絶頂!最大に達したテールフィンの「1959年型キャデラック」をモノグラム製プラモで堪能する【モデルカーズ】

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アメリカ最強の時代を象徴する1台

“50s”のアイコン的存在である1959年型キャデラック。その巨大なテールフィンのインパクトは今も絶大だが、大メーカーの最高級車にここまで過激なスタイルが採用された例は、空前にして絶後であろう。巨大なフィンに目を奪われて見落としがちだが、基本フォルムはハーリー・アール流の重厚なシルエットに決別し、1960年代を予感させるスマートなものとなっている。これについては、1957年型クライスラー系各車のスリークなデザインに先を越されて悔しい思いをしたデザインスタジオのクーデターとも言われている。

ホイールベースは前後の年式と比べても最大となる130インチ(3302mm)、全長は225インチ(5715mm)にも及ぶ。ラインナップには、基本モデルのシリーズ62、その上級版のデビル、フォーマルな最高級モデルのフリートウッド60スペシャル、そしてスペシャリティカー的なエルドラドがある。エルドラドのうち、4ドア・ハードトップのエルドラド・ブロアムは専用のボディ(印象的には通常モデルに似るが細部の処理が控えめで、後の1960、1961年型に似たスタイリング)を採用、ピニンファリーナが製造を手掛けた。

2ドアのエルドラドはクーペがセビル、コンバーチブルがビアリッツと呼ばれて区別される。基本のボディは通常モデルと共通だが、サイドのクロームのアクセントが異なっていた。1959年型のキャデラックには、さらにホイールベース149.75インチ(3084mm)のフリートウッド75(セダンおよびリムジン)、そしてさらに長いコマーシャル・シャシー(救急車や霊柩車に使われる)も存在した。エンジンは390-cid(6.4L)で全モデル共通だが、他が325hpであるのに対し、エルドラド用は出力345hpと強力なものになっている。

細部まで凝ったパーツ構成が圧巻のキット内容!
さて、ここでお見せしているのは1959年型キャデラック・エルドラド・セビルのプラモデル完成品である。同年型キャデラックには当時のジョーハンがあり(60スペシャル)、また同じくエルドラドにはグンゼ(現GSIクレオス)の1/32などもあるが、現在でも入手が容易なキットとなると、このモノグラム(レベル)となるようだ。初版のリリースはビアリッツ(No.2957)が1992年、セビル(No.2463)が1995年であった。内容はかなり凝ったもので、メーカーのやる気が十分に感じられる。ボディは「さすがキャデラック」というデカさだが、形には少し疑問も残る。特にフロント周りのバランスがおかしいようだが、特徴的なテールフィンのおかげもあり、実車同様のインパクトを充分堪能できる。テールフィンの部分にはヒケが見られるので要修正、そこに付く砲弾型のパーツ(テールレンズにつながる膨らみ)は微かな歪みでも目立つので、真っすぐ接着するよう注意。リアウィンドウは接着しろが少ししかないので、汚さないように慎重に作業しよう。

ヘッドライトの基部となる箇所はこのキットではグリル/バンパーと一体のパーツとなっている。しかしこの部分は実車ではボディカラーにペイントされているので、何らかの方法で塗装しなければならない。作例では、ジャンク状態となったキットがあったので、2個のパーツからヘッドライトベゼルとボディ側の部分をそれぞれ切り取って組み合わせ制作した。ベゼル以外の部分をボディへ接着し、ボディカラーをペイントしている。さらに、グリルは裏から削り込んで格子部分を開口した。

エンジンルームはかなり密度が高く実感がある。エアコンのホースもパーツとしてあり、プラグコードの追加くらいで十分な仕上がりとなる。組み立てのときにファンベルトに付く補器類が少し邪魔となるので、これらはボディとシャシーを合体後に接着した方が良い。ラジエターシュラウドも同様に合体後に固定した方が組みやすくなる。パーツの合いが若干良くなく、隙間ができる所もあるので修正が必要。エアクリーナーの吸気口はできれば開口しよう。ボンネットのチリは少し余裕を持たせてあげないと、フェンダー上面のモールに貼り込んだメッキシールを傷めてしまうので注意しよう。

シャシーは特に問題となるところはないが、リアアクスルは少し狭めないとホイールがボディへ当たるので調整する。ボディカラーはコード90「OLYMPIC WHITE」。Mr.カラーC69グランプリホワイトとGX1クールホワイトを混ぜている。ルーフは「WEATHER RESISTANT FABRIC」と実車のカタログに書かれているが、これはエルドラド・セビルのみの仕様のようだ。カラーはボディと同色だが、ツヤは半ツヤくらいが適当。作例ではボディカラーの上からC181スーパークリアー半光沢を少しツヤ消しぎみにペイントしている。ホワイトウォールは白のプラパーツだが、これは横着せずに半ツヤのホワイトをペイントした方がよい。

インテリアで気になるのはフロントシートの合いが良くないくらいで、ディテールの表現も申し分なく上々の出来だ。カラーリングはホワイトとレッドのコンビとしてみた。ホワイトはボディカラーを用い、レッドはMr.カラーC68モンザレッドにGX2ウイノーブラックを混ぜたものを使用し、C181スーパークリアー半光沢をオーバーコートしている。

作例制作=周東光広/フォト=羽田 洋 modelcars vol.192より再構成のうえ転載

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2022/06/06 15:00

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