【比較試乗】「メルセデスAMG GT4ドアクーペ vs BMW M850i xドライブクーペ vs アウディRS5スポーツバック vs ポルシェ 911 カレラ4S」究極の万能スポーツカーの頂点を決する!

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ここに集めた4台のドイツ製スポーツカーは、いずれも圧倒的な高品質、未来を見据えた先進技術、そして比類なき走行安定性能を要したハイパフォーマーだ。日常のパートナーとしてビジネスにもショッピングにも使える実用性も兼ね備えつつ、その気になればいつでも、非日常の世界へ誘ってくれる。それこそがジャーマンスポーツカーの真骨頂だ!

ただ速いだけではない、ジャーマンスポーツカー

スポーツカーにおいても最先端テクノロジーを追究する姿勢がもっとも強いのはドイツ勢をおいてほかにないだろう。パワートレインは言うにおよばず、プラットフォームやボディでは最新の素材や溶接手法を投入し、駆動システムやサスペンションといったシャシーにも新たな技術を積極的に追い求めていく。スポーツカーだからパフォーマンスを高めることにプライオリティが置かれてはいるが、最近では根本の性能がおそろしく引き上げられているのでドライバビリティや快適性などがトレードオフとならずに、同時に高めていくことさえ可能になった。

BMW M850i xDrive COUPE/MERCEDES-AMG GT 4DOOR COUPE

ここに集結したドイツを代表するスポーツカー達は、走ることだけに特化したピュアスポーツやエキゾチックな魅力を追うスーパースポーツと違って、デイリーユースとハイパフォーマンスが融合したモデルでもある。それゆえ、走りの実力だけではなく、日常域でのマナーや躾などにも注目しつつ試乗を進めていこうと思う。

PORSCHE 911 CARRERA 4S/AUDI RS5 SPORTBACK

AMG GT4ドアは最強のパフォーマンスと実用性を兼ね備えるのがコンセプト。今回の視点からいって理想的なモデルだろう。2ドアクーペとはボディの素材やドライブトレインの造りが違ってはいるが、そこはやはりAMGの独自開発。走り出した瞬間からメルセデスのプロダクトベースのAMGとはまったく違う走りのクオリティを見せつけるのだった。

最大トルク900Nmという途方もない力感は街をゆっくりと流しているときでも実感できる。アクセルペダルのわずかな動きで、クルマを自在に加速させ交通の流れを支配できる感覚が贅沢だ。
乗り心地も21インチタイヤを履いているのが信じられないくらいにいい。ボディの剛性感が圧倒的に高く、サスペンションがスムーズに動いていて、上質とさえ思えるのだ。
道幅の狭いワインディングに足を踏み入れるには、少しボディの大きさが気になったが、ペースをあげていくうちにそれも気にならなくなった。サスペンションの動きが絶妙で、狙ったラインを寸分違わずトレースしていける感覚が強いからだ。ターンインからしてノーズの動きが素直。フロントのアウト側のタイヤにしかるべき荷重がのって機敏に、しかし過剰ではない感覚でインへ向いていく。速度域やブレーキングの強さなどが変わっても動きには統一感があり、良くできたFRのようなわかりやすさがある。ときには車両重量の重さを感じることもあるが、そんなときはアンダーステア側に振ってくれるので安心感があった。
さすがはAMG開発の最新作。とんでもないハイパフォーマンスを素晴らしいドライバビリティで引き出しやすくさせ、なおかつ快適性でもハイレベルだ。

BMW M850i xDriveクーペは、従来のBMWとはひと味違い、上質さや洗練感に重きが置かれているようだ。静かに走らせているとあらゆる部分の動きが滑らかで質感の高さが伝わってくる。4.4L V8ツインターボは、とてつもないハイレスポンスとパワーの持ち主ではあるが、柔軟性の高さもピカイチで低速域でのマナーが望外にいい。
20インチのランフラットタイヤを履いているが乗り心地はまったく悪くない。ピシッと締まったフィーリングはあるものの、しっとりとした滑らかさがあって上質だ。
ワインディングで鞭を入れると猛然とダッシュしていき、さすがのパフォーマンスを見せつけるが、荒々しさはなく、上品な感覚を崩さない。それはコーナリングにおいても同様だった。ステアリングを切り込んでいけば俊敏な動きで狙ったラインへ正確に乗せていけるのはBMWらしいところだが、ノーズが引き込まれるというよりもあくまで自然な感覚で向きが変わりつつ、信じられないくらいに横Gが高まるが安定感も抜群。BMW Mなどだと、持てるドライビングスキルを駆使してポテンシャルを引きだしていく感覚が強いが、M850iは凄いことをサラリとクルマがさせてくれる。最先端テクノロジーの恩恵をスポーツドライビングにおいても贅沢に味わわせてくれるのだ。これはBMWのハイエンドモデルの新たなテイストかもしれない。

フォト=郡 大二郎/D.Kori ル・ボラン2019年11月号より転載

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石井 昌道
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