【プロトタイプ試乗】「トヨタ・ミライ」全方位的に進化したトヨタの意欲作!

TOYOTA MIRAI
田畑修
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2020/12/22 11:00

誰もが欲しくなるようなクルマであってこそ燃料電池車の普及が図れる、という開発主査の考えのもと、エコカー的なスタイルからスタイリッシュなプレミアムセダンに生まれ変わったMIRAI(ミライ)。まだ発売前ながらプロトタイプでその実力に迫ってみる。

2代目の居住空間はラージセダン並みに広大

水素を燃料とする燃料電池車はCO2や有害な排ガスを全く排出しないクルマとして注目されているが、一方で電動モーター駆動によるトルクフルな走りも見逃せない。そんな特性を存分に生かすべく、2代目MIRAIは大出力モーターをリアに置く後輪駆動車として開発された。

TOYOTA MIRAI

前後重量配分を50:50としたことでコーナリング時の姿勢は安定しており、四輪の接地感も高い。後輪駆動ならでは回頭性のよさと素直なステアフィールを堪能できる。

フロントのボンネット内にはFCスタック、センタートンネルとリアシート下、トランク床下に水素タンクを置いて前後重量配分50対50を実現。高いセンタートンネルが室内を貫くが、絶妙なレイアウトにより乗員スペースは十分に確保され、2950mmのホイールベースを生かした居住性は大型セダンと比べても遜色はない。法人需要などに応えるべく、後席重視のエグゼクティブパッケージも用意されている。

TOYOTA MIRAI

ボンネット内は水素を電気に換えるFCスタックが占める。リアアクスル中央の駆動用モーターが後輪を駆動し、その上に駆動用バッテリーが置かれる。円筒状の圧縮水素タンクはセンタートンネル部、リアシート下、ラゲッジ下に搭載され、3分で満充填が可能。

運転席のメーターパネルは8インチ、センターには12.3インチの液晶ディスプレイが備わり、非対称のダッシュボードデザインも加わってFCVならではの未来的な雰囲気を味わえる。排ガスを出さないだけでなく、化学物質を除去するフィルターにより吸い込んだ外気を浄化して排出する機能も備えており、その空気清浄量を可視化した「エアピュリフィケーションメーター」もMIRAIならではのものだろう。

TOYOTA MIRAIボンネット内は水素を電気に換えるFCスタックが占める。リアアクスル中央の駆動用モーターが後輪を駆動し、その上に駆動用バッテリーが置かれる。円筒状の圧縮水素タンクはセンタートンネル部、リアシート下、ラゲッジ下に搭載され、3分で満充填が可能。

TOYOTA MIRAI今回は富士スピードウェイのショートサーキットでの試乗となったが、後輪駆動ならではの素直な回頭性と前後重量バランスのよさは全長4975mm、全幅1885mmのサイズを感じさせないものだった。全開時の加速感は大容量バッテリーを積む電気自動車に一歩譲るものの、静かでシームレスな加速はやはりガソリン車とは違う。ペースを上げていっても狙ったラインをしっかりたどれるので安心感は高く、高速域から強いブレーキングでコーナーに入っても、四輪が均等に沈みこむので不安なくクリアできる。FR用に開発されたGL-Aプラットフォームとの相性もいいようだ。

TOYOTA MIRAI

水素タンクが収まるセンタートンネル上のコンソールは幅広く、控えめな大きさのシフトレバー、充電機能付きスマホ置き場などを配置。後席は3名がけが可能となり乗車定員は5名に(先代モデルは4名)。駆動用バッテリーに隔てられているためトランクスルーは備わらない。

245/45R20と235/55R19の2種類のタイヤを乗り比べることもできたが、グリップ特性とコーナーでの収束のよさはやはり20インチに軍配が上がる。一方で一般路の凹凸を想定して片輪を縁石に乗せてみると、19インチのほうが当たりが柔らかく軽やかに走り抜けることができる。なお、20インチ車にはアクセル開度に応じて車内に疑似エンジン音を響かせるアクティブサウンドコントロールが備わっていたが、スポーツモードではもう少し低音を効かせたほうが気分が高まるかもしれない。

TOYOTA MIRAI1充填での後続距離が850kmまで伸び、充填時間は3分程度という新型MIRAIは実用性も高く、水素ステーションの整備が進めばEV以上の利便性を持つゼロエミッション車となる可能性は高い。価格はまだ公表されていないが初代モデルと変わらないとのことで、補助金が継続されれば購入負担は500万円程度となる。全方位の進化を遂げたMIRAIがFCV普及にどこまで貢献することになるのか。発売を待ちたい。

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フォト=小林俊樹/T.Kobayashi ルボラン2021年1月号より転載

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