懐かしいのはやっぱりこの顔!マイクロエース製プラモから「いすゞBX341」ボンネットバスをセミスクラッチ!【モデルカーズ】

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日本全国の足を支えた頼もしいバス

ボンネットバスといえば、郷愁を誘う「懐かしい自動車」の代表的な存在であろう。今も残る各地のボンネットバスに最も多いのは、やはり4灯ライトのいすゞBXのようだ。現役当時のシェアの大きさが窺えるが、同じ顔のTX型トラックが消防車として各地で活躍し続けたこともあって、ボンネットバス/トラックと言うと、なおさらいすゞの4灯ライトのイメージが強いようである。しかし、1950年代を実際に知る人にとって本当に懐かしいのは、2灯ライトと2段グリルが特徴の、それより古いタイプのBX/TXであろう。

BX/TXの歴史を辿ると戦前まで遡るが、戦後型のTXトラックは1946年発表のTX80が最初で、これは5トン積みガソリン車であった。この頃はまだ大型トラックでもガソリン車が主流だったのである。1948年には戦後初の本格的ディーゼルバスシャシー、BX91を発表。ホイールベース4.3mと当時としては大型であったが、翌1949年にはホイールベース5mのBX95を追加している。フロントノーズのデザインを戦前型から継承してきたBX/TXだが、1950年のマイチェンでヘッドライトがフェンダーと一体になった。

1954年には再びマイナーチェンジを行い、上段ラジエターグリルと側面エンジンフードのスリット本数が少なくなった(スリットが太くなった)。1956年にはエンジンの改良とともに型式の数字が変わり、BX91はBX341へ、BX95はBX351へと称号を改めている。1959年のモデルチェンジで完全にデザインを変更、エンジンフードがアリゲーター式となり、1964年には件の4灯ライトの顔へと改められたのである。

さて、ここでお見せしているのは1958年式のいすゞBX341を再現した1/32スケールの模型だ。この顔のBXのプラモデルは存在しておらず、あのマイクロエースのBXD30(旧エルエス金型)をベースに、フロントノーズをはじめ各部を改修して制作したものである。

ノーズ周りは完全自作、ボデーも古いタイプに
フロントノーズは完全に自作したものだが、エンジンフードは上面をレベル製1937年型フォード・ピックアップから流用。フェンダーはタミヤ1/35デザートシボレーの同部位をベースに、タミヤ1/24ミニのボディからライト周りを切り出し組み合わせ、全体をエポキシパテで造形。ラジエターカバー部分はタミヤ1/35のドイツ18tハーフトラックの同部位を加工しつつ、前面をプラ板から切り出して作っている。側面エンジンフード、フロントグリル(下段の3本バー部分)もプラ板工作によるものだ。

ボデーは元キット同様に川崎航空機のものとしたが、フロントコーナー部の三角窓や運転席脇の窓、側窓最後尾の小窓の形などを改めて、1958年式らしいものにした。スタンディウィンドウ(側面窓の上段)は形が四角いのが気になるので、全て形を修正し、Hゴムをプラ棒で貼り直している。

ボデーそのものもプロポーションを見直し、屋根は厚みを増すとともに裾にもプラ板を貼って平たい感じを解消。ボデー後端も平板な感じなので、リアパネルを一旦切除し、別のキットから屋根の一部を切り出してリアパネルとして接合、これによってリアウィンドウも猫背になるよう作り直している。これだけではリアオーバーハングが間延びしてしまうのだが、元キットは前後とも車軸が前にズレたような感じがあるので、シャシーごと後ろにずらして解決した。元のキットと側面形で比較して頂ければ幸いだ。

カラーリングは千葉県の小湊鐡道のものとしたが、実際には当時の車両とは社名の文字の入り方が違っており、また側面に大きく「KTK」の頭文字が入るのが正しいようだ(制作時点では資料不足により確認できなかった)。塗り分けにはMr.カラーのC51薄茶色、C59オレンジ、C118 RLM78ライトブルーを使用している。室内は複数の同キットから横向きシートを切り出し、三方シートに変更した。床面はプラ板で作り直している。

作例制作=秦 正史/フォト=羽田 洋 modelcars vol.131より再構成のうえ転載

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2022/04/12 20:30

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