新型ゴルフ8の中で注目すべき1台と言えば、ホットハッチの定番「GTI」だろう。また、GTIと前後して、国内でデビューしたのが最新世代のディーゼルエンジンを採用した「TDI」である。早速、新型GTIとTDIの走りを堪能してみた。
スポーツモデルなのに優れた快適性を持つ
2021年の暮れも押し迫った12月下旬、ファン待望のゴルフGTIがついに日本に上陸した。同年6月にゴルフ8のハッチバックが発売され、7月にはステーションワゴンのヴァリアントが追加された日本市場では、1L直列3気筒ターボまたは1.5L直列4気筒ターボと、48Vマイルドハイブリッドが組み合わされたeTSI搭載モデルが注目を集めていた。
そして今回、追加されたのが、1976年の登場以来、ホットハッチの定番モデルとして絶大な人気のゴルフGTIの最新型。ゴルフ8の特徴である、デジタル化されたコクピットや常時ネットワークに接続可能なインフォテインメント、充実のドライバーアシスタンスシステムに加えて、最新のパワートレインや強化されたシャシーを採用するのが特徴だ。
搭載されるエンジンは、EA888 evo4と呼ばれる最新世代の2L直列4気筒ターボで、先代ゴルフGTIの上級グレードであるGTIパフォーマンスと同じ最高出力245ps、最大トルク370Nmを発揮。デュアルクラッチギアボックスの7速DSGにより前輪を駆動する。さらに、先代GTIパフォーマンス同様、電子制御油圧多板クラッチ式のフロントディファレンシャルを標準で搭載しているのが見どころである。
タータンチェックのシートに身を委ね、デジタルコクピットプロを回転計が大きく中央に配置されるGTI専用スキンに変更して、さっそくスタート。可変ダンピングシステムのDCCが装着された試乗車は、コンフォートモードを選ぶ限り、235/35R19サイズのタイヤからのショックを巧みにいなし、スポーツモデルであることを忘れるほどの快適さだ。
245psを誇る2Lエンジンは、先代GTIのそれよりも低回転域でのレスポンスが向上するとともに、アクセルペダルを踏み込めば、3000rpm手前から勢いを増し、6000rpm越えの高回転まで一気に吹け上がる気持ちの良さ。驚くのは、コーナーからの立ち上がりで見せるトラクションの高さで、箱根のタイトコーナーではアンダーステアを抑えながら、しっかりと加速していくのが手に取るようにわかる。しかも先代のGTIパフォーマンス以上にフロントディファレンシャルが効いている印象で、新型GTIの武器になるに違いない。
新型ゴルフGTIと前後して、日本市場でデビューしたのが2L直列4気筒ディーゼルターボエンジンを積むゴルフTDIだ。搭載されるのは、日本では初導入となるEA888 evo TDIで、デュアルAdBlue噴射のツインドージングシステムなどに搭載により、NOxの排出を抑えながら、最高出力150ps、最大トルクは従来より20Nm増の360Nmを達成する。その印象は、従来のTDIとはまるで別物で、加速時のエンジンノイズや振動が格段に抑えられ、スムーズかつ力強い加速が楽しめるようになった。走行距離が多い人やロングドライブを好む人には、まさに打ってつけである。ちなみに、ゴルフヴァリアントTDIは2022年に発売されるとのことだ。
【specification】フォルクスワーゲン ゴルフGTI[ゴルフTDI Rライン]
■車両本体価格(税込)=4,660,000円[4,088,000円]
■全長×全幅×全高=4295×1790×1465mm[4295×1790×1475mm]
■ホイールベース=2620mm
■車両重量=1430kg[1460kg]
■エンジン種類/排気量=DNP/直4DOHC16V+ターボ[DFG/直4DOHC16V+ターボ]
■内径×行程=82.5×92.8mm[81.0×95.5mm]
■総排気量=1984cc[1968cc]
■最高出力=245ps(180kW)/5000-6500rpm[150ps(110kW)/3000-4200rpm]
■最大トルク=370Nm(37.7kg-m)/1600-4300rpm[360Nm(36.7kg-m)/1600-2750rpm]
■トランスミッション形式=7速DCT
■サスペンション形式=前ストラット/コイル、後4リンク/コイル
■ブレーキ=前Vディスク、後Vディスク[前Vディスク、後ディスク]
■タイヤ(ホイール)=225/40R18(7.5J)、後225/40R18(7.5J)[前 225/45R17(7.5J)後 225/45R17(7.5J)]
公式ページ https://www.volkswagen.co.jp/ja/models/golf.html
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