スタイリングやハンドリングの良さまでもモノにした進化形SUV!「メルセデス・ベンツGLEクーペ」【試乗記】

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オプションの“Eアクティブボディコントロール”による一体感あふれるコーナリング性能も魅力

現在のように多種多様なSUVがリリースされるなかで人に選んでもらうには、何かしら頭ひとつ抜きん出る必要がある。そこで各メーカーは、他とは違う個性をと、あの手この手を繰り出している。そのひとつがSUVクーペというスタイルだろう。力強さや無骨さを前面に押し出すことが優先されてきたSUVをあえてスタイリッシュに仕立てるという、いわばギャップの創出。その魅力にひかれる人も少なくないようで、いまでは各メーカーがこぞってSUVクーペを投入している。

ボディサイズは全長4955×全幅2020×全高1715mmで、ホイールベースは2935mm。このサイズは従来型に比べて65mm長く、5mm幅広く、15mm低い。ホイールベースも20mm拡大された。

メルセデス・ベンツでは先代GLEでバリエーションモデルとしてクーペ仕様を追加し、それがフルモデルチェンジを受けて2代目に進化、先頃日本に上陸した。そう記してしまうと、ベース車のモデルチェンジに合わせたルーティーンと捉えられがちだが、今回の変更はそんな単純なものではない。新型は全長4955×全幅2020×全高1715mmと大きく広く低く仕立てられるいっぽうで、ホイールベース(2935mm)はベース車からわざわざ60mm短縮されている。それは流麗なスタイリングとともにフットワークもクーペらしさを追求したいとの狙いからだ。

インテリアの意匠はGLEに準じたもので、12.3インチの液晶メーターと12.3インチのディスプレイが一連のものとして並ぶ。

新型GLEクーペには先進の運転支援システムや、自然対話型インフォテイメントシステム「MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)」が標準装備。さらにテレマティクスサービス「Mercedes me connect」が標準設定され、安心・便利なカーライフを快適にサポートする。

そんな新型GLEクーペの運転席からは、最新メルセデスの流儀で仕立てられたクリーンな眺めが広がっている。いままでの“ヨンク”であれば機械式のメーターや大型の物理スイッチなどが配置されるのが常套手段だったが、もはやそれも昔の話。GLEクーペのメーター周りは横長の大型ガラスパネル(12.3インチ×2)が据えられ、センターコンソールにはタッチパッドと、無骨な印象はまったくない。GLEの前身モデルから続くセンタートンネルのグラブハンドルが山型に湾曲してその存在感を主張する点が、わずかにSUVらしいところだろうか。

ラインアップは、330ps/700Nmを発揮する3L直列6気筒クリーンディーゼルエンジンを搭載する「GLE400d 4MATICクーペ・スポーツ」と、435ps/520Nmの3L直列6気筒ターボエンジンに、ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)や48V電気システム、および電動スーパーチャージャーを組み合わせ、さらに可変トルク配分を行うパフォーマンス志向の四輪駆動システム「AMG 4MATIC+」を組み合わせた「メルセデスAMG GLE53 4MATIC+クーペ」の2グレードが設定。

新型には2種のエンジンが用意される。高性能仕様のAMGモデルには435psと520Nmを発生する3L 直6ターボ+48Vシステムを搭載。そして今回の試乗車である標準仕様には330psと700Nmを発生する3L 直6ターボディーゼルが載り、9速ATの“9G-TORONIC”と4MATIC・4WDを組み合わせる。
このディーゼル・エンジンはフラッグシップモデルのSクラスで採用済みの新世代ユニットだが、旧世代のV6ブルーテック搭載車をプライベートで愛用しているものからすれば、そのマナーはまさに隔世の感がある。ひと昔前、直6ガソリンユニットに用いられた“シルキーシックス”という形容がこの新しい直6ディーゼルにもしっくりくるほど、滑らかな回転フィールを示してくれるのだ。また、スロットル操作に対してしっかりとトルクがついてきてくれる点も気持ちよく、清々しい。パワートレインの“電化”が進められているなかでも、内燃機関のポテンシャルの高さを窺わせる秀逸なユニットだと思う。

タイヤは、前275/45R21、後315/40R21サイズのピレリ・Pゼロを履く。

そんなエンジンの進化とともに驚かされたのが、GLEクーペのハンドリングだ。先述のようにホイールベースが短縮されたことが大いに効いているのだろう、ボディ上屋の動きは最小限に抑えられ、鼻先の動きも機敏で、この巨体でも山道での素直なハンドリングを楽しむことができる。また、試乗車にオプション装着されていた“Eアクティブボディコントロール”の貢献度も高いようで、これとリンクするダイナミックセレクトの“CURVE”モードでは、電子制御サスペンションのダンピングを最適化し、必要に応じて車体を内側にリーンさせて旋回時の安定性を高めてくれるから、さらに一体感が強まるよう。GLEクーペには、走破性やユーティリティといった基本性能はもとより、スタイリングやハンドリングの良さまでもモノにした、進化形SUVのいまがギュッと詰まっている。

ボディサイズの拡大により居住性や積載性が向上。荷室は655〜1790Lと、クーペスタイルながら十分な容量が確保されている。なお、この容量は従来型より70Lのプラスだ。

【Specification】メルセデス・ベンツ GLE 400d 4マチック・スポーツ
■車両本体価格(税込)=11,860,000円
■全長×全幅×全高=4955×2020×1715mm
■ホイールベース=2935mm
■トレッド=前1685、後1720mm
■車両重量=2350kg
■エンジン型式/種類=656/直6DOHC24V+ターボ
■内径×行径=82.0×92.3mm
■総排気量=2924cc
■圧縮比=15.5
■最高出力=330ps(243kW)/3600-4200rpm
■最大トルク=700Nm(71.4kg-m)/1200-3200rpm
■燃料タンク容量=85L(軽油)
■燃費=(WLTC)11.7km/L
■トランスミッショッン形式=9速DCT
■サスペンション形式=前Wウイッシュボーン/コイル、後マルチリンク/コイル
■ブレーキ=前Vディスク、後Vディスク
■タイヤ(ホイール)=前:275/45R21 後:315/40R21

公式サイト
メルセデス・ベンツ日本 https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/mercedes-benz-cars/models/gle/gle-coupe/explore.html

フォト=柏田芳敬/Y.Kashiwada

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2020/10/24 13:00

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