【国内試乗】「トヨタ・ミライ」世界初の市販燃料電池車、未来を見据えたパワートレイン戦略のひとつ

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熟成を重ねたハイブリッド技術で世界のエコカー市場を牽引してきたトヨタ自動車が、世界に先駆けて市販FCV(燃料電池車)モデルとしてリリースした「MIRAI」。地球温暖化や化石燃料と希少金属資源の枯渇といった課題解決を担う意欲作だ。

従来のイメージを覆す想像以上に力強い走り

世界初の量産型FCVとして発売されたMIRAI。法人向けリースだけではなく、個人販売も展開しているのは、それだけ信頼性に自信があるということだろう。
FCVは燃料電池スタックと水素タンクが嵩張るため、どのようにパッケージングしていくかがメーカーの工夫の凝らし所だが、MIRAIは前者を前席下、後者を後席下に配置。そのため、居住スペースは全体的に少し高め。セダンタイプではあるが、乗り込むとヒップポイントおよびアイポイントが高めで街中では運転しやすそうな雰囲気がある。エクステリアでは大胆なエアインテークが印象的だが、空気をたくさん取り入れる必要があるFCVの機能をカタチで表しているのだ。BEVに対してのアドバンテージはチャージの速さで、約3分で650km走行分の水素を充填できる。

フォルム全体で気流を整えるボディやアンダーボディのフルカバーが空気抵抗を抑え、低燃費と優れた操縦安定性に貢献する。

113kW/335Nmのモーターはどちらかというとトルク重視型。多くのBEV(電気自動車)と同じようにアクセルを深く踏み込めば想像以上の力強さでドカンと走り出す。エコカーだから走りは大人しいというイメージを覆すには十分だろう。
シャシー性能は比較的にソフトタッチ。官公庁などで公用に使われることを想定して街中での乗り心地重視になっているようだ。

ふたつの高圧タンクからFCスタック(燃料電池)に水素を供給し、化学反応による発電で電気モーターを駆動。回生エネルギーで充電した駆動用バッテリーも併用して走行する。

トヨタはBEVの展開も表明しているが、本格普及に際しての電池用資源の課題なども憂慮しており、FCVの開発も手を緩めない。欧州や中国でも、とくに商用車でのFCVのポテンシャルへの注目が集まっており、それが間違いではなかったことが徐々に証明されつつある。2020年代後半にはFCVもある程度の市場を形成することになりそう。レクサスでもFCVの計画もあるから楽しみだ。

フォト=宮門秀行/ H.Miyakado ル・ボラン2019年10月号より転載

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石井 昌道
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2019/09/29 09:00

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