プジョー402/道具的意味合いの強いクルマに感性的なカタログという組み合わせ【自動車型録美術館】第26回

全ての画像を見る

カタログは次の2種類に大別できると考えています。ひとつめは機能の説明を主にしているもの。これを仮に理性的カタログとします。それに対し美的な表現を重視しているもの。こちらは感性的カタログとしておきましょう。クルマも大きく2種に分かれます。まずは道具としての意味合いが大きなもの。そしてもう一方が趣味的な色彩の強いもの、です。ファミリーカーはどちらかといえば道具としての比重が高く、スポーツカーは道具というよりは趣味の範疇に軸足をおいたものでしょう。そしてカタログとの相性ですが、道具的なクルマには理性的カタログが、趣味性の強いクルマには感性的なカタログが似合うのではないかと思っています。

PEUGEOT 402/プジョー402

今回はわたしが美しいと感じているカタログのひとつです。特にスポーツでもラグジャリーでもない一介のファミリーカーにこのようなカタログを用意する。やはりフランスは偉大です。

ポルシェとプジョー

前回のポルシェが質実剛健なカタログでしたので、少し華のあるものにしようと選んだのがこのプジョー402です。趣味のポルシェが理性に訴え、実用のプジョーが感性にはたらきかける、この対比が面白いと思いました。ドイツとフランスの国柄でしょうか。

ポルシェ911は901として売り出そうとしたところ、数字+ゼロ+数字の組み合わせは全てプジョーに登録されていたため、やむなく911とした話は有名です。それだけでなく、どちらもPではじまり、しかも文字数も同じ。このことに気付いた時、意味もなくわくわくしました。

プジョー402

プジョー402は1935年から1942年まで生産されたファミリーカーです。前半は2リッターの直列4気筒、後半は2.2リッターになります。グリルのなかに埋め込まれたヘッドライトは、この頃のプジョーの特徴のひとつ。402に少し遅れて登場する202も同様のヘッドライトで、ブリヂストンの創業者である石橋家にもプジョー202があったそうです。

故小林彰太郎さんによれば、石橋家の202のヘッドライトはフロントフェンダー上に移設されていて、残念に思ったとのこと。その202のエンジンを手本にして開発されたのが、プリンスの1.5リッター直4エンジンでした。

ファミリーカーのものとは思えない幻想的なカタログです

冒頭で書きたかったのは、道具的意味合いの強いクルマに感性的なカタログという組み合わせ、これがとても新鮮だということです。前回とりあげたポルシェ356Bのカタログは、スポーツカーでありながらカタログが理性的という好例です。そして今回のプジョー402はファミリーカーでありながら感性的カタログで、ポルシェ356Bとは対照的です。このドイツとフランスという対比と、ポルシェとプジョーの901を巡る因縁などから、今回はプジョーをとりあげた次第です。

●サイズ(縦×横)134mm×202mm ●全16ページ (リング綴じ)

Text:板谷熊太郎 /Kumataro ITAYA カー・マガジン478号(2018年4月号)より転載

■関連記事

2019/11/11 09:00

関連記事

愛車の売却、なんとなく下取りにしてませんか?

複数社を比較して、最高値で売却しよう!

車を乗り換える際、今乗っている愛車はどうしていますか? 販売店に言われるがまま下取りに出してしまったらもったいないかも。 1 社だけに査定を依頼せず、複数社に査定してもらい最高値での売却を目 指しましょう。

手間は少なく!売値は高く!楽に最高値で愛車を売却しましょう!

一括査定でよくある最も嫌なものが「何社もの買取店からの一斉営業電話」。 MOTA 車買取は、この営業電話ラッシュをなくした画期的なサービスです。 最大20 社の査定額がネット上でわかるうえに、高値の3 社だけと交渉で きるので、過剰な営業電話はありません!

【無料】 MOTA車買取の査定依頼はこちら >>

注目の記事

「ル・ボランCARSMEET」 公式SNS
フォローして最新情報をゲット!