【ホイールカタログ2020秋】「VOLK RACING GT090」ボルクレーシングの新章。それはスーパースポーツを狙い撃ちする21インチ

常にスポーツホイールの理想像を追求して止まないボルクレーシングから登場したのがGT090だった。単なるレーシングホイールのレプリカでは意味がない、GT090の企て。世界のスーパースポーツ勢を手中に収めていく。

性能面で理に適った9本スポークを持つ

ボルクレーシングはおろか、レイズ自体を象徴するような盤石の地位にいるのはTE37だろう。だがレイズは決してそこに立ち止まってはいない。TE37がストリートチューニングからボトムアップ的に最高峰のレーシングフィールドまで成長していったのに対して、今度は逆にレーシングホイールとして思い描いた設計思想がストリートシーンへ降りてきた。

最高出力800psという途方もない出力性能を前後21インチのGT090がきっちり受け止める。タイヤはそれぞれ275/30、325/25のミシュラン・パイロットスポーツ4Sだった。

今年、登場したGT090である。レイズが数字に“0”を付ける時、それは座標軸の原点を意味し、新しい世界への挑戦を示す。GT090に懸ける気合を強く感じさせながら、注目すべきはその後に続く“9”の文字だ。スポーツホイールの理想像を追い求めるボルクレーシングにあって、今作は9本スポークで挑んできた。

FIA GT3マシンに装着されるレーシングホイールを祖に持つGT090。落とし込まれたのはデザインではなく“実性能”だ。剛性確保のために生まれた9本スポークに、天面を薄く、逆に縦断面を厚く取ったスポーク形状。その間に設けられた27ものウエイトレスホールなど、あらゆる造形に意味がある。

そのルーツは、レイズがFIAGT3マシンに供給するレーシングホイールにある。100%性能に特化させるアプローチとして、その足元には9本スポークが採用されている。ホイールにかかる応力を分散して真円を保つためには、できるだけスポーク本数を多く取りたい。しかし過度に多く取れば、重量の増加に繋がってしまう。そこで導き出したのが9本だ。1本のスポークに対してセンターを中心と見た反対側に2本のスポークが対向して置かれることに注目した。これなら四方八方から強大な力を受けてもたわみにくく、軽量化を突き詰めることもできる。

さらに相応の縦断面で強度を確保しつつも各スポークは極限まで細く取られ、随所にウエイトレスホールが設けられた。スポーク1本に対して3つ、合計で27ものホールは、針の穴をつつく強度解析をした結果であり、強度や剛性と軽量性能を両立させるための技術である。これらの造形は無骨さを漂わせながらも、機能を追求する者だけが身にまとう硬派な色気を漂わせている。さらにレイズが特許を取得するA.M.T.(アドバンスド・マシニング・テクノロジー)による彫刻文字がさりげなく己のブランドを主張する。

GT090はターゲットという意味でも新境地を見出していた。狙いはずばり最新のスーパースポーツ勢だ。「あくまで性能で指名されるホイールを」として、GT090はスーパースポーツへのマッチングを突き進めている。21インチで発表されたサイズ感こそ、GT090の方向性を示す。スーパースポーツの世界では300mm幅以上のタイヤがスタンダードになった。だからこそ21インチ化は必然だという見解だ。

この日、フェラーリ812スーパーファストの足元にGT090が収まっていた。エキゾチックで芸術的なのに圧倒的な動力性能を涼しげに受け止めるフェラーリ純正ホイールには敬意を表しながらも、レイズらしいアピアランスと、何よりフェラーリ純正を凌ぐ性能を与えることを己に課しているようだった。それはボルクレーシングを含むレイズの第二章を強く感じさせるものだった。

【VOLK RACING GT090】

◎サイズ/価格
21inch×9.0~12.0J/150,000~167,000円
◎カラー
ブラストブラック(BC)
ブライトニングメタルダーク(ME)
◎対応車種
メルセデス・ベンツ/BMW/アウディ/フェラーリ/その他国産車等

お問い合わせ
レイズ 06-6787-0019 https://www.rayswheels.co.jp/

フォト=白谷 賢/K.Shiratani ルボラン2020年12月号別冊付録より転載

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