黒ポルシェと黒レンジローバーが映える、白亜のガレージハウスは実は木造3階建【ガレージライフ】

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白い漆喰が美しいリゾートテイストあふれるガレージハウスは、海まで5分の好立地

新潟県新潟市に住居を構え、実業家としてさまざまな事業を行っているのがイスラエル出身のAさん。彼のガレージハウスは、白い漆喰が美しいモダンなエクステリアが特徴だ。ガレージにはブラックのレンジローバー・ヴォーグとポルシェ・ボクスター、ヤマハV-MAXが並んでいる。このリゾートテイストあふれるガレージハウスは一体、どのように建築されていったのだろうか。

24年前に来日し、8年前に結婚したことをきっかけに、マンションから一戸建てに引っ越そうと考えていたAさん。とある日に海沿いを自転車で走っていると、とある60坪の土地が売りに出されているのを発見したという。駅から距離はあるものの、高台で新潟市内の夜景が楽しめるほか、海まで徒歩5分と絶好のロケーション。ガレージハウスを建てようと、すぐさまその土地を購入したという。

店舗改装の経験を生かしたガレージ作り
Aさんは新潟市内で店舗の改装などを行う株式会社を経営しているため、施工は自身の会社で行うことに。まずは、理想的ガレージハウスのスケッチということになるが、その工程はAさんが今まで世界を旅行して印象に残っていた建物のエッセンスをアウトプットしていく、というものだった。

彼が好きなクルマを格納するガレージには、「文化シヤッター」製のオーバーヘッドドアを採用。既存のガレージドア最大の開閉部にして、クルマ2台に対して比較的スペースを大きく確保することが元々の希望だったという。

奥様の要望は、大きなキッチンスペースと体を鍛えるためのトレーニングルーム。夫妻はゲストを招いてパーティーを開催することがよくあるとのことで、部屋数はそれほど必要なく、ゲストが来た時に寛ぐ大きなスペースを優先したいというイメージがあった。

設計段階でプランニングに壁が!
二人の要望をまとめ、設計・構造計算を担当したのはAさんの友人である「オレンヂカンパニー」の川上氏であった。ただ、氏はご夫妻と細かな打ち合わせをしつつ構造計算をする中で、プランニングの壁にぶつかったという。

今回のプランはガレージやパーティのできる広いLDKなど、とにかく空間を大きくしたいという要望があり、木造では体力壁が少ないため構造計算が成り立たたない。しかし、RC造や軽量鉄骨造にしてしまうとコストが上がってしまうのだ。

そこで採用したのが柱と梁、最小限の体力壁で強度を確保する「SE工法」。この工法は強度に優れた構造用集成材を柱と梁に使用し、専用のSE金物で剛接合するもので、耐震構造にも強く、理想とする大きな空間も実現させることができるという。

開放的なLDKはパーティのため
3階建てのガレージハウスは、一見するとRC造に見えるが実は木造3階建て。1階はガレージで2階は吹き抜けのある開放的なLDK。キッチンはパーティ料理を準備するため、LIXIL製の大きなサイズをビルトインしている。

リビングは和室とつながっており、冬には雪を見ながら日本酒を楽しむためのスペースへと早変わり。また、大きなデッキがあるので、夏には友人を招いてバーベキューを楽しむこともできる。3階は主寝室と露天風呂、さらには愛犬の部屋と大きなウォークインクローゼットという間取りとなった。

居室が少ないシンプルな設計だけに、その部屋1つ、1つにテーマを決めて壁紙・床材に変化を持たせることで、どの空間もアクセントの効いた印象的な仕上がりとなっている。これはAさんの20年におよぶ日本で店舗施工の経験が役立っているのだそうだ。

モダンかつ、新潟の冬を楽しむ工夫もされたガレージハウス。海外経験豊富なAさんならではといったセンスが光る、開放的な空間であった。

取材協力:
AC15 http://www.ac15.jp 
オレンヂカンパニー https:/www.orange-company.jp 

『ガレージのある家 vol.34』より転載

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2022/06/23 10:00

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