レーススタート直後に追突リタイアなんて……【BMW Team Studie代表兼監督「鈴木BOB康昭」のレーシングダイアリーvol.5 スーパーGT第4戦もてぎ編】

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皆様こんにちは。BMW Team StudieのBOB鈴木でございます。


今回ほどこのコラムを書く事の気が重い事もございません。栃木県にありますツインリンクもてぎで9月12日~13日に開催された2020 AUTOBACCS SUPER GT Round.4 FUJIMAKI GROUP MOTEGI 300km Raceを、我がチームは僅か9周のリタイヤで終えました。他車のコースアウトでセーフティカーが入り、そのタイミングがいささか悪くコース上に完全停止状態の渋滞が発生してしまい、あろうことかその渋滞最後部に突っ込んで止まってしまいました。12年レース活動をやってきて過去最悪のパターンでのリタイヤでした。


この件をぐだぐだと書き綴っても謝罪と反省の言葉しか出てこないので、今日は他の話を書かせて下さい。

つい先日にBMWモータースポーツ社は次期BMW M4をベースとしたBMW G82/M4 GT3というBMW M6 GT3に続く新しいGT3マシンを発表致しました。とは言っても、まだ100%完全な公開ではなく、一部カモフラージュカラーリングのままでの発表となりましたが、BMW M6 GT3以上に低くワイドに映るグラマラスなボディや、非常に特徴的なスワンネック形状の巨大なリアウイング等は期待するな、と言うのが無理なほど魅力的でいかにも速そうに見える新型戦闘機です。

現状、世界中のレーシングチームへのデリバリーは2022シーズンの開幕に合わせて2022年の2月ないし3月予定で、来年2021年は夏以降にドイツの数チームにのみデリバリーし、ドイツ国内のツーリングカーレースで実践最終テストの目的で走らせる予定と聞いておるのですが……、皆さんももっと早く観たいですよね?
これのベースとなっている市販車の次期BMW M4(G82)は2021年夏前後に日本でも発売になる予定です。それならば出来るだけそこに近いタイミングで、この全く新しいBMW M4 GT3が見たい!って思いますよね。今のBMW M6 GT3は市販車の生産が終了してから、もう丸3年、来年もとなると丸4年が経過している車輌となります。やはり私と致しましては我々の使用するレーシングカーのベースとなっている市販モデルが全国のBMWディーラーで新車として販売している車輌でレースがしたいと常々思っています。それがより一層我々の活動がBMW自体の市販車の拡販に対する武器となり、ブランドイメージにも直結するマーケティングの一環と言えるからです。そういった意味でも、この最新のBMW G82/M4 GT3はなんとしても2021年にもってきたい!と思い、現在ドイツ本社と絶賛格闘中でございます。僕の本国を説得している内容としては、

1. BMW M6 GT3のデビューの時もターボ車独特の熱に散々悩まされた。いま世界で最も気温/湿度/路面温度のクルマにキツイ環境なのは間違いなく日本のレースであるので、実践テストとしてはコレ以上適している環境は無い。
2. 現在、世界中のほとんどのレースがワンメイクタイヤを採用する中、スーパーGTのタイヤウォーズはこれまた世界のモータースポーツの中でも群を抜いて最も激しくレベルの高いタイヤメーカー同士の戦いの場となっている。これはBMWモータースポーツ社も以前から認識済みのインフォメーションで、実際昨年の鈴鹿10Hで同じBMW M6GT3で参戦したBMW Team SchnitzerがBMWワークスドライバーであるアウガスト・ファルフスのDriveでポールポジションを獲得した時のタイムと、先月うちがスーパーGT Round.3のSUZUKA戦で記録した予選のタイムは一周4秒もこちらの方が速いので、その差は歴然としている。つまり、それだけマシンへの攻撃度が強いのでテストにはより適している。

3. また、富士や鈴鹿等の日本のサーキットの路面ミューもヨーロッパのサーキットとは比較にならないほど高いモノとなっており、実践テストでマシンを虐める環境としてはやはり地球上のどこにもコレ以上適している場はない。

という3点の理由で、日本には2021年の夏までにデリバリーをして下さい、と懇願している実情です。ちゃんと仕事してますでしょ?(笑)だって誰よりも早くその姿を拝みたいと思っていますから。

しかしながら現在ドイツは日本とは比べ物にならないほどコロナ禍の影響が大きく、BMW モータースポーツ社のプランも現状大幅に遅れているそうなので、まだこれが実現出来るかどうかは確約頂いておりませんが、そうなったら嬉しいなぁと思っております。本来公にしてはいけない内容を書いたのには、もてぎ戦の醜態のお詫びも含めております。(苦笑)次戦は今期3度目となる富士スピードウェイ戦です。最もBMW M6 GT3が得意とするサーキットでありますので、ここまでの鬱憤を晴らす好結果を何としても出し、本コラムのほとんどがそのレースでの勇姿の話で収まる事を祈っております。結果悪いといつもレースの話は2〜3行で終わってしまっていますからね。

ジャーナリストさん達の絶妙なコラムと異なり、素人丸出しの読みにくい文章にも関わらず、最後までお読み頂き誠に有難うございました。

それでは恒例の

ブーーーーーーン✈

フォト=田村 弥/W.Tamura

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鈴木康昭
AUTHOR
2020/09/23 12:00

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