【国内試乗】「BMW アルピナD5 S」走りもフォルムもアルピナテイスト全開!

萩原秀輝
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2021/05/22 12:00

アルピナD5 Sが5シリーズのマイナーチェンジに伴いフェイスリフトを実施した。同時に、3Lの直列6気筒ディーゼルに48Vマイルドハイブリッドテクノロジーを組み合わせてきた。注目の4WDディーゼルサルーンの実力はいかに?

走りの洗練度を磨きあげるマイルドハイブリッド

アルピナは、ディーゼルエンジン搭載モデルを積極的にラインナップしてきた。しかも、注目できるモデルが数多く揃う。5シリーズが実施したLCI(ライフ・サイクル・インパルス=マイナー・チェンジ)に伴い、D5 Sは3Lの直列6気筒ディーゼルに48Vマイルドハイブリッドテクノロジーを新たに組み合わせてきたのだ。BMWとして日本市場においてはXモデルから導入を開始している技術となるだけに、先行採用したことになる。さらに、D5 Sはエンジン自体も進化。LCI前と比べ最高出力と最大トルクを21㎰と30Nm上乗せし347psと730Nmを発揮する。

3L直列6ディーゼルは、小型ターボと大型ターボが場面に応じて役割分担および協調制御をするビ・ターボチャージングシステムを採用、洗練されたエンジン特性を獲得している。

特に、最大トルクはM5の750Nmに迫るほど強大だ。ただ、こうしたパフォーマンスをあえて潜ませているあたりがアルピナらしい。高速走行など日常的な場面では、8速100km/h1250rpmからアクセルを少し踏み足すだけでメーターにトルクを表示すると600Nmを超えることがわかる。なおかつ、感心するほどスムーズなのに余裕に満ち溢れた加速を開始する。

タイヤはピレリと共同開発したPゼロを装備。20インチのアルピナクラシックホイールは軽量で高剛性なアルミ鍛造製だ。

このスムーズさの実現に、48Vマイルドハイブリッドテクノロジーが役立っている。ジェネレーター(発電器)はモーターとしての機能も備え、発進時や中間加速では11psが上乗せされエンジンをアシストするからだ。ターボのタイムラグを完ぺきに補い、トルクの立ち上がりの微小な不連続感も見事に均してくれる。もちろん、アクセルを踏み込めば潜んでいたパフォーマンスが威力を発揮。それでも、強大なトルクがカタマリになって飛び出してくるような唐突感はない。洗練度の高さをそのままに、圧倒的な速さが高回転域まで持続される。最高出力を発揮するのは4000-4200rpmだが、それを超えてもパワーの落ち込みわずか。5000rpmまで引っ張っても、約90%を確保するだけのことはある。こうした高回転域特性は、アルピナが手がけたディーゼルだからこそ実現可能となるわけだ。

エクステリアは5シリーズのMスポーツがベースとなる。アルピナのエアロダイナミクス・エレメントを身につけるとエレガントさが増す。さらに空力的な効果も実証済みだ。

さらに、コロコロとかカラカラといったエンジン音とは無縁だ。ガソリンの直列6気筒エンジンと同様のクォーンという快音は望めないまでも、グォーンという感じまでは濁らない。吹け上がりのスムーズさは直列6気筒そのものなので、事前に説明されなければディーゼルとは気づかないはずだ。アイドリングストップからのエンジン再始動も、セルモーターではなくジェネレーターがスターターになりベルト駆動で担う。そのため、ギアの噛み込み音やその際の振動がゼロレベルとなることも洗練度の高さを際立たせている。

LCI前のアナログメーターはフルカラー・デジタルに進化。しかも5シリーズの流用ではなくアルピナ専用色でデザインされている。ステアリングのリムも専用デザインでスポークにはシフトスイッチを組み合わせる。

また、サスペンションの設定もD5 Sとしての走りの洗練度に一段と磨きをかける。とにかくストロークがスムーズであり、タイヤの接地感が少し硬めに思える場面でも角のある衝撃をいなしてくれるので不快感を覚えずに済む。次の瞬間には、電子制御により最適化されたダンパーの減衰力がボディのムダな動きを抑え込む。ムダな動きのなさは、山岳路でも確かめられる。それだけに、手応えが軽めでスッキリした切れ味のステアリングを操作すれば気持ちのいいコーナリングができる。専用開発の4WDシステムによるスタビリティを頼りに、スポーティなハンドリングが楽しめることもD5 Sの魅力となるのだ。

フォト:小林俊樹 ルボラン2021年6月号より転載

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