【国内試乗】「ポルシェ911カレラS」新型911は本当にスゴいのか!

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世のクルマ好きの誰もが、一度は“911が欲しい!”と思ったことがあるはずだ。と、断言できるほど、いつの時代も我々のハートを揺さぶるスポーツカー、それが911だ。タイプ992へと世代交代し、すでに海外試乗会などでステアリングを握った方々からは大絶賛の新型911。国内初試乗でその真偽をあらためて問う。新しい911は本当にスゴいのか??

キーワードはモダン&クラシック

試乗したのはドロマイトシルバーメタリックの992カレラS。ありとあらゆるオプションが付いて乗りだし価格は約2600万円。先日、本国で発表されたカレラもおそらく素の状態で1400万円近くになるだろう。911もずいぶん高くなったものだ。とはいえ、992にはその価格を力尽くで正当化してしまうだけの魅力が備わっている。

まずはスタイリング。誰の目から見ても911であることがわかる一方、991との違いも一瞬でわかるデザインはお世辞抜きで最高にスタイリッシュだ。かつて997に一目惚れして購入に至った僕だが、991のデザインにはさほどインパクトを感じなかった。だが992は違う。対峙した瞬間、997に心奪われたあの時に匹敵する衝撃が右脳を直撃してきた。
落ち着いたところで左脳分析を始めてみる。なぜカッコいいのか? ここでキモになるのは「モダニズム」というキーワードだろう。もっとも大きく変わったリアセクションは、他のモデルが先行採用したポルシェの最新アイデンティティであり、ようやく911に順番が回ってきた。そういう意味では想定内の変化だが、縦型スリットをリアウインドーと視覚的に一体化したり、バンパーのロア部をブラックアウトしたりすることで、よりダイナミックかつモダンな印象を強めている。84個のLEDを使ったマトリックスLEDヘッドライト(オプション)や、操作時にせり出してくるドアハンドル、全体的な面質の向上なども、モダンかつ上質な印象を強めている理由だ。それでいて、空冷時代にあったフロントフード上の2本のラインを復活させるあたり、モダン一辺倒ではなくクラシックな要素も与えているのが心憎い。

ポルシェのフラット6はエンターテイメント部門の頂点に位置するエンジンだ。3L水平対向6気筒エンジンは、ターボチャージャーを大型化して過給圧を高めたほか、吸排気系の効率を高めることで450ps/530Nmを発生。さらにこのエンジンの出力特性に最適化した8速PDKを初採用している。

インテリアにも同じことが言える。996以降の911は伝統の5眼メーターこそ維持していたものの、増え続けるスイッチや液晶モニターを収めるべく縦型センターコンソールを軸に操作系を作ってきた。しかし992では10.9インチの横長液晶モニターをメーター横に配置することで上下を分断。ダッシュボードを“横使い”に戻してきた。空冷時代の911を知る人にとってはハッとさせられるような先祖返りだが、同時に先進性も高まった。これもモダンとクラシックの巧みな融合である。もう一点、インテリアで特筆したいのがオプションのチェスナッツインテリアとの相性だ。ウッドがこれほど似合う911は901以来初めてではないか。997や991のウッドインテリアと違って992のウッドは悪くない。いや、むしろかなり素敵と言わざるを得ない。その他、細部の素材感や仕上げ、先進安全装備やコネクティビティの向上も大幅だ。
こうして価格に見合う水準まで高められた992の内外装は、間違いなく997や991のオーナーからの嫉妬の対象になる。実際、992を見た後に991を見たら、ついこの間までの最新オーラは薄まり、どこか古ぼけた感じがした。これはもうデザイナー陣の大勝利以外の何物でもない。もちろん「前の方がよかった」という意見もあるだろう。けれど現実として、悔しいことに991オーナーの僕はいま992のカッコよさに強烈に嫉妬している。

フォト=郡 大二郎/D.Kori ル・ボラン2019年10月号より転載

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岡崎五朗
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2019/09/09 08:00

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