「アバルト595」がよく似合う、美術館のようなアプローチのあるガレージ【ガレージライフ】

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敷地101坪、隣接する公園に向かって大屋根が延びる家には、宝物である愛車と美しい借景がよく似合う

宝物である愛車を静かに眺め、時間とともに移り行く景色を愛でながら過ごす。人とクルマと自然が緩やかにつながる、そんなやすらぎの住まいが、ここに生まれた。結婚を機に新居づくりをスタートしたSさん。それまでは賃貸マンション暮らしだったこともあり、広々とした住まいに憧れを抱いていたそうだ。希望はとにかく広いこと、中庭があること、屋根付きガレージがあること。そしてせっかく家を建てるのだから、建築家に入ってもらい、オリジナリティあふれる家づくりを求めたのだ。

「ネット検索で『ザウス』に出会い、施工例を見るとどの家もすごく格好いい。その後、話を聞きに行ったら、担当の原田さんが私たちの希望をとても理解してくれて、それなら建築士は矢部さんがいいと紹介してくれたのです」
そんな流れから矢部さんと初めてお会いすることになったのだが、伝えた希望は前述の通り。いま思い返しても雑談ばかりしていた記憶しかないとSさんは笑うが、2 回目の打ち合わせ時に予想もしなかったことが起こる。
「なんと私たちの希望はもちろん、雑談した中からこだわりや感性を汲み取って、3つも模型をつくってきてくれたのです!」

隣接する公園に向かって大屋根が伸びる家。101坪の敷地を贅沢に使った建物を斜めに配置した家。そしていまのS邸の原型となった、中庭を挟んで住まいとガレージをアプローチで結ぶ家。どれも素敵で迷ったが、会話の中でふと洩らした「美術館のような家」に最もイメージが近かった、アプローチで結ぶ家を選んだ。

「この後、細かな点の修正は行うのですが、原型があまりにも気に入ってしまったので、打ち合わせはとてもスムーズ。毎回、ワクワクしていましたね」とSさんは述懐する。ポーチを抜けると、ガレージを横に見ながら住居棟へとつながるアプローチが続く。高低差のある敷地形状を活かし、中庭と住まいはガレージよりも一段高くなっており、さらにヒルコートをつくることで自然がより身近に感じられる工夫がなされている。

室内に入るとレセプションルーム、そしてLDKが伸びやかに広がる。空間はすべて落ち着いた色合いのグレーで統一。床は総モルタル仕上げにし、テラスや中庭、つまり内と外との緩やかなつながりを巧みに演出している。
「グレーで統一したのは、大好きなモノで色を入れたいと思ったから。たとえばコレクションしているスニーカーとか、妻のお気に入りの食器とか。そういうものを飾ったり、並べたりすることで彩りを加えたかったのです」
暮らし始めて思うのは、どこにいても心がやすらぎ、どの角度から見ても美しく、楽しい気分になれること。満点以上の家づくりができたとSさんは喜ぶ。

「実はプランを確定した後、大幅に予算をオーバーしていることに気づき、泣く泣く減額プランをお願いしました。ところがそのプランのほうが、素敵に思えたのです。それが矢部さんのすごいところ。感動の連続の家づくりができて、本当にうれしく思っています」

◆Comment from an Architect:一級建築士事務所 イン・エクスデザイン 矢部直輝さん
Sさんからは「広い家」という要望をいただいていましたが、居住空間を大きくするとコストがかさみます。そこで”内も外も含めた大きなリビング”という発想で設計を行いました。室内は比較的コンパクトにしながらも、中庭やガレージをつなげることで、広さを感じてもらおうと考えたのです。

その際、考慮しなければならないのがプライバシーの確保。ヒルコートを設けて目隠し効果を狙いつつ、美しい景色をつくり上げ、ガレージのシャッターを閉めれば、完全に外からの視線が遮られるように工夫を施しました。LDKは土間仕様のため、レセプションスペースにバイクを置くことも可能です。ご夫妻のセンスに染まっていく空間がどんな風に変わっていくのか、とても楽しみです。

◆ Comment from a Producer:ザウス株式会社 大阪店 原田さん
どんなことに対しても前向きに捉えられる、パワフルでチャレンジングな施主様と、その期待を上回る提案をしようとする建築家。そんな施主様と建築家との信頼関係がとても密接で、ご要望とそれに対するデザイン提案の歯車がとてもうまく噛み合う計画であったと強く印象に残っています。
時には盛り上がり過ぎる感のある計画が、軌道から外れないようにするのが私の役目でした。とはいっても、基本は家づくりが楽しく進められるように。そこには十分に配慮したつもりです。満足度の高い家が完成し、私もとてもうれしく思っています。

◆Owner’s Check
・ここがお気に入り
 庭のそこかしこに椅子を置いたり、焚き火台を設置していて、どこに座っても楽しいのが、とても気に入っています。
・ちょっと失敗
 まったくありません。
・これからの夢
 いま植栽をガーデナーに相談しています。もっと自然を楽しめるように庭をいじるのが楽しみです。

◆Planning Data 構造:木造軸組工法  敷地面積:334.66平米(101.2坪)
建築面積:119.38平米(36.1坪)  延床面積:162.96平米(49.3坪)
1階床面積:119.38平米(36.1坪) 2階床面積:43.58平米(13.1坪)
住居部分面積:122.53㎡、車庫部面積:40.43㎡
外装仕上材:屋根/ガルバリウム鋼板 外壁/サイディング下地にジョリパット吹付、リシン吹付
内装仕上材:床/土間コンクリート、塩ビタイル  壁/クロス貼 天井/クロス貼
竣工:2021年4月

取材協力 / ザウス株式会社

『ガレージのある家』 vol.47より転載

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2022/06/16 12:00

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