シンプルな顔つきに改修!ハセガワ製プラモ「いすゞジェミニ・イルムシャー・ターボ」を前期化する【モデルカーズ】

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ディーゼルのいすゞが放ったスマッシュヒット大衆車

ジェミニは、今では商用車専門メーカーとなっているいすゞが、かつて生産していた小型乗用車である。そのルーツは1963年デビューのベレットまで辿ることができるが、ジェミニの名を冠したモデルは、1974年に初登場している。これはその3年ほど前から提携を結んだGMのワールドカー構想(Tカー)に基づき、同じくGMグループに属するオペルのカデットをベースにしたものであった。このカデットをベースに、日本ではジェミニ、アメリカではシボレー・シェベット、さらに南米や韓国など世界各国に……といった具合いに兄弟車を国際規模でリリースしようというのが、Tカー構想である。

このTカーには3ドアや5ドアのハッチバックなどもあったが、ジェミニとしてラインナップされたのは4ドア・セダンと2ドア・クーペのみ。デビュー当初は、ヒルマンやベレットにも通じる洒落た雰囲気も具えていたジェミニだが、やはりベレット同様にモデルチェンジのないまま10年以上が経過、モデル末期の旧態化は著しいものであった。こうして1985年、ようやくのモデルチェンジでFF化されて登場したのが2代目のジェミニ、FFジェミニである。

今度はカデットとは関係なくいすゞ自社開発となった2代目は、大衆車クラスへと移行。ボディ形式は4ドア・セダンと3ドア・ハッチバックの2種、エンジンは1.5L OHC(新開発)であったが、追って得意のディーゼル車も加わっている。世界的なスタントチームの協力で制作されたテレビCMや、ポップなボディカラーも評判を呼んだ。2年後にはマイナーチェンジを行い、車名から「FF」が外されている(このときまで初代が併売されていたため、車名で差別化を図っていた)。なおこの2代目も、先行して1984年からGMによりアメリカでも販売されている。

このFFジェミニと言えば思い出されるのが2種類のスポーツバージョン、「イルムシャー」と「ハンドリング・バイ・ロータス」である。前者は前期型のうちにラインナップに加わったもので(後者は後期型「ジェミニ」から)、エンジンにターボを装着し、西独(当時)のイルムシャーにより足周りをチューニング、エアロパーツで武装した姿にも迫力があった。「ハンドリング~」も同様にロータスがサスペンション・チューニングを手掛けているが、こちらはエンジンが1.6Lツインカムとなるのも特徴だった。

微妙ながら意外に多い要改修箇所
さて、ここでお目にかけているのはこの2代目ジェミニのハセガワ製1/24プラモデルを制作したものである。同社からはイルムシャーおよびロータスのどちらも製品化されているのだが、ひとつ惜しいのは前期型(FFジェミニ)が存在しないことだ。穏やかな顔つきのイルムシャーも作りたい、そんな気持ちで制作したのがこの作例なのである。そのためまずバンパー開口部の形状をプラ材と瞬間接着パテで埋め、前面の平坦部を削って縦に広げる。チンスポイラー部の逆R形状などを作り、前期型のバンパーモールを筋彫りした。

ライトパーツからはコーナリングランプを切り出し、フェンダーの穴埋めに使用。ヘッドライト下のパネルを薄く削り、バンパー下のくびれ形状も調整する。グリルは目盛りプラ板をベースに枠を作っていき、細かい形状を再現。バンパーのウィンカー開口部は目盛りシールを利用して位置出しし、ドリルで大まかに孔を開けてからヤスリで繋げて整えていった。サイドとリアも同様に細かい作業によって前期化している。

ダッシュボードはメータークラスター左右の形が異なるので、プラ材で前期の形状に修正。幸いこの部分はダッシュ本体と別パーツなので、作業しやすい。この部分はいわゆるサテライトスイッチなので、プラ材でボタン形状を追加する。4本スポークのステアリングホイールはジャンクパーツから自作。シートのヘッドレスト中央のメッシュはクリアーパーツで表現されているが、作例では真鍮メッシュに交換している。

「ライトカバーはキットパーツが使えるかと考えていたのですが、前期は面が平らに近い形状で、そもそも上下の幅が足りないと判り、ジャンクパーツから削り出しています。さらに前面のRが、どうも前期型はかなり平面的な印象を受けたので、それに合わせボンネットとバンパーのサイドエッジをプラ材でカサ出ししています。ということは、一番目につくフロントフェイス以外に、微妙ながらパネル変更を伴う大掛かりなマイチェンだったということです」と作者は語っている。おそらく前期モデルのキット化はないだろうから、改造を考えている方は参考にして頂きたい。

作例制作=Ken-1/フォト=服部佳洋 modelcars vol.289より再構成のうえ転載

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2022/02/23 13:00

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