オンライン販売のみで本当に大丈夫? 約12年ぶりに日本に上陸した「韓国ヒョンデ」の戦略とは?

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ブランド名もヒュンダイ」から「ヒョンデ」に変更

韓国の現代自動車(Hyundai)が約12年ぶりに日本での販売を再開する。社名とブランド名は2020年に世界統一呼称として、「ヒュンダイ」から韓国語の発音により近い「ヒョンデ」に変わった。ヒョンデ・モビリティ・ジャパンは2022年2月8日、オンラインで記者会見し日本市場での事業戦略について詳しく説明した。
発表会場には、EVの「IONIQ5(アイオニックファイブ)」と燃料電池車の「NEXO(ネッソ)」が並べられ、これら2モデルがまず、日本市場に導入される。
今回の会見でメディアが最も注目したのが、オンライン販売についてだ。なんと、販売するディーラーを国内で今後、展開しないというのだから驚きだ。

BEVのアイオニック5。

そもそも、約12年前の日本市場撤退以降、既販車に対する無償点検を協力整備工場で続けてきたものの、ディーラー自体は完全になくなっていた。それを逆手に取り、いわゆる無店舗販売での完全オンライン化に着手するのだ。

FCVのネッソ。

新車オンライン販売については、例えばボルボも「C40 Recharge」から国内EV販売はオンライン化することを表明しているが、売買契約はこれまでの通り、販売店で行う。ヒョンデの取組は事実上、日本で初めての新車完全オンライン販売だといえるだろう。

実際に触れ合う機会も提供

ヒョンデ・モビリティ・ジャパンでは、ユーザーが「アイオニックファイブ」と「ネッソ」と実際に触れ合う機会も様々な方法で充実させる。ひとつ目は、カスタマーエクスペリエンスセンターの設置だ。2022年夏に横浜市内で開設した後、全国の主要都市でも展開する予定だ。

もうひとつは、DeNAが提供するカーシェアAnyca(エニカ)を使う。Anycaには、C2Cと呼ばれるユーザー間でクルマの貸し借りするビジネスモデルと、B2Cとして企業がユーザーと車両を貸し出す一般的なカーシェア事業がある。今回、ヒョンデがAnycaと業務提携するのは後者だ。
2022年2月末から東京都内と神奈川県内で、「アイオニックファイブ」50台と「ネッソ」20台を投入して、より多くのユーザーにヒョンデの最新モデルを味わってもらうことを始める。期間限定プログラムとして、2022年5月末までの3ケ月間は、2モデルのカーシェアを1時間無料キャンペーンも実施する。

2021年ヒョンデの世界販売台数は約389万台。また、未来構想『ヒョンデ2025戦略』の中で「2025年までにグローバル市場でBEVと燃料電池車の世界トップ3メーカーのひとつになる」と宣言している。
ヒョンデはこれから日本で、BEVとFCVのダークホースになるかもしれない。

公式ページ https://www.hyundai.com/jp/home

この記事を書いた人

桃田健史

専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。日本自動車ジャーナリスト協会会員。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、自動運転、EV等の車両電動化、情報通信のテレマティクス、そして高齢ドライバー問題や公共交通再編など。

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