BMW Team Studie代表兼監督「鈴木BOB康昭」のレーシングダイアリーvol.3【スーパーGT第3戦鈴鹿編】

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皆様こんにちは。BMW Team Studieの鈴木でございます。
開幕が遅れた分、猛スピードで進む今年のSUPER-GT 2020のラウンド3鈴鹿戦が終了致しました。その分、この本コラムも忙しくなっておりますw。今回、レース前は雨予報でいかにコンディションの悪い鈴鹿でライバルの前に出るかを対策しておりましたが、蓋を開けたら予選日も決勝日も暑すぎるほどの快晴で、直前で暑さ対策を練らなければならない、実に忙しいレースでした。

そして、今回も開幕戦同様セーフティカーに泣いたレースとなってしまいました。同じ過ちは二度と犯すまいと、十分そのリスクヘッジは取っておったのですが、よりによって鈴鹿で唯一無線の届かない西側通過時で他のマシンがグラベルに掴まってしまい、すぐさま「Pit’in!」の指示を出したのですが、虚しく無線届かず、もう一本ストレートを通過してしまった直後にセーフティカー導入となってしまい、またしてもそれまでのリードを全て失い、ほぼ最後尾に落ちてしまった悲しい結果となってしまいました。こうなると今回のコラムの話題は間違いなく「FCY」と言う三文字のアルファベットの話しかなくなります。

「FCYって何?」

よっぽどマニアの方でなければ皆さん疑問に思われると思うのですが、これはフルコースイエローの略です。何かコース上でトラブルがあった場合は、全車にすぐサマこのFCYの通知が届き、その瞬間から80km/hの速度でしか走れなくなる新しいルールです。

これはトラブル後セーフティカーがどこに入るかで非常に得をするチームと、うちの様に(苦笑)大損するチームの差をなくす画期的なシステムです。これが導入されると、セーフティカーの入るタイミングによってレース結果が大きく変わってしまう事がなくなります。重ね重ね申し上げますが、セーフティカーによるラッキー、アンラッキーがなくなるって事ですね。(ココ重要!)

世界中の著名なレースでは必ずと言っていいほど採用されているルールなのですが、これだけ大きくなってメジャーでプロフェッショナルになったSUPER GTでは検討はされているものの(実際テスト等ではFCYシミレーションの実走も行っております)未だレースでは採用されておりません。

それは何故か? ここで、まさかの日本の無線に関する法律がなかなかの壁になっております。本当に日本の無線の電波って世界的に見ると驚異的に弱いんですよ。なので先程もお伝えしたとおりコースのどこかに無線で繋がらない場所が出来てしまい、となるとFCYの宣言をした所で、聴こえなかったマシンが出てしまっては、当然このルールは成立しません。

何故日本の電波は弱いのか? これに関しては申し訳ありませんが私は無知すぎてコメント出来る立場におりません。一時期(昭和時代w)トラックの違法無線とかもTVですごく問題になっていた時期もありましたよね。隣国との問題なのか、はたまたGHQとの過去の遺産なのかも存じませんが、それが大きく壁となって立ちはだかり未だ導入出来ない状況なのです。

だ・か・ら・こ・そ……、今回も同じミスを重ねぬよう早めに1stスティント担当の荒聖治をピットに呼び込むつもりだったのですが、普通ならそろそろタイムが落ちてくるであろうスティント後半でドンドンタイムが上がっていき、TOPチームが2分3秒台までタイムが落ちてくる中、荒だけが2分2秒台で走行しており、今回のYOKOHAMAタイヤは何か違うぞ、ともう一周、いやタイムが落ちない、もう一周とやっている間にまたもや同じミスに陥ったのですが(無線の件がなければ最強のPit’inが出来た事だけはもう一度言わせて下さい)本当に今回のYOKOHAMAタイヤのパフォーマンスが素晴らしかったんです! この事だけは文末になりますが書かせて下さい。
正直落ち込みました。いや落ち込んでおります。
二人のドライバーにも、そして毎戦応援して下さっているファンの皆様にも申し訳ない、としかお伝え出来ないレースでした。決して日本の電波法のせいにはしないですよ(笑)。次戦はもうすぐ、9月12日そして 13日のツインリンクもてぎ戦となります。
単調なコーナーの連続で、なかなかBMWのコーナーの強みを生かせず、過去にもあまり良い思い出のないコースではありますが、ドライバー、エンジニア、メカニックそしてそれ以外のスタッフ一同、一秒でも諦める事なく一つでも上のポジション目指して闘って参りますので、どうか引き続きこのコラム同様応援頂戴出来ますと幸いです。

最後までお読み頂き有難うございました。
それでは毎回恒例のブーーーーーーン✈

フォト=田村 弥/W.Tamura

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鈴木康昭
AUTHOR
2020/08/29 17:00

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