メルセデスとビーエム、2台持つとしたらどんな組み合わせ?

02 Y.Shimashita’s Choice/島下泰久・どちらで出掛けるのかは相当悩ましい選択だ

両ブランドの究極を味わえる2台

しばらくの間、クルマは複数所有が続いているし、メルセデス・ベンツもBMWも所有したことがあるけれど、考えてみたらこの両ブランドのクルマを揃えたことはなかった。けれど確かに、普段使いや家族との時間を過ごすクルマに質実剛健なメルセデス・ベンツを選び、週末用としてBMWを並べるなどと想像すると、とても贅沢な気分になってくる。さて、じゃあ実際に2台を揃えるなら、さてどれとどれを選ぼうか………。
思い浮かんだペアは、あるいは王道からは外れているかもしれない。けれど、間違いなく両ブランドの究極を味わえる2台だと、個人的には大いに自負している。

BMW i3 レンジエクステンダー/観音開き構造のコーチドアを開けると快適なインテリアが広がる。

ファーストカーにはあえてBMW。EV(電気自動車)のi3にレンジエクステンダーを装着した仕様を選びたい。
普段の移動に使うクルマはコンパクトで扱いやすいに越したことはない。しかも都市部での移動が中心なら、EVの方がローカルエミッションが抑えられて気分も良い。とは言え、遠くまで足を伸ばす機会も少なくはないから、レンジエクステンダーはやはり必須だ。
無論、そんな風に左脳だけで選んだわけじゃない。むしろ一番の理由はi3の走りの愉しさだと言ってもいいくらいである。
ワンペダルドライブはさほど好きではないが、電気モーターの瞬間レスポンスを活かした右足の動きに直結したかのような加速感は気分をアゲてくれるし、その先の伸びも爽快そのもの。しかもアルミ製シャシーとCFRP製キャビンを組み合わせた車体は軽く剛性感も高くて、街中をキビキビと駆け回るにはサイコーだ。
正直、今後登場するBMWiのモデルは、どれもコモンアーキテクチャーから生まれるだけに、ここまでの走りの個性は期待できない。その意味では、いつまでも古びることがなさそうなのもポイント。今も目をひく主張の強いデザイン含めて、長く飽きずに楽しめるんじゃないかという気がする。
難点は荷物があまり乗らないことだが、以前ドイツで背面にサイクルキャリアを装着しているi3を見かけて「この手があった!」と、すでにリサーチ済み。実はそのクルマを見た時からi3への思いが甦ってきていて、今回こうしてセレクトしたわけなのだ。

メルセデス・ベンツSL550/SLはいつの時代でもスタイリッシュで美しいエクステリアが魅力だ。

もう1台は、日々の用事をこなすためではなくクルマに乗るためのクルマ。これにはメルセデス・ベンツSLを選びたい。
近年、Sクラスのクーペ/カブリオレやメルセデスAMG GTなどの登場もあり、影が薄くなっている感の否めないSL。その処遇についてはメルセデス・ベンツに憤りを覚えるものの、それだけに今こそSLに乗っているのはなおのことカッコいいというか、スタイルを感じさせるという面も、またあるのは確かだろう。
AMG GTのようにスパルタンではないが、オールアルミボディの2シーター・ロードスターはひらりひらりと見た目から想像する以上に軽快に走り、日常域から1人で、あるいは2人でも歓びを味わえる。しかも、望めばいつだって濃淡を瞬時に切り替えられるルーフをクリアにして陽光を射し入れたり、すべて開け放って風と戯れることができるのだ。
過去に一時期、SL55AMGを所有していた懐かしさから、SL63にも惹かれるが、V型6気筒エンジンを積むSL400も軽快で悪くなさそう。とは言え、走りの余裕を鑑みれば、やはりグレードはV型8気筒4Lツインターボエンジンを積むSL550が第一候補だろうか。
いつからか縁遠くなってしまっているけれど、きちんとドレスアップしてホテルに乗り付け、食事に行くような生活もいいよなと、最近またぼんやり考えている。手元にSLのようなクルマがあれば、そういう気分がきっとさらに盛り上がりそうなのも惹かれる理由だ。
私にとってのメルセデス・ベンツとBMWの理想のペアは、この2台。考えてみると、どちらも実用性は十分だし、走りのトキメキも甲乙つけがたいだけに、実現したとしたら毎日、どちらのキーを掴んで出掛けるのかは、相当悩ましい選択になりそうである。

ルボラン2020年8月号より転載
2020/08/10 12:00

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