今や輸入車シーンでウェッズのホイールは確固たる存在感を持つ。中でもクレンツェと並んで注目したいのがマーベリック一連の製品群だ。長く色褪せないデザイン性を持ち、色やサイズなども細かく指定できる。
毎年のように登場する製品群をいま一度振り返る
アフターホイールの草分け的存在であるウェッズの、フラッグシップを担うのはクレンツェである。ウェッズとして初めて輸入車へと挑戦したブランドでもあった。いつもクレンツェは唯一無二のデザイン性を貫き、時として大胆な造形を持って攻め続ける。
それとは対照的にコンサバティブなデザインを貫くのが、ここに取り上げるマーベリックだ。マーベリックの流れを追うのは容易い。製品名に付く４桁の数字のうち、前半の２桁は年々数字が増え（同年に２モデルの登場もある）、後半の２桁がスポーク本数を示す。2022年モデルとして登場した1410Sは、「15年目で10本スポーク」ということになる。このように歴代モデルを俯瞰していくと、それが過去のモデルであっても鮮度を保ち、普遍的なデザイン性を持っていることがわかる。
その上でクレンツェで培った”対応力”はマーベリックにも貫かれている。対応力とはすなわち、豊富かつきめ細かいサイズ設定であり、豊富かつ自由に選べるカラーリングである。リムとディスクを組み合わせる２ピース構造を活かして、インセットを１mm単位で指定することができるほか、リムとディスクを個別にコーディネートすることも可能となる。
数多ある老舗ブランドやチューナー系を前にして、ウェッズは後追いで輸入車シーンへと進出した。膨大な車種に加え、国産車とは勝手が違うトレンドを前に、最初は試行錯誤の連続だったという。しかしマルチピースの多様性に活路を見出し、あらゆるサイズを揃えて市場に提案した。つまりは魚網方式だ。その上で全国のショップやチューナー、ユーザーをも巻き込んでマッチングを突き詰めていった。今では輸入車シーンで確固たる存在感を放つようになったのは、「すべてのサイズを用意して、ユーザーに選んでもらえる体制を整える」ということを貫いてきたからだ。今ではウェッズ側からも輸入車へのマッチングがたくさん提案されるようになったが、その背景にはこうしたモノづくり思想がある。それだけの供給力を備えるのがウェッズの強みだ。
こうした”対応力”とコンサバ路線とが同居したマーベリックは、大人っぽく輸入車を乗りこなすには相応しいモデルばかりだと思う。今、色や仕様を選べるオーダーメイドシステムは、数多くの輸入車ブランドが採用する。その上で、アフターホイールにだって同じような考え方があってもいい。車種、カテゴリーが何であっても、自分だけのコーディネートに仕立てようとするとき、マーベリックやクレンツェに代表されるウェッズのアフターホイールは、その希望にそっと寄り添ってくれる。
1410S
立体的な10本スポークを持つ1410Sは2022年モデルの新作となる。スポーク天面は細く繊細にみえるが、逆に縦断面は相応の厚みを持っていて力強さを感じさせる。スポーツホイールの世界では定番の10本スポークだが、マーベリッ12本のフィンタイプに ク流の造形はとても新鮮である。
1307M
7つの交点メッシュを持つ1307M。交点部分から傾斜が強くなる二段階傾斜を始め、随所が立体的な表情を持つ。登場したのは2021年だが、最近になってグレイズブラックという新色が追加された。光沢のある黒みが四方八方の光を受けてその立体感を強調させる。
1105S
シンプルな5本スポークながらも全体的にコンケーブ形状を持たせ、また各スポークに複合的なアール形状が盛り込まれる。さらにスポークサイドに切削加工によるコントラストを加えることで個性的なデザインとなった。
1107T
1107Tの最後につく“T”はツインスポークを示す。7本のツインスポークからなる造形で、サイドにリブを設けてシャープなイメージを構築。力強くたくましく、なのに過度に暑苦しくないデザインは車種を問わず似合う。
1212F
12本のフィンタイプにして回転方向に向かって倒れこむような造形を表現。各スポークはセンターへ向かって落としこまれるコンケーブ形状も持っている。コンサバ路線を貫くマーベリックにしては攻めたデザインだ。
◎サイズ／価格
18inch×7.5～10.0J（リバースリム）／77,000～82,500円（税込）
19inch×7.5～10.5J（リバースリム）／83,600～90,200円（税込）
20inch×8.5～10.5J（リバースリム）／99,000～114,400円（税込）
21inch×9.0～11.0J（ノーマルリム）／113,300～128,700円（税込）
◎カラー：グレイズブラック、プレミアムシルバー、SBC
◎対応車種：メルセデス・ベンツ／BMW／アウディ／その他国産車等
問い合わせ先＝ウェッズ＝https://www.weds.co.jp/
ル・ボラン2022年6月号より転載
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