【国内試乗】「ポルシェ911 GT3 RS」911でありつつも強烈な独自性を兼ね備える

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2003年に初登場し、その後モデルチェンジのたびに進化してきた911 GT3 RS。その新型となる6代目は、2018年3月のジュネーブ・モーターショーでデビュー。果たして、軽量ボディに自然吸気エンジンを載せた991型の911 GT3 RSのパフォーマンスはいかに?

タイトなコーナーをいとも簡単に駆け抜ける

最高出力520ps/8250rpm。使い切れる520psの刺激は、その価値を数値以上に尊いものにする。久々にGT3 RSのステアリングを握って、シャシーファスターという言葉がここまで相応しいスポーツカーは、やっぱり911の他にないと思わずにはいられなかった。

エクステリアにはカーボン製リアウイング、チタンマフラーなどを採用する。

とはいえ最新のGT3 RSが紡ぎ出す速さは本物だ。4Lの排気量を持つフラット6はRSRといったレーシングカー直系の新型となり、なんと先代比で20psの出力アップを果たした。ポルシェがこの期に及んで自然吸気ユニットの性能を極めんとする姿勢にはただただ驚かされ、そしていちファンとしても嬉しくなる。
実際これを走らせてもその速さには呆れるばかりで、とてもワイディングでその実量を推し量れるようなものではない。凡庸と走ってもRRのトラクションが1580kg(車検証重量)の軽量なボディを軽々と蹴り上げ、堅牢なボディが曲がりくねったコーナーを、いとも簡単に駆け抜けてしまう。あまりの懐深さに一瞬やる気さえ喪失してしまいそうになるのである。それでもエンジンの鼓動に耳を傾けると、5000rpm以上の領域から全てのトーンが揃い出す“ゾーン”を感じ取ることができる。それまでガタガタとバックラッシュしていたPDKのギアが滑らかさを帯び、エンジンの燃焼が揃い出して今まさに突き抜けて行かんとする。この領域に入るとGT3 RSはピロボールで固められた足回りが硬さよりも正確性を発揮し始め、すべての動きがスイートになってくるのである。

インテリアにはカーボン製フルバケットシートや軽量ドアパネルを採用。また遮音材の縮小、軽量リアリッドなどで軽量化も図られている。

こうした刹那の領域で感じ取ったのは、先代よりもリアアクスルステアリングの動きが滑らかになったことだった。正しくは何も違和感を感じないからこそ、そこに進化を感じたというべきか。
先代ではやや高出力化に無理矢理さを感じたエンジンも、高回転域に磨きが掛かった。スムーズに回るからこそパンチが得られるという、当たり前だが理想的な自然吸気ユニットの吹け上がりである。
刺激の渦に飲み込まれるだけで終わってしまいそうな中でもその進化と洗練を感じ取れたのは、ダンロップSP SPORTS MAXX RACE2というタイヤのおかげも大きい。このタイヤがサーキットでどれほどのグリップとコントロール性を発揮するのかは不明だが、少なくともロードユースではミシュランよりも快適であり、その実力の片鱗を安全に確かめさせてくれた。ポルシェ911 GT3 RSの本籍がサーキットであることは重々承知だが、思い立ったときにガレージからこれを引っ張り出して走らせることができるのは、オーナーにとって素晴らしく幸せなことだと思う。

フォト=郡 大二郎/D.Kori ル・ボラン2019年10月号より転載

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2019/09/28 15:00

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