【国内試乗】「トヨタカローラ/カローラツーリング/カローラスポーツ」ロングセラーモデルの進化の方向性は?

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昨年、トヨタは新たなカローラシリーズとしてカローラスポーツを投入。新世代のTNGAプラットフォームを採用することで、デザインと走りが大きく生まれ変わった。そして、今回セダンタイプのカローラ、ワゴンタイプのカローラツーリングが登場したので報告しよう。

積極的に走りたくなるスポーティなキャラクター

カローラは、12代(カローラ・アクシオを含む)53年の伝統を誇る日本の国民車だ。世界150カ国にも輸出され、累計販売台数は4750万台を超える。ただ、視点を変えれば万人ウケするクルマ造りをしてきたともいえる。

カローラツーリングに搭載された1.8Lの直4ガソリンエンジンが好印象。自然吸気式らしく最高出力の140psを6200rpmで発揮し高回転域で伸びのあるパワー感が楽しめる。

だが、新型は違う。とにかく、カッコいいのだ。世代を問わず、スタイリングだけで興味の対象となるスポーティなデザインに仕上げられている。ベースは2018年に先行販売されたカローラスポーツ(ハッチバック)であり、セダンとツーリング(ワゴン)は国内専用設計とすることでボディサイズをスリム化。全幅は、1790mmが1745mmとなる。従来型は5ナンバーサイズだったので大きすぎるという指摘が聞こえてきそうだが、プリウスの人気を不動にした3代目とほぼ同サイズだ。

ツーリングのデザインもスポーティ。荷物スペースを稼ぐためにリアのオーバーハングを伸ばしていないからだ。

しかも、スポーティなデザインが少しも損なわれていない。ダイナミックな走りを期待させる、前後フェンダーの張り出しもそのままだ。なおかつ、実際の走りも期待の通りだ。新世代のTNGAプラットフォームを採用することで、ボディ剛性が67%高くなり低重心化を実現。基本性能の向上により、サスペンションを強化することなくボディのムダな動きを抑え込むことに成功している。

ラゲッジスペースは392Lを確保し後席背もたれを倒せば802Lまで拡大。

加えて、新開発のダンパーを採用することでストロークによる摩擦抵抗を最適化し、微小領域から減衰力がスムーズに立ち上がる。その効果が明らかであり、新型カローラのハイブリッドはステアリング操作を始めた瞬間からスイッという感じで軽快に向きを変えてくれる。ステアリングの切れ味もスッキリとスムーズなので、積極的な走りが楽しみたくなる。

1.8Lの直列4気筒エンジンにモーターを組み合わせたパワーユニットも、アクセルを踏み始めた瞬間から軽快な加速が実感できる。走行モードがスポーツならアクセル操作に対するトルクの立ち上がりがシャープになり、コーナーをアップテンポなリズムで駆けぬける場面で役立つ。

W×Bはダークメタリックの17インチホイールを装備。

フォト=小林俊樹/T.Kobayashi ル・ボラン2019年12月号より転載

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