【2022サマータイヤ バイヤーズガイド】「コンチネンタル・スポーツコンタクト7」突然の天候の変化にも対応できるスポーツタイヤ

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コンチネンタルタイヤがフラッグシップスポーツタイヤと位置づける「スポーツ・コンタクト 7」を6月1日から発売する。今回は、全方位に進化を遂げた新作スポーツタイヤをチェックしてみる。

しなやかで懐の深い高性能スポーツタイヤ

コンチネンタルタイヤのフラッグシップ、「スポーツ・コンタクト」シリーズがフルモデルチェンジ。スポーツ・コンタクト 7として新たに登場した。ウルトラハイパフォーマンス(UHP)タイヤだけに、新型はどんなパフォーマンスを備えているのか?

サイズは19~23インチの全30サイズを用意する。ドライグリップと優れた操縦性を備える一方、欧州タイヤラベリングでは転がり抵抗C/ウェットグリップA(JATMA A/a相当)を実現。

結論から言うと、ドライブレーキングやウェットブレーキング、サーキット性能を伸ばしながら、耐摩耗性を大幅に引き上げているところ。さらにタイヤサイズ(重量や駆動方式)ごとに構造を最適化して作り分ける、テーラーメイド・コンストラクションを採用し、様々な車種とのマッチングを図っている。トレッドデザインは極太溝3本+細溝1本、計4本の縦溝を基調にしたリブデザインで、一つ一つのブロックを大きくしているのが特徴。細溝にはインターロック・エレメントと呼ばれる突起を設けコーナリング時にはショルダーブロックとセカンドブロックを一体化させ高い剛性を発揮する。

スポーツ・コンタクト 7はストリートからサーキットまでの様々な走行状況のドライ/ウェット路面で高いグリップ性能を発揮する。

また、タイヤ構造面ではキャッププライにアラミドとナイロンを縒ったコード(糸)を使うことで柔軟性と剛性を両立。またカーカスコードには、レース用スリックタイヤと同様に角度がつけられ、サイドウオールの剛性アップが図られている。

極太3本+細溝1本、計4本の縦溝を基調にしたリブデザイン。アウト側ショルダーおよびセカンドブロックはコーナーでは一体となってブロック剛性を高めている。テーラーメイド・コンストラクションの考え方を取り入れサイズに合わせた構造調整を図っている。

コンパウンドはハーモナイズド・ブラック・チリ(第3世代)と名付けられた新コンパウンドで新世代の樹脂と(ゴムの柔軟性を保つための)新柔軟剤を配合することによって広い温度域で粘着性の高いコンパウンドを開発。同時に耐摩耗性を大幅に高めている。
ハイグリップ性能に優れたタイヤは一般的にゴムの温度依存性が高いためにウェットは苦手なのだが、新型は、ハイグリップ性能とウェット性能を両立し、しかも耐摩耗性まで伸ばしているのだという。ちなみに欧州のタイヤグレーディングではウエットグリップA、転がり抵抗C(一部サイズはD)を獲得。これは国内タイヤグレーディングでいうとウエットグリップa/転がり抵抗Aに相当。UHPタイヤとしての高いパフォーマンスだけでなく、優れた環境性能まで備える点は特筆すべきだろう。

高速道路での快適性も優秀。コツコツした硬さがなく乗り心地はマイルド。転がり抵抗が少なのが感じられるスムーズなタイヤの転がり感がある。また静粛性も高い。

今回の試乗車はアウディRS4アバントでタイヤが前後255/35R20サイズ。試乗した印象はタイヤのあたりが比較的柔らかく(硬くない)、滑らかに転がる感触が強くある。発進は軽く、転がり抵抗の少なさがうかがえる。ゴムの弾性が必要以上に強くなく、適度に柔軟な印象だ。
操縦性はエッジの効いた鋭さは抑えられている印象で、特に80km/h以下くらいの速域では唐突さがなくマイルドでリラックスできる操縦感覚がある。そして速度が上がるにつれて操舵に対する精度感が高まり、ステアリングの操舵量と操舵速度に正確に反応してくれる。また、コーナーではターンイン初期の荷重の乗っていない状態からタイヤがヒタッと路面をとらえている感触がある。グリップの高さから得られる安定性はもちろんのこと、手元に届く安定感と安心感が得られるのが良い。
スポーツ・コンタクト 7は、「スポーツ・コンタクト」シリーズとして受け継いできたドライ&ウェット路における優れた操縦性を確実に進化させている。その上で高剛性一辺倒ではなく、しなやかさや快適性、さらには優れた環境性能まで備える、文字どおり新世代のUHPタイヤであると感じた。

問い合わせ先=コンチネンタルタイヤ・ジャパン https://www.continental-tire.jp/car

フォト:宮越孝政 T.Miyakoshi/ル・ボラン2022年6月号より転載

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