WLTCモードで150kmの航続距離を実現する「C+Pod(シーポッド)」。まずは法人や自治体などを対象に限定で販売
12月25日、トヨタは超小型EV「C+Pod(シーポッド)」を、EV普及に向けて検討を進めてきた法人ユーザーや自治体などを対象に限定販売を開始した。消費税込みの車両本体価格はスタンダードモデルの「X」が1,650,000円、上級の「G」が1,716,000円。トヨタはEVの新たなビジネスモデル構築など、普及に向けた体制づくりを一層推し進め、個人向けを含めた本格販売は2022年を目途にスタートさせる計画だ。
環境に優しい2人乗りタイプのEVとして誕生した新型車シーポッドは、人の移動における、ひとり当たりの高いエネルギー効率を追求。日常生活における近距離移動に加え、定期的な訪問巡回といった法人利用や、都市・山間部などそれぞれの地域に即した安心・自由かつ環境に良い移動手段を目指したものだ。
ボディサイズは全長2490×全幅1290×全高1550mmで、ホイールベースは1780mm。最小回転半径は3.9m。WLTCモードで150kmの航続を可能にする9.06kWhのリチウムイオンバッテリーはシート足元の床下に搭載し、段差の少ない低床フラットフロアを実現している。
助手席足元にはアクセサリーコンセントが設置され、最大1500W(AC100V)の外部給電機能が標準で備わる。また、オプションのヴィークルパワーコネクターを車両前方の普通充電インレットに差し込めば、外部給電用のコンセントとして約10時間程度の電力を供給可能だ。
9.2kW(約12ps)/56Nmを発揮するモーターはリヤに搭載され、後輪を駆動。高剛性かつ軽量なボディと路面の凹凸を吸収する独立懸架式サスペンションとの組み合わせにより、上質な乗り心地ときびきびとした安定感のある走りが味わえる。
バッテリーの充電は、自宅でも外出先でも気軽に充電可能な「普通充電」に標準対応。付属の充電ケーブル(AC200V・AC100V兼用)をコンセントに接続するだけで充電が可能で、満充電までの所要時間は100Vで約16時間、200Vでは約5時間と発表された。また、外出先ではEV・PHV充電サポート(トヨタが提供するEV、PHV向けの充電会員サービス)に加入することで、G-Station(充電器)が設置されているトヨタ車両販売店(約4200基)をはじめ、全国の普通充電スポット(約1万800基)での充電が可能だ。
キャビン部分をブラックアウトしたエクステリアは、LEDのヘッドランプやリヤコンビネーションランプも取り込み、凝縮感とEVデザインとして特徴的なグラフィックを創造。毎日使う充電/給電インレットをヘッドランプの間に配置し、扱いやすさに配慮されているのも特徴だ。
外板は樹脂製で軽量化を追求。ボディカラーには、キャビンのブラックに、鮮やかなシアンメタリック、アクティブで深みのあるオレンジメタリックなどと組み合わせた2トーンカラー(Gにオプション設定)を全5色設定。加えて、キャビンに加えボディもブラックアウトしたスリートーンカラー(Gにオプション設定)を、全3色から選択可能だ。
室内幅1100mmを確保した室内は、大人2名が並んで座れるシンプルな空間を実現。インスツルメントパネルには、メーターを中心とする機能系装備をホワイトのセンタートレイ上に配置。ブラックを基調とするインテリアとのコントラストにより、実際のサイズ以上に広さを演出。スイッチ類もセンターパネルに集約し、人にやさしい操作性を実現している。
トヨタは、EVのさらなる普及を進めていくため、ラインアップを拡充するとともに「協調」の姿勢でオープンに仲間を募り、新たなビジネスモデルの構築を目指している。まずは日本で、シーポッドや歩行領域EV、トヨタi-ROADを用いて開始。現在、200以上もの法人や自治体とともに検討を進めている。
具体的には、今回のシーポッド発売を機に、EVならではの新たなサービスを実証的に提供していく。最適な充電設備工事とCO2フリー電力などのEV向け電力プランについて、ひとつの窓口でサポートする法人向けワンストップサービス「TOYOTA GREEN CHARGE」を中部電力ミライズと共同開発。同社ならびに関西電力、東京電力エナジーパートナーと提携して同サービスを展開する。さらに、観光情報とのセットでTOYOTA SHARE(スマートフォンひとつでかんたんに使用できるトヨタのカーシェアサービス)を活用。利用者の観光・周遊促進を図る「EVカーシェア」など、順次進めていく予定だ。
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