敢えて古典的SUVのスクエアなフォルムに仕立て上げているのが好感度高し!「新型メルセデス・ベンツGLB」【試乗記】

全ての画像を見る

使い勝手のよさはメルセデスのコンパクトモデルで随一

新型コロナウィルスの影響により、経済活動もままならないなかでも、メルセデス・ベンツ日本の新型車リリースラッシュは続いている。特に勢いが増しているSUV関連では、トップモデルであるGLSの発表を皮切りに、GLCクーペに環境性能に優れたプラグイン・ハイブリッドを、プレミアムクラスのGLEにはスタイリッシュなクーペモデルを追加。そして、販売における一番のボリュームゾーンにはGLAとGLBが投入された。今回はその中でも注目のニューカマーであるGLBに試乗した。

スクエアなフォルムのエクステリアデザインは、シンプルでありながらパワフルなイメージ。メルセデス・ベンツ製の本格SUVであることが明確に示されている。

GLAとGLBはコンパクトクラス用のFWDプラットフォームで仕立てられているが、見た目の印象は大きく異なる。GLAは外観からAクラスの面影が見て取れるいっぽうで、GLBは小型MPVたる通常ラインナップのBクラスとも違った独自の個性を主張。あえていうならGクラスの血統が感じられるスクエアなフォルムで、四隅の張りがあるため車体が共通のGLAよりもさらに堂々として見える。

サイドビューで特徴的なのは、エッジやラインを減らしつつ、前後ドアパネルやリヤフェンダーなどの面の張りで力強さを表現している点。フロントエンドとリヤエンドがほぼ垂直に切り立ったスクエアなデザインとなっていることや、フロントからリヤにかけてボディの下部を飛び石などから守るプロテクターが装備されていることも本格SUVであることを表現する要素となっている。

GLBの実際のサイズは、GLAよりも225mm長く、80mm高い、全長4650×全幅1845×全高1700mm(GLB250の値)で、ホイールベースは100mm長い2830mmとなる。そのためGLBは3列目シートを備えた7名乗車を可能とした。

フロントはクローム仕上げで力強いデザインのアンダーガードと2本のパワードームを備えたボンネットがSUVとしての存在感とパワーを表現。大型のラジエターグリル内には、メルセデス・ベンツのSUVに共通する特徴的なツインルーバーデザインが施され、スクエアなデザインのヘッドライトとともにSUVらしさを強調している。

パワートレインはGLAと同様の150ps/320Nmを発生する2L直列4気筒ディーゼルターボと、224ps/350Nmの2L直4ガソリンターボを用意。駆動方式は前者がFWD、後者は4MATIC・4WDとなり、トランスミッションはいずれも8速DCTが組み合わされる。

パワーユニットはディーゼルとガソリンそれぞれ1機種を設定。エントリー版となる「GLB 200 d」には150ps/320Nmを発揮する2L直列4気筒ディーゼルターボを、上級に位置付けられる「GLB 250 4MATICスポーツ」には224ps/350Nmを発する2L直列4気筒ターボを搭載。トランスミッションはいずれも8速DCT(8G-DCT)だ。ちなみにWLTCモード燃費はGLB 250 4MATICスポーツで12.0km/Lと発表されている(GLB 200 dの数値は未発表)。

装備面でもGLAとの共通項は多く、音声操作が可能なインフォテイメントシステム“MBUX”はもちろん、自動緊急ブレーキによる被害軽減/車線位時/衝突回避支援や、万が一の際に自動的に車線を維持しながら緩やかに減速・停止するアクティブエマージェンシーストップアシストなどの安全運転支援システムを用意するなど、その充実ぶりは上級クラスにもまったくひけをとらない。

対話型インフォテイメントシステム「MBUX」(GLA 200 dにオプション、GLB 250 4MATICスポーツに標準装備)や、スマートフォンのワイヤレスチャージング機能(全車標準装備)、さらに1列目から3列目まで、全列にUSB-Cポート(2&3列目は充電用)が設置されている。

先にも述べたとおり、GLBには2種のエンジンが用意されるが、今回試したのはガソリン仕様の4MATICモデル。先に試乗していたGLAのディーゼル仕様よりも50kgほど重いが、パワーは70ps高く、トルクは30Nm太いこともあって、エンジンの吹け上がりや加速感はスムーズで上質。その印象は8速DCTのギアボックスも大いに貢献しているはずで、変速ショックをほとんど伝えないまま軽やかに高回転までギアをつないでいってくれる。

2830mmのロングホイールベースを生かして、GLBには乗員が快適に過ごせる居住空間が与えられている。2列目シートは140mmの前後スライドが可能なほか、60:40の分割可倒&スライド機構を採用。後ろにスライドさせれば広くて快適なレッグスペースが作り出せるとともに、前にスライドさせて積載性を向上させることも可能だ。また、バックレストは40:20:40の分割可倒式で、角度を8段階に調整可能。3列目シートは、2列目シートのバックレストにあるロック解除レバーを操作することで、2列目シートが前に倒れてスライドし、ワンタッチで乗り降りすることができる。また、3列目シートを使用しない場合は格納できるので、そのぶん荷室スペースを広げられる。なお、3列シートは安全上の理由から対応身長が168cm以下となっている。

GLAと同じように峠道をいいペースで走ってみると、GLBのほうがホイールベースが長く車体が重いぶん僅かにアンダーステアが強めで、曲がりにくく感じられることもあるけれど、そもそものキャラクターを考えれば目くじらを立てることではない。どっしりとした高速直進安定性の高さと、ダンピングにコシのあるしっかりとした乗り心地のよさを存分に味わいながら、3列目シートを使った多人数でのロングドライブを楽しむのが、GLBの正しい使い方だ。

荷室容量は3列目シート使用時で130L、2&3列目シートのアレンジによる最大時は1680Lに拡大できる。荷室フロアには2段階の高さ調整が可能で、荷室内には小物入れやフックが設けられており、使い勝手が追求。さらに足をリヤバンパー下部に差し入れるだけでも開閉できる「EASY-PACK自動開閉式テールゲート」が標準搭載されているので、利便性だけでなくアクセス性も良好だ。

もっとも、この3列目シートはメルセデス自身が対応身長168cm以下とアナウンスしているので、小柄な人向けかもしくはエマージェンシー用と割り切ったほうが良い。通常は床下に格納してフラットな荷室スペースを作っておけるから、使い勝手のよさはメルセデスのコンパクトモデルで随一。ちょうどいいサイズの7人乗りを欲していた層はもちろん、ライフスタイルの幅を広げたいと思っていた人たちにとって、GLBは格好の相棒になるのは間違いない。

タイヤはブリヂストン・アレンザでサイズは235/50R20。

大型のラジエターグリル内には、メルセデス・ベンツのSUVに共通する特徴的なツインルーバーデザインが施され、スクエアなデザインのヘッドライトとともにSUVらしさを強調している。

リヤでは、上下方向に細く横に長い2分割型コンビネーションランプが採用されており、ボディのワイドさが強調されている。

【Specification】メルセデス・ベンツ GLB 250 4マチック・スポーツ
■車両本体価格(税込)=6,960,000円
■全長×全幅×全高=4650×1845×1700mm
■ホイールベース=2830mm
■トレッド=前1600、後1610mm
■車両重量=1760kg
■エンジン型式/種類=260/直4DOHC16V+ターボ
■内径×行径=83.0×92.0mm
■総排気量=1991cc
■圧縮比=10.5
■最高出力=224ps(165kW)/5500rpm
■最大トルク=350Nm(35.7kg-m)/1800-4000rpm
■燃料タンク容量=60L(プレミアム)
■燃費=(WLTC)12.0km/L
■トランスミッショッン形式=8速DCT
■サスペンション形式=前マクファーソンストラット/コイル、後マルチリンク/コイル
■ブレーキ=前Vディスク、後ディスク
■タイヤ(ホイール)=前後235/45R20

公式サイト
メルセデス・ベンツ日本 https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/mercedes-benz-cars/models/glb/glb-suv/explore.html

フォト=柏田芳敬/Y.Kashiwada

■関連記事

AUTHOR
2020/10/19 13:00

関連記事

愛車の売却、なんとなく下取りにしてませんか?

複数社を比較して、最高値で売却しよう!

車を乗り換える際、今乗っている愛車はどうしていますか? 販売店に言われるがまま下取りに出してしまったらもったいないかも。 1 社だけに査定を依頼せず、複数社に査定してもらい最高値での売却を目 指しましょう。

手間は少なく!売値は高く!楽に最高値で愛車を売却しましょう!

一括査定でよくある最も嫌なものが「何社もの買取店からの一斉営業電話」。 MOTA 車買取は、この営業電話ラッシュをなくした画期的なサービスです。 最大20 社の査定額がネット上でわかるうえに、高値の3 社だけと交渉で きるので、過剰な営業電話はありません!

【無料】 MOTA車買取の査定依頼はこちら >>

注目の記事

「ル・ボランCARSMEET」 公式SNS
フォローして最新情報をゲット!