【国内試乗】「アバルト595エッセエッセ」走りの刺激を追求したサソリの原点がここに!

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往年の名チューナー、カルロ・アバルトのマジックでモータースポーツシーンに確固たる足跡を残した、伝説のチューニングキットへのオマージュが、現代的な解釈を得た限定モデルで登場した!

最高のパフォーマンスにオトナの装いをプラス

「グリジオカンポヴォーロ」というアバルト伝統の淡いグレイに、白いストライプと白いリップ、白いホイール、 そして“白耳”ミラー。洒落てるな、と思う。アバルトは1950年代の昔から、こういうカラーリングセンスに長けていた。ダッシュパネルがカーボンになり、サベルト製バケットシートの一部がファブリックに、各部のステッチが赤になる。これだけでベースとは違った雰囲気を醸し出している。上手いな、と思う。

595ハッチバックが170台(5速MT=110台/5速SAT=60台)、ソフトトップの595Cが135台(5速MT=90台/5速SAT=45台)限定で用意される。

595エッセエッセは、シリーズで最もパフォーマンスの高い595コンペティツィオーネを基礎にした限定車。エッセエッセはSS=スーペルスポルト(=スーパースポーツ)で、かつてはクラシック500をベースとした595の高性能版に冠されていた。現在は高性能版にコンペティツィオーネがあるので、エッセエッセはその仕様違いにとどまっている。

ショルダーベルト孔付きのサベルト製ヘッドレスト一体型スポーツシートやカーボンパネルといった専用スポーツアイテムを装備。

が、ただのコスメ違いじゃない。ちょっとばかり“毒”の味も変わってる。レコードモンツァに代わりアクラポヴィッチのエキゾーストが備わっているのだ。較べるなら、こちらはサウンドの濁音がややマイルドでまろやかな印象。刺激的なのは変わらないが、ちょっとばかり大人っぽい感じだ。

とはいえ、この車体に180psが生む痛快な加速。ブレンボのブレーキとコニのFSDダンパーで荷重の分配を上手く活かせる鋭いコーナリング。その走りのフィールもスピードも、コンペティツィオーネと同じ。ニヤケ顔を抑えるのは至難の業だ。こんなに小さくてこんなに楽しいクルマはほかにはまるで見当たらない。アバルト595は唯一無二の存在なんだなと、あらためて感じさせられた。

随所に採用されるホワイトのアクセントが、旧フィアット500アバルトの「エッセエッセ」コンプリートカーを彷彿とさせる。

最高出力180psの1.4L直4ターボは、「SPORT」で最大トルクを30Nm増強。

アクラポヴィッチ製エキゾーストも専用装備だ。

フォト=神村 聖/S.Kamimura ルボラン2020年11月号より転載

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