【国内試乗】「レクサス NX」次世代レクサスの幕開けを飾る第一弾

2021/12/28 12:00

2014年の登場以来、スポーティな走りと個性的なデザインで世界累計販売が約100万台という人気のNX。この度、レクサスブランドの変革に向けた第一弾モデルとして電動化、デザイン、走り、先進技術といった分野で全面刷新が施された。

多種多様なパワートレインを用意

新型NXはレクサスが次世代へ向けて本格的に動き出すオープニングドアのような存在だそうで、車両概要を眺めてみると確かに意欲的とうかがえる部分がいくつもある。その筆頭が多彩なエンジンバリエーションだろう。

20インチホイール車にはランフラットタイヤを装着。またISに続いてNXにもハブボルトが採用されている。リアデザインには次世代への幕開けを象徴するモデルとして、従来のL字ロゴから「LEXUS」ロゴに刷新。

レクサス初となるプラグインハイブリッド(NX450h+)をはじめ、同じユニットを使いながら充電はできない通常のハイブリッド(NX350h)、2.4Lの直列4気筒インタークーラー付きターボ(NX350)、そして2.5Lの直列4気筒自然吸気(NX250)と計4種類も用意されている。さらにNX350hとNX250はFFとAWDが選べるから、駆動形式まで含めると計6種類のラインナップとなる。NX450h+とNX350はAWDのみだが、ハイブリッドのAWDはリアをモーターで駆動し(E-Four)、ガソリンエンジンのAWDはいわゆるメカニカル4駆であり、AWDといってもエンジンによってその形式が異なる。

環境への対応と多様化するニーズに合わせてレクサス初となるPHEVをはじめ、HEV、2.4T、2.5NAエンジンといったさまざまなパワートレインを揃える。

まだ誰も分からない近い将来のモビリティに対して今できることは、どう転んでも対処できるよう選択肢を多く提供することであり、新型NXのパワートレインはまさにそれを具現していると言える。

プラットフォームはトヨタの「GA-K」と呼ばれるタイプで、エンジンを横置きにしたFFベースの(日本では)中型サイズのものを使う。ハリアーやRAV4、レクサスESとの共有だが、このプラットフォームは設計の自由度が高く、モデルのキャラクターによって小変更が可能。NXではリアに積む12Vバッテリーの位置をわざわざ動かしたそうだ。「プラットフォームが同じ=中身は一緒」というのはすでに過去の話であり、NXも前述のモデルたちとは一線を画す乗り味になっている。

軽量化やラジエター冷却性能などに配慮した新デザインのスピンドルグリルを採用。ワンアクションでスムーズなドア開閉を可能にする新開発の電子ロックアンロックシステムの「e-latch」も初めて搭載されている。

今回は4通りのエンジンすべてに試乗した。もっともバランスがいいのはNX350。エンジンは1番パワフルで、Fスポーツの設定しかないいわゆる”ホットモデル”である。ボディには専用の補強も施されており、ワインディングロードでは塊感が伝わってくるとともに、ボディが小さく感じられるくらいよく曲がる。Fスポーツには電子制御式ダンパーのAVSが装着されているので、乗り心地も全般的に良好だった。

多くの機能を大型のタッチディスプレイ内に集約。大画面による見やすさ、使い慣れたスマートフォンやタブレットのように直感的に操作できる使い勝手の良さによりドライバーが運転に集中できるコクピットを実現している。

次に好感を持ったのはNX250。201ps/241Nmだから特にパワーがあるわけではないけれど車両重量はもっとも軽く、自然吸気のエンジンは5000rpmくらいまで気持ちよく吹け上がり、8速ATのシフトプログラムも悪くないので、動力性能については気になるところがまったくない〝上質な普通〞がとてもいい。

長時間運転していても疲れにくく、コーナリングでの姿勢を安定させるシート形状。写真は本革シートが標準装備のNX450hのバージョンL仕様で、カラーはブラック&リッチクリームの新規設定色となる。

PHEVのNX450h+は満充電で88km(WLTC)のEV走行と給電が可能となる。試乗車の車検証には車両重量が2030kmと表記されていて、NX250より約300kgも重くちょっと驚いたものの、EVモードでもハイブリッドモードでもパワー不足はまったく感じられなかった。

いっぽうで、ハンドリングはNX350と比べるとステアリングの切り始めの反応がやや遅く、これはボディ補強の有無や車重が原因を思われる。また本来なら車重が重いと乗り心地にはいい影響をもたらすはずなのに、想像していたほどのフラット感がなかった。

エンジンが始動した時の音も思っていた以上に耳まで届き、EVモードとの差が大きい。この傾向はNX350hでも同様だった。PHEVやハイブリッドはおそらくNX350よりも数が出るモデルだろうから、改善の余地があるだろう。
現状ではNX350とそれ以外のモデルで乗り味の違いが生じていて、これが統一されるとNXとしての個性がより鮮明になるはずだ。でも、新世代レクサスの方向性には大いに期待が持てる。

【Specification】レクサス NX450h+ バージョンL [NX350 Fスポーツ]
■車両本体価格(税込)=7,140,000円[5,990,000円]
■全長×全幅×全高=4660×1865×1660mm
■ホイールベース=2690mm
■トレッド=(前)1605、(後)1625mm
■車両重量=2010kg[1780kg]
■エンジン型式/種類=-/直4DOHC16V [-/直4DOHC16V+ターボ]
■内径×行径=87.5×103.4 [87.5×99.5mm]
■総排気量=2487cc [2393cc]
■最高出力=185ps(136kW)/6000rpm[279ps(205kW)/6000rpm]
■最大トルク=228Nm(23.2kg-m)/3600-3700rpm[430Nm(43.8kg-m)/1700-3600rpm]
■モーター型式/種類=5NM/4NM/交流同期電動機  [-]
■モーター出力=(前)182ps(134kW)(後)54ps(40kW)[-]
■モーター最大トルク=(前)270Nm(27.5kg-m)(後)121Nm(12.3kg-m)[-]
■バッテリー種類=リチウムイオン電池[-]
■燃料タンク容量=55L(プレミアム)
■燃費(WLTC)=19.8km/L[12.2km/L]
■トランスミッショッン形式=電気式無断変速機[8速AT]
■サスペンション形式=(前)ストラット/コイル、(後)Wウイッシュボーン/コイル
■ブレーキ=(前後)Vディスク
■タイヤ(ホイール)=(前後)235/50R20(7. 5J)
公式ページ https://lexus.jp/models/nx/

フォト=郡大二郎/D.Kori ルボラン2022年2月号より転載

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