「マツダ・ロードスター」は磨き抜かれた等身大のスポーツカーだ!【世界の傑作車スケルトン図解】#28-2

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成熟したマツダの詩を最新の技術を駆使して描く

2015年5月20日の発売と同時にネット予約も満杯というほど売れている新型マツダ・ロードスター。廃れかけた2シーター・ライトウェイト・スポーツカーを蘇らせた傑作車ユーノス・ロードスターから数えて第4代目にも、基本を貫く精神はブレずに受け継がれている。高性能だが過剰ではなく、手頃サイズで親しみやすいのが人気の根本。気軽なスニーカーとして乗り回すも良し、意を決してテクニックを磨くも良し、開発の主査をつとめた山本修弘の温かく優しい眼差しを感じられるスポーツカーだ。数字ばかり追ってしまった昨今のクルマに、NO!を突きつけたとも言える。

低く潜り込んだエンジンと、ドライバーを中央に座らせる、スポーツカーの基本そのもののパッケージング。

何よりの魅力は引き締まり感。モデルチェンジごとに大型化する時流に抗って、先代より全長を10cm以上も縮めただけでなく、ボディの四隅を大胆に切り落としたほかオーバーハング部分の材質も軽くした。これによって、ホイールベースの中央部に座るドライバーから隅々まで神経が直結する実感が濃くなる。それを増幅するのが車体のガッチリ感。マツダの謳うスカイアクティブテクノロジーを駆使し、主な強度メンバーを直線的に配置するなど、すべてが「人車一体」感に集約されている。さらにグラム単位で軽量化にいそしんだほか、エンジン搭載位置を13mm、ドライバーの乗車位置を20mm低めるなど、スポーツカーらしさを感じさせるポイントは数知れない。もちろん前後の重量配分は50%ずつだ。

コクピットにもすべての動きを手の内で操る「人車一体」感が。

スカイアクティブG路線に則った4気筒エンジンは、無理に性能数値にこだわらず、重量などクルマ全体とのバランスを考慮した1.5Lの131ps。低回転から滑らかにトルクを生むとともに、13.0もの高圧縮比から鋭い瞬間レスポンスをもたらすなど、ここにもドライバーの神経との直結作戦が貫かれている。ダイレクト感といえばシフトストロークの短い6速MTも当然だが、驚くほど少ない回転数でロックアップする大型クラッチ内蔵の6速ATも、これぞスポーツカーというフィーリングを提供してくれる。このパワーユニットからの回転は、歴代のマツダ・スポーツカーで熟成されてきたパワープラントフレームに支えられ、無駄なくファイナルに伝達される。

1989年にユーノスの名で登場した初代ロードスター。かつて憧れたスポーツカー像を素直に再現したとして、世界中のファンを喜ばせた。

1989年にユーノスの名で登場した初代ロードスター。かつて憧れたスポーツカー像を素直に再現したとして、世界中のファンを喜ばせた。

こうしてドライビングの楽しさを徹底追求した新型ロードスターに乗ると、腕が未熟な初心者でもシャキッと走れてしまい、まるで急に運転が上達したかのようにも思えるのは本当の話。それを確認したうえで、それぞれの技量に合わせて攻め方を深める楽しみも多い。スポーツカーの真価はパワーではなく、人間とクルマの語り合いなのだという真理を、心の底までわからせてくれるクルマだ。

完成度は高まったが、いささかインパクトを欠いた2代目。1.8Lエンジンを搭載するなど上級志向を感じさせたのがマイナスだったかも。

スポーツカーであると同時に快適なGTとしての評価も高かった3代目。電動リトラクタブル・ハードトップも選べるようになった。

 

解説:熊倉重春

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