耐久王伝説にプラモで浸る!タミヤ製「ポルシェ956」を徹底的にディテールアップ!!【モデルカーズ】

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1980年代ル・マン7連覇の半分以上を担った名車

耐久レースの王者、そんな呼び名をほしいままにするポルシェ。特に1980年代の無敵ぶりにはすさまじいものがあった。1981年から1987年にかけて、7連覇という記録を達成している。そのうち1982年から1985年にかけての4連勝を担ったのが、ポルシェ956だ。1982年に登場した956は、この年から導入されたグループC規定に合わせて開発された車両だった。グループCの最大の特徴はレース距離に応じて燃料使用量が決められていたこと、つまり燃費が重要視されるということである。そのため956は空力を非常に重視して開発された。優雅な曲線を持つボディはFRP製で、徹底した風洞実験により形づくられたもの。ボディ前後下端は逆翼断面形状となっており、グラウンドエフェクトカーであったことも特徴だ。車体構造は、長らくポルシェ製レーシングカーを特徴づけていたスペースフレームをやめてモノコック式を採用。これはアルミ板をリベットと接着剤で組み立てたもので、非常に軽量に仕上げられていた。 ミッドシップに搭載されるエンジンは、もちろん水平対向の6気筒。ヘッドのみが水冷化された強制空冷エンジンで、DOHC 24バルブにKKK製ターボチャージャーを2基組み合わせ、2.65Lの排気量から約600hpの最高出力を発揮した。トランスミッションは信頼性を重視して、シンクロメッシュ式の5速を組み合わせている。956はデビュー戦(1982年シルバーストーン)こそランチアに敗北を喫したものの、本番とも言えるル・マン24時間では1-2-3フィニッシュを成し遂げた。

翌1983年にはインジェクションを機械式から電子制御(ボッシュ製)に変更して燃費をさらに向上させるとともに、カスタマーチームへの販売を開始。ヨースト・レーシングによる勝利も含め1985年までのル・マン4連覇に至ったのである。また、同年から主力マシーンを後継車である962Cへと移行、1986、1987年とル・マン連覇を重ねることとなった。余談ながら、翌1988年の8連覇を阻止したのがジャガーである。

ここでお見せしているのは、この956を再現したタミヤ製1/24スケールのプラモデルを制作したものだ。ただし、このキットがお手元にある方ならすぐお分かりと思われるが、エンジン周りに徹底的なディテールアップを行ったほか、ドアも開閉可能に改め、コクピット内部がよく見えるようにされている。

作例は1983年ル・マン仕様であるが、優勝した3号車ではなく、ドライバーのステファン・ベロフへの作者の思い入れから、リタイアに終わった2号車(マス/ベロフ組)として仕上げている。タミヤのキットはワークス仕様(ロスマンズ)での再販は長らくされておらず、クレマー・レーシングなど他の仕様でのリリースが何度かされているが、作例もオリジナルの当時ものではなく、再販のキットにSHUNKO製のデカールを組み合わせてフィニッシュされたものだ。

ドアの開閉とエンジン再現の充実化
まずドアを開閉可能にするため、ボディをタガネで彫り込んでドアを切り離す。ヒンジは金属線と金属板を組み合わせてハンダ付けし自作、ドアとボディ双方に切り込みを入れて固定する。ボディ側には洋白線を曲げて平らに削ったものを取り付け、ヒンジの押さえとした。完全な可動にはこだわらず、抜き差しして開閉両状態で鑑賞可能とする。下側ヒンジはエッジ部分に磁石を埋め込み、オープン時のサポートにする。

スムーズに動き左右同じ角度で開くように調整。ボディとドアを合わせて面出しし、ドアにプラ材を貼ってチリ合わせした。合いを確実にするためドア後端にマグネットを仕込み、ボディ開口部内側にはプラ材でドアの受けを追加。ドアは下部にベルトを付けてボディとつなぐ形とする。ヘッドライト基部パーツはボディとの合いが良くないのでパーツを分割、ボディと一体化し表面処理。塗装後に、切り取ったパーツを組み込むことにした。ルーフ上にモールドされた識別灯は、型を取って透明な樹脂で複製しクリアーパーツ化する。

エンジン周りはまず、エキマニがシャシーに一体となっていてチープな印象なので、モールドは削り落とし、真鍮線をハンダで接合して自作した。アンダーパネル下面にモールドされた排気スリットはドリルで孔を開け、繋いでヤスリで均し開口する。エンジンを載せ、エキマニやターボユニットとの接続ぐあいなどを確認。パーツを塗装後、コードだけでなくパイプや金属線も組み合わせてパイピングを行った。省略されているインタークーラーのチューブはプラ棒で作り、インジェクター部分もパイプや金属線で自作する。

作例は前述の通り、オリジナルのロスマンズ仕様ではなく、イベント販売用のデカール無し版で制作。デカールはSHUNKO製のものを使用したが、運良くオリジナルを入手できてもデカールが使用不可能となっている可能性は高い。ホワイトはガイアカラーのピュアホワイト+フィニッシャーズのスーパーシェルホワイト(3:1で調色)、ブルー部分はフィニッシャーズのブライトブルーで塗装している。

作例制作=Ken-1/フォト=服部佳洋 modelcars vol.271より再構成のうえ転載

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2022/04/27 17:00

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