【比較試乗】「ベントレー・コンチネンタルGT vs メルセデスAMG GT R vs マクラーレンGT」あらためてGTの定義を考えてみた

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その昔、GTといえば英国貴族がドーバー海峡を渡り、ヨーロッパ大陸を文字通りグランドツーリングするためのクルマだった。そして現代。GTというカテゴリーはより広義に捉えられ、たとえばスポーツカーとの線引きも曖昧。ここではモデル名に“GT”を冠する3台を一堂に会し、あらためてその定義を考えてみた。

緩急問わずに高品質を実感できる

仕事柄、様々なクルマに試乗してきているが、時にはあまりの気持ち良さや奥深い味わいに感動して、「このままどこまでも走っていきたい」と思わされることがある。

MCLAREN GT/マクラーレンGT

ここ10年での個人的なナンバーワンは、2011年に登場したマクラーレンMP4-12C。マクラーレン・オートモーティブとしての初モデルはパフォーマンスの高さだけではなく、走らせてみると隅々まで高品質に造り込まれていることを実感して感銘を受けた。パワートレインもハンドリングもドライバビリティが最高レベルで、ドライバーの要求に繊細に応えてくれるのだ。箱根のワインディングでの試乗を終えて東京への帰路につくとき、東名高速を逆方向にのって関西あたりまで走って行きたいという衝動に駆られたのはまだ記憶に新しい。

MCLAREN GT/マクラーレンGT

そんな思い出のあるマクラーレンが、GT=グランドツアラーの在り方を独自に解釈したマクラーレンGTをリリースしたと知ったときは即座に合点がいった。MP4-12Cから始まる一連のマクラーレンは、ミッドシップのスーパースポーツとしてサーキットやワインディングで光り輝くモデルであり、日常域での快適性や使い勝手、旅の荷物を搭載するスペースなどGTに必要とされるものは持ち合わせていないが、もっとも重要な「遠くまで走って行きたい」と思わせる資質は、とんでもなく高いレベルで備わっているからだ。

MCLAREN GT/マクラーレンGT

マクラーレンGTはフロントに150L、リアに420Lの計570Lのラゲッジスペースを用意。最低地上高は110mmを確保し、フロントは130mmまで上がるリフトシステムがあるので、段差が多い街中でも気にせず乗れる。ミッドシップのスーパースポーツ然としてはいるが、それをデイリーユースするための工夫が凝らされているわけだ。
さっそく走り始めてみると、強固なカーボンモノコックによってサスペンションがスムーズかつきわめて上質な感触を伴いながらストロークしていくことにまずは感動。そこそこのペースでワインディングを走らせたが、迫ってくるコーナーに対してブレーキをかけていくと、パッドとローターがわずかに触れ合うところから強めに踏み込んでいくまで、わずかな踏力の変化にまでリニアに応えてくれる。ノーズの沈み込みをミリ単位でコントロールできるほどだ。ステアリングにしてもゆっくりと切り込んでいけばタイヤがわずかにたわみながら徐々に路面を掴んでいく感触が明確に伝わってくる。やはり、速いクルマに乗っているというよりも、とてつもなく上質ないいクルマに乗っている実感に浸れて嬉しくなるのだ。
もちろん、鞭を入れて本気で走り始めれば、とんでもないパフォーマンスを披露してくれるが、ゆっくり走らせていても幸せな気持ちになるのがマクラーレンGTの神髄なのだと解釈した。

フォト=郡 大二郎/D.Kori ルボラン2020年4月号より転載

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石井 昌道
AUTHOR
2020/04/05 09:00

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