当時は先進デザインだったオールド・ピックアップ、「シボレー3100」のAMT製プラモデル【モデルカーズ】

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乗用車より早いデビューの戦後型シボレー

1947年から1955年までのシボレーのピックアップ・トラックはアドバンス・デザイン(Advance Design)シリーズと呼ばれる。その登場は’47年シーズンの途中からで、シボレーとしては乗用車のシリーズに先駆けた戦後初のモデルチェンジであり、先代より低く、またキャビンの横幅をゆったりと採った設計が好評を呼び、ピックアップ市場シェア30%を超えるヒット作にまでなった。名称は積載量によって変わり、3100は1/2トン、3600が3/4トン、3800が1トンを表わす。なおこの名称は、メーカー内での識別のためのモデルナンバーをそのまま車名にしたものだ。

このノーズとキャビンはより大きなトラックやトラクタとも共通だったが、4100(2トン)以上はトレッドに併せてフェンダーが拡げられている。3800まではスリフトマスター、4100以上はロードマスターと呼ばれていたが、この区分けは1949年型で廃止。また、当初は給油口が右側リアフェンダーの前に位置していたが、これは1949年型でキャビンの右側ドア後ろに変更された(つまり燃料タンクの位置もシャシーからキャビン内に移動)。1951年型では三角窓が追加され運転席ドア前のベンチレーターを廃止、1952年型ではドアノブがプッシュボタン式となるなど、細かな改良は年々行われている。1954年型ではフロントマスクのデザインが大きく変わり、太い十字型モチーフのものとなった。フロントウィンドウも一体型に変更。

ホイールベースは116インチ(2946mm)、参考までに他のモデルについても記すと、3600は125.25インチ(3181mm)、3800は137インチ(3480mm)。エンジンは1953年型まで216.5-cid(3.5L)の直6で変わらないが、最高出力が初期は90hp、1950年型からは92hpとなる。1954、1955年型では、112hpの235.5-cid(3.9L)が搭載された。フロントグリルなどの仕上げはどの年式でもペイントが標準で、メッキ仕様はオプションである。シリーズは1955年シーズン途中でモデルチェンジし、タスク・フォース(Task Force)シリーズへとバトンタッチされた。

ここでお目にかけているのは、このアドバンス・デザインのうち1950年型を再現したAMT製1/25スケール・プラモデルである。このキットは初版が1994年にリリースされてから、カスタム版やコカ・コーラ仕様など色々なバージョンが発売されているが、今回は石油会社のテキサコ仕様(679/12 2011年発売)を選んでみた。内容としては、ストックのキットにプッシュバンパー、フェンダーライト、フラッシャーライト、デカールを付属させたものだ。

組み立て上の留意点を解説
キャブは丸みを帯びた形がよく表現されているが、フェンダー後端やキャブ後端下部が別パーツなので、その接着箇所はきれいに成形しておく。ウィンドウの合いは一部良くないので要調整。ワイパーは一体のモールドだが立体感に乏しいので、作例ではジャンクパーツから適当なものを取り付けた。ドアハンドルも同様である。ヘッドライトはベゼルのライト面が平面で実感に欠けるので、ここもジャンクパーツを流用。フェンダーライトは材質のせいか脆いので扱いに注意が必要だ。作例ではステーの部分を金属線に替えている。サイドミラーのステーは太いので、こちらもその意味で金属線に交換した方が良い。

荷台は説明書に書かれている通り、サイドパネル上部コーナーの加工(ディテールアップ)をする。使うドリルは1mm径でよいようだ。サイドパネル前端にフロントパネルのダボの孔が開いているが、ここは塞いでおく。押しピン跡が目立つのでキチンと処理しておこう。荷台の床面はC19サンディブラウンにC44タンを混ぜた色をベースとし、C43ウッドブラウンで木目を入れ、ニス色(クリアーイエロー、クリアーオレンジ、スモークを混ぜた色)で上塗りした。

インテリアはよく出来ていて、メリハリも適当に効いている。キャブにインテリアをセットするとき、ファイアウォール側から入れなければならないが、かなりキツいので、あらかじめ仮組みの段階で練習しておくとよい。キャブとの接着は前側の接着位置がハッキリしないので、必要に応じてプラ材などで接着シロを確保しておく。ダッシュパネルなどの色は実車写真を見ると茶色がかったライトグレーで、すこしメタリックっぽい印象だ。白にウッドブラウンを混ぜ、これにシルバーと黒を少量加えてみた。シートバックは可動式となっている。

よく出来たエンジンは塗装をきちんとするだけで十分見栄えがするが、プラグコードはこのエンジンの場合よく見えるので、ぜひ付けたいところ。作例ではヒーターホースも追加している。シャシーはフレーム側面にヒケが見られるので、パテ埋め成形が必要だ。形状や各パーツのフィッティングも良く、制作で問題となるところはないが、破損しやすいパーツがあるので扱いには注意が必要だ。足周りはキットのままで車高、トレッドともに問題ない。ただしホイールとタイヤの相性が良くないのか、リムが出過ぎた感じとなってしまうので、気になる場合はなんらかの加工か、タイヤの交換を行うこととなる。また、ハブキャップももう少しフラットな形状が正解のようだ。

ボディカラーはキット箱側面の絵を参考にした。グリーンは実車カラーチップと照合した結果、「SEACREST GREEN」のようなので、クレオスのGX6モウリーグリーンに、GX1クールホワイトとGX2ウイノーブラックを混ぜている。プッシュバンパーのトラ縞はデカールが付属しているが作例では塗装、黄色はC329ブルーエンジェルスイエローを用いた。グリルは前面のバーの部分以外はボディカラー(作例の場合はグロスブラック)となる。

作例制作=周東光広/フォト=服部佳洋 modelcars vol.263より再構成のうえ転載

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2022/02/18 10:00

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