BMW 2002ターボ/ターボに対する並々ならぬ情熱を感じる30ページの大作【自動車型録美術館】第20回

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BMW 2002ターボのカタログは大別して2種類あります。ページ数の少ない簡易型と、今回紹介する30ページの本カタログです。どちらも版型と表紙は同じですが、裏表紙が異なっています。簡易版は裏表紙にスペックが記載されているのに対し、本カタログでは車両のリアビューの写真になっています。1672台といわれる生産数、内12台は試作車を考えると、30ページのカタログは充分以上に大作といえます。この頃のBMWは、1972年にBMW TURBOというミッドシップのコンセプトカーも発表しており、航空機に縁のあるメーカーらしく、ターボに対する並々ならぬ情熱が感じられます。

BMW 2002 TURBO/BMW 2002ターボ

おかげさまで当コラムも20回を迎えることができました。ふと気付くと、これまでドイツ車をとりあげたことがありません。そこで、まずはBMWから。

日本仕様

わたしが免許取得年齢に差し掛かった頃、BMW、なかでも2002(以下マルニ)は気になる存在でした。ポール・フレール氏がアルピナ・チューンのマルニを絶賛していたのも、ちょうどそのころです。マルニといえば、やはり1973年モデルまでの丸テールに魅かれます。ただし、このターボモデルに限っては、角型のテールランプも悪くないなと思っています。

マルニのターボで残念だったのは、日本仕様のオーバーフェンダーです。当時、BMWの輸入総代理店は高輪にあったバルコムトレーディングでした。バルコムが正規輸入したターボのオーバーフェンダーは、認可の関係でわざわざ手間をかけてリベット止めの部分をパテ埋めせざるを得なかったのです。横浜の根岸橋近くにできたばかりのバルコム横浜営業所でも、オーバーフェンダーのパテ埋め作業が行われていたように記憶しています。

欧州仕様

欧州仕様でも物議をかもした部分があります。それはフロントのエアダム部分に書かれた逆さ文字。アウトバーンなどで前を走る車からバックミラーで見た際に文字が読めるようにしたものですが、威圧的であるとの理由から禁止されてしまいました。こうしたオーバーフェンダーやエアダムの話には、旧き佳き時代を感じます。

BMWはポルシェよりも早く生産車にターボを採用しました

小さな車体に強力なエンジンを搭載した2002、なかでも高性能なtiやtiiは、当時の欧州では”flying coffin”すなわち、飛ぶ棺桶、と揶揄されていたそうです。若いドライバーが御するにはややトリッキーなところもある操縦性で、血気盛んなドライバーのなかには命を落とす者もいたようです。

発売直後にマルニ・ターボを運転する機会に恵まれましたが、tiiに較べると低回転域ではややもどかしいものの、過給が始まるや、一気にパワーが立ち上がる、そんなクルマでした。実際に接したことのあるクルマのカタログには、また格別の趣があります。

●サイズ(縦×横)210mm×298mm ●全30ページ

 

Text:板谷熊太郎 /Kumataro ITAYA カー・マガジン472号(2017年10月号)より転載

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2019/11/05 08:00

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