【海外試乗】「ポルシェ・タイカン4S」底知れぬタイカンのポテンシャルを雪上で確認

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2020/01/10 11:00

ターボS、ターボに続き、新たにタイカンのラインアップに加わった4S。試乗ステージとして用意されたのは、フィンランド北部の北極圏に位置するレヴィ。特異な環境であってもタイカンの卓越したポテンシャルを確認することができた。

タイカンの走行性能は雪上でもエクセレント!

「ターボS」と「ターボ」から1カ月遅れて追加されたのが「4S」だ。もちろんターボチャージャーはついていないし、タイカンは全て4WDだが、ポジショニングを認知しやすくするため、こうした名称を使っているという。

911のような美しいルーフラインを持ちながら、リアシートは大人が座っても上下方向に十分なスペースが確保されている。

ターボ系との違いは、まずバッテリーサイズだ。容量79.2kWhの1層構造のパフォーマンスバッテリー(PB)が標準装備となる。オプションでターボ系と同じ93.4kWhの2層構造のパフォーマンスバッテリー・プラス(PBP)を装備することも可能だ。
もうひとつはモーターが異なる。フロントはターボ系と同じだが、リアは4S用に小型化されたモーターを搭載している。前後アクスル上に計2基のモーター、そしてリアに2速トランスミッションを搭載する構成はターボ系と同一だ。

標準は19インチとなるが、今回の試乗車はオプションの20インチホイールとグッドイヤーのウインタータイヤ「ウルトラグリップ・パフォーマンス」を装着していた。

PB仕様車の定格出力は435ps、一方PBP仕様車では460ps。ターボ系は625psなので、その名に違わぬよう明確に差付けされている。航続可能距離はPB仕様車が最大407kmとなり、PBPは463kmを記録し、これがタイカンの中では最長となる。
国際試乗会の舞台は、フィンランド北部にあるレヴィという町だった。世界有数のスキーリゾート地とも言われるだけあってアスファルト路面はまったく見当たらない。試乗車はスノータイヤを履いたフローズンブルーメタリックのPBP仕様車。ターボ系との外観上の違いはフロントエプロンとサイドシル、リアディフューザーがターボ系ではカーボンなのに対して、4Sは樹脂モノ仕様に。サイドミラーの下半分も同様だ。ホイールは標準の19インチではなく、オプションの20インチだった。

まずは一般道を走る。すぐに重心高の低さを感じる。車内はおそろしく静かだ。それゆえスノータイヤのザクザクと雪を噛む音が耳につく。3チャンバー式エアサスペンションの恩恵もあって、雪でデコボコした路面からのゴツゴツした突き上げはほとんど感じられなかった。ステアリングに備わるボタンで、アダプティブクルーズコントロールのようにフロントカメラで前走車をモニタリングし、車間距離がつまると回生ブレーキがかかるモードを選択した。地元のクルマの流れに乗ってまっすぐな道を80km/hくらいで走行する。タイカンにはいわゆるワンペダルモードの設定はない。ポルシェとしてはドライバーの意思でブレーキペダルを踏んではじめて回生を行う制御を選んでいて、ひとたびペダルを踏めば最大で0.39Gもの制動力が発生する。実際、日常走行の約9割の制動は回生で賄われ、ブレーキの使用頻度が低いことから、ブレーキパッドの交換時期を初めて6年毎と規定したという。またドライブモードでもっとも効率重視の「レンジ」モードを選択してモニターを見ていたら、まっすぐな道ではときに前輪2輪で駆動している瞬間もあった。

凍結した湖の上につくられた特設コースでは「スポーツプラス」モードで、PSM(横滑り防止装置)をオフに。瞬時にトルクが立ち上がり、雪と氷が入り交じる路面を4輪がグリップする感触はBEVならではのもの。そしてすごいアングルでドリフトをした。時にスピンしたなと諦めた状況から復帰することも可能だった。ポルシェのテストドライバーに運転席を委ねると、それは見事な定常円を描いた。これは紛うことなきポルシェだと思った。

フォト=ポルシェ・ジャパン/PORSCHE JAPAN ル・ボラン2020年2月号より転載

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