもちろんのこと、さらにウェットでのバランスの良さ、静粛性、また揺れ・振動などのコンフォート性も兼ね備えなければならない。
そういった意味で、先代モデルとなるADVAN Sport V105は、価格も含めて非常にバランスの良いタイヤだったと思う。
今回のテストで、まずはこのV105に試乗したが、やや路面からの音・入力の強さが気になったものの、さほど悪い印象は受けなかった。むしろ、サイド剛性のしっかりしたヨコハマらしいカッチリさに、好印象を抱いたほどだ。
走り出しから違いを実感
しかし、新型のADVAN Sport V107は走り出しからすぐに先代V105を越えているとハッキリ分かった。「きっと違いはすぐに分かりますよ」そう言った担当氏の笑みはこういうことだったのか! ハンドルを握りながら思わずこちらもニヤリとしてしまうほどだ。
まず断然静かであること。そして、圧倒的に振動がない。まるでクルマ側のオイル交換でもしたのかと感じるほど、コンフォート性が段違いに向上している。
さらに、コーナーに入る際にはステアリングに対しての素直さが際立った。旧型のV105にさして不満はない、と単体の試乗では思っていたが、こうして新型に試乗したあとでは、操舵に対してややコーナー内側にタイヤが入っていったような印象を受ける。これはV105のグリップが良いということではなく、振動やビビリに対して余計にドライバーがステアリングを切らなければいけないということが、オーバーな挙動に出たのではないかと分析したい。
つまり、V107ではドライバーに伝わる余分な雑味が拭われたことによって、適正にステアリングを切っていけるのだ。切りすぎも切り遅れもなく、スッとコーナー出口を目指して切り/戻しが出来る。そしてその操舵の最中も接地が非常に滑らか。ADVANらしい横方向に対してのカッチリ感はそのままに、しっかりと路面を掴むグリップを感じつつも、あきらかに振動がなく、断然スムーズなのだ。従来型との違いをひしひしと感じる。
さらに制動も良かった。下りのワインディングでは特にこの性能に対しての評価が必要になるが、ギュッと強くブレーキを掛けるコーナー進入時から縦方向にしっかりと制動が生まれており、クルマがブルブルしないのは安心出来るポイントでもある。少しブレーキを緩めつつも薄く効かせながらターンインしていくときも走行ラインはブレず、高い安心感が継続する。
「こんなに進化するなんて、一体新型に何をしたんですか」との問に対して、担当氏は「技術的には正当進化をさせました」と返答。
つまり運動性能・快適性・安全性を先代よりも拡大し、ドライ・ウエット性能と操縦安定性を高めた、ということだ。
コンパウンドの変更、左右非対称トレッドパターンの新設計などはもちろん、V105で培った最先端技術「マトリクス・ボディ・プライ」という、サイドからショルダーまで交差する二重構造で周方向の剛性を向上させる技術を継承し、さらに同社初となる高剛性のアラミド繊維を使った「パワークラウンベルト」を採用。そして接地性の向上のために断面形状「マウンド・プロファイル」をさらに進化させるなど、新技術が目白押しだ。
そして、この裏にはただの新開発だけでななく、飽くなきプレミアムコンフォートスポーツモデルへの挑戦があると感じた。現在もハイエンドなスポーツモデルの純正装着に向けてのチャレンジを続け、その技術を磨いているということを取材の最中にチラリと漏れ聞いた。そして、その中で生産技術の向上も、社内としてたしかに感じているのだという。
ADVAN Sport V107に限らず、プレミアムコンフォートスポーツタイヤ、というのはものとても難しいパッケージだと思う。スポーツ走行全振りであればある意味ウェットを犠牲にしてもいいし、グリップ性能を尖らせれば成立するだろう。しかし、ウェットとドライ、そして制振静粛にブレーキングにグリップと、相反する性能をすべて高い次元で叶えなければいけないのがこのカテゴリーだ。
ADVAN Sport V107は、それに成功したと思う。位置づけとしてはウルトラハイパフォーマンスタイヤだけれど、しっかりとコンフォートでもある。その転がりの良さとバランスの良さを、是非体感してほしい。
- 新型のV107に履き替え。ホイールがシルバーに代わるとクルマ全体の印象もかなり変わる。
- コーナーにも安心して切り込んでいけるので、運転をより楽しめるフィーリングに。
- 今回はADVAN Sport V107とV105を箱根ターンパイクにて新旧比較。テスト車両は718ボクスターだ。
■関連記事
- 【国内試乗】国宝級なV型12気筒エンジンのフィーリングを楽しめるのは今だけ! BMW M760Li xDriveは純ガソリン車最後の輝きを放つ1台だった
- 【スクープ】リアバンパーに新デザインのアウトレットを配置!「ポルシェ911 GT3」改良新型は内外装を大幅刷新へ!
関連記事

エンジン車の良さを巧みに受け継ぐライドフィール! アウディe-tronGTクワトロはエンジン車からでも違和感なく乗り換えられる高性能EVだった!
アウディ
2022.08.14

【国内試乗】これはガソリン or PHEVどっちを選ぶかホンキで悩む!? DS9はふたつのパワートレインでセンス良く棲み分けられたフラッグシップセダン
DS
2022.08.12

“貴方は本当に我々の『GT』を理解できますか?” マクラーレンGTはミッドシップスーパーカーの伝統を打ち破る、大人のためのグランドツーリングカーだった
マクラーレン
2022.08.08

仏ポルシェ雑誌編集長のガレージ拝見! 空冷VWとポルシェにインテリア、全部がオシャレ!【ガレージライフ】
Garage Life
2022.08.07
愛車の売却、なんとなく下取りにしてませんか?
複数社を比較して、最高値で売却しよう!
車を乗り換える際、今乗っている愛車はどうしていますか? 販売店に言われるがまま下取りに出してしまったらもったいないかも。 1 社だけに査定を依頼せず、複数社に査定してもらい最高値での売却を目 指しましょう。
手間は少なく!売値は高く!楽に最高値で愛車を売却しましょう!
一括査定でよくある最も嫌なものが「何社もの買取店からの一斉営業電話」。 MOTA 車買取は、この営業電話ラッシュをなくした画期的なサービスです。 最大20 社の査定額がネット上でわかるうえに、高値の3 社だけと交渉で きるので、過剰な営業電話はありません!
【無料】 MOTA車買取の査定依頼はこちら >>関連中古車物件情報

ポルシェ 718ボクスター 718ボクスター グラファイトブ…
638.9万円
年式: | 2016年 |
---|---|
走行距離: | 3.6万km |

ポルシェ 911 911カレラ 右ハンドル仕様 オプションカ…
398万円
年式: | 1999年 |
---|---|
走行距離: | 5.7万km |

ポルシェ ケイマン ベースグレード PDK ハーフレザーシー…
578万円
年式: | 2013年 |
---|---|
走行距離: | 2.6万km |

ポルシェ パナメーラ GTS V8 前期最終 右H 正規D車…
398万円
年式: | 2013年 |
---|---|
走行距離: | 7.6万km |

ポルシェ カイエン Turbo 後期型 正規D車 ガラスSR…
688万円
年式: | 2015年 |
---|---|
走行距離: | 2.6万km |

ポルシェ パナメーラ V6 後期型 右H 正規D車 スポーツ…
488万円
年式: | 2015年 |
---|---|
走行距離: | 4.1万km |

ポルシェ 911 911カレラS スポーツクロノパッケージ …
1199万円
年式: | 2014年 |
---|---|
走行距離: | 1.6万km |

ポルシェ タイカン タイカン パフォーマンスバッテリープラス…
1348万円
年式: | 2021年 |
---|---|
走行距離: | 800km |

ポルシェ 911 911GT2 RS 黒ハーフ革フルバケ ヴ…
4450万円
年式: | 2019年 |
---|---|
走行距離: | 0.2万km |

ポルシェ カイエン S レザーインテリア RSSpyder2…
1029.8万円
年式: | 2018年 |
---|---|
走行距離: | 2.7万km |

ポルシェ ボクスター ボクスター 禁煙車 6速MT 左ハンド…
314万円
年式: | 2009年 |
---|---|
走行距離: | 6.0万km |

ポルシェ タイカン タイカン 4S BOSEサラウンドサウン…
ASK万円
年式: | 2022年 |
---|---|
走行距離: | 977km |

ポルシェ 356 356C カブリオレ
ASK万円
年式: | 1964年 |
---|---|
走行距離: | 走不明 |

ポルシェ 718ケイマン 718ケイマンGT4PCCB 71…
1270万円
年式: | 2020年 |
---|---|
走行距離: | 0.4万km |

ポルシェ 718ボクスター 718ボクスター 1年保証付 本…
780.8万円
年式: | 2019年 |
---|---|
走行距離: | 0.7万km |

ポルシェ パナメーラ ベースグレード 後期型 右H 黒/ベー…
428万円
年式: | 2015年 |
---|---|
走行距離: | 4.4万km |

ポルシェ 911 911カレラ 実質2オーナー 純正16イン…
949.8万円
年式: | 1994年 |
---|---|
走行距離: | 4.8万km |

ポルシェ マカン マカン パノラミックサンルーフ ブラウンハ…
549.9万円
年式: | 2017年 |
---|---|
走行距離: | 2.6万km |

ポルシェ カイエン ターボ ターボ 純正ナビTVフルセグDV…
258万円
年式: | 2011年 |
---|---|
走行距離: | 9.5万km |

ポルシェ 911 911カレラ カブリオレ カーボンラッピン…
2179.8万円
年式: | 2020年 |
---|---|
走行距離: | 0.2万km |

ポルシェ 911 911カレラ4S
1600万円
年式: | 2019年 |
---|---|
走行距離: | 4.5万km |

ポルシェ 911 911カレラ4S MT ディーラー車 左ハ…
858万円
年式: | 2008年 |
---|---|
走行距離: | 5.7万km |

ポルシェ マカン マカンS クルーズコントロール 純正ナビ …
579.9万円
年式: | 2017年 |
---|---|
走行距離: | 3.1万km |

ポルシェ カイエン S ハイブリッド V6SC 黒革 シート…
298万円
年式: | 2011年 |
---|---|
走行距離: | 6.2万km |

ポルシェ マカン マカンGTS スポーツデザインPKG/スポ…
1350万円
年式: | 2021年 |
---|---|
走行距離: | 1.2万km |

ポルシェ マカン マカンS サンルーフ 白革シート 純正ナビ…
517.8万円
年式: | 2016年 |
---|---|
走行距離: | 4.8万km |

ポルシェ 911 911カレラ4S スポーツクロノパッケージ…
1119.9万円
年式: | 2014年 |
---|---|
走行距離: | 3.6万km |

ポルシェ カイエン ベースグレード フルセグTV バックカメ…
80万円
年式: | 2006年 |
---|---|
走行距離: | 9.7万km |

ポルシェ タイカン タイカン 助手席ディスプレイ スポーツク…
1380万円
年式: | 2021年 |
---|---|
走行距離: | 0.1万km |

ポルシェ パナメーラ ベースグレード スポーツクロノパッケー…
930万円
年式: | 2017年 |
---|---|
走行距離: | 2.6万km |