【比較試乗】「ポルシェ マカンS vs ジャガー FペイスSVR vs BMW X4 M40i vs アウディ SQ5 vs アルファ・ロメオ ステルヴィオ・クアドリフォリオ」韋駄天ランナーの前に現れた好敵手

全ての画像を見る

SUV全盛の昨今にあって、当然のごとく台頭してきたのがハイパフォーマンス系。先陣を切ったのはドイツ勢だったが、ここにきてジャガーやアルファ・ロメオも満を持して参戦してきた。そこで今回は、走りが自慢のミドルSUVを集めた。新型マカンを軸に各モデルのキャラクターを比較してみる。

高い実用性と走りを兼ね備えた猛者が集結

どこの自動車メーカーにとっても販売を支える稼ぎ頭であり、最も競争の激しいジャンルのひとつであるSUVは、スポーツカーや高級サルーン並みにメーカーのキャラクターが出やすいジャンルということができる。

JAGUAR F-PACE SVR/ジャガー FペイスSVR

今回集まった5台も、走りに一家言を持つメーカーが送り出した猛者ばかりだが、その中でも価格、スペックともに別格なのがジャガー FペイスSVRだ。
ハイパフォーマンス専門のスペシャルビークル・オペレーションズ(SVO)が手がけたFペイスSVRは、FタイプSVRをそのままSUVにしたという表現がふさわしい。ドライブモードをダイナミックにしてアクセルを踏み込むと、5L V8スーパーチャージャーは550psのパワーと680Nmのトルクにものをいわせて猛然と加速する。その上どのような路面状況でもトルクベクタリングと、Fペイスに初採用となったリアエレクトロニックアクティブディファレンシャルの相乗効果で、がっちりとホールドしてくれるのだが、電子デバイスで徹底的に押さえつけるのではなく、AWDでありながらお尻で挙動を感じる“ホットロッド”的な味付けを残しているのが好ましい。お行儀の良い優等生ばかりの昨今のクルマたちにあってはかえって新鮮だ。
それに加えてFペイスSVRが凄いのは、ドライブモードをコンフォートにすると、本来Fペイスが持っているしなやかで滑らかな“ジャガーネス”が前面に現れることだ。この2面性、リアシートの居住性や650Lの容量を誇るラゲッジルームを含めた実用性、そして使い慣れたレザーが織りなす上質で機能的なインテリアなど、全体のレベルも非常に高い。

ALFA ROMEO STELVIO QUADRIFOGLIO/アルファ・ロメオ ステルヴィオ・クアドリフォリオ

同じ500ps級でも、アルファ・ロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオは対照的な振る舞いをみせる。とにかくこのクルマの魅力はフェラーリのV8から2気筒分をカットしたという素性をもつ2.9L V6ツインターボに尽きる。その最高出力は510ps、最大トルクは600NmとSVRには及ばないが車重が1910kgと軽い分、走りは快活。というかV6を可能な限りフロントバルクヘッド奥まで押し込んで実現したフロントミッドシップの旨みを存分に生かしたシャシーのバランスは見事。5000rpmを超えるとクオーンと澄んだエキゾーストノートを響かせるV6と、クイックかつバランスのいいシャシーの組み合わせは、まさにスポーツカーそのものだ。
ただし全体のセットアップは3つのドライブモードのうち、最もスポーティなDモードに合わされているようで、常にクルマに急き立てられているような感じがするのも事実。今回の中では最もエモーショナルでスポーティなのは間違いないが、あらゆるシチュエーションに対応する万能選手というよりも、一芸に秀でた天才肌と言ったらわかりやすいだろうか。
ではX6でSUVの世界にいち早くクーペの概念を持ち込んだBMWのX4はどうか? 誰よりもクーペであることを強調するボディは、インテリア共々スポーティでアグレッシブなデザインとなっているが、リアシートにしっかりとヘッドクリアランスが確保されていたり、ラゲッジルームにも500Lの容量があったり、意外にも使い勝手は悪くない。

フォト=宮門秀行/ H.Miyakado ル・ボラン2019年10月号より転載

■関連記事

関連記事

愛車の売却、なんとなく下取りにしてませんか?

複数社を比較して、最高値で売却しよう!

車を乗り換える際、今乗っている愛車はどうしていますか? 販売店に言われるがまま下取りに出してしまったらもったいないかも。 1 社だけに査定を依頼せず、複数社に査定してもらい最高値での売却を目 指しましょう。

手間は少なく!売値は高く!楽に最高値で愛車を売却しましょう!

一括査定でよくある最も嫌なものが「何社もの買取店からの一斉営業電話」。 MOTA 車買取は、この営業電話ラッシュをなくした画期的なサービスです。 最大20 社の査定額がネット上でわかるうえに、高値の3 社だけと交渉で きるので、過剰な営業電話はありません!

【無料】 MOTA車買取の査定依頼はこちら >>

注目の記事

「ル・ボランCARSMEET」 公式SNS
フォローして最新情報をゲット!