【国内試乗】「ランドローバー レンジローバー イヴォーク」ボディサイズもデザインも基本キープコンセプト

デザインやフィニッシュだけでなく動的質感も確実に洗練度を増している

今回試乗したのはトップグレードのR-DYNAMIC HSE P300MHEVと、中間グレードのSE P250。まずは後者を乗り出してすぐに感じたのは、見た目と同様に動的な質感も洗練度が上がっているということ。タイヤの転がり感、エンジン/トランスミッションから駆動系に至るドライブトレイン、サスペンションのストロークなど、あらゆる可動部分のフリクションが徹底的に低減されていて、実に滑らかに走っていく。初代イヴォークは、クーペ感を強調するようにシャープなハンドリングの持ち主で、スポーティさとは引き換えにやや粗さのある乗り味だったが、それがまったくもってなりを潜めた。静粛性もたいしたもので、路面が荒れていてもロードノイズは巧く抑えられていて、一般的なペースでの走行ならばエンジン音もほとんど耳に届いてこない。

ラゲッジルーム容量は通常時で591L、最大で1383Lを確保。後席シートバックは40:20:40の3分割可倒式となる。

ワインディングでペースを上げてみると、ちょっと強めのブレーキングでわかりやすくノーズダイブしていく。ピッチングの動きはやや大きめといったところで、スポーティさよりも快適性を重視したセッティングなのかな? とも思わされたが、コーナーへ進入してみればロール方向の剛性はそれなりに確保されていて、SUVの背の高さを感じさせない。なるほど、巧みにスポーティとコンフォートを両立しているのだ。舵の効きも望外によかった。初代のようなキュンキュンとした動きではなく、落ち着いた雰囲気ながら正確なハンドリングを実現している。

写真はオプション設定となる21インチの“スタイル5078”5スプリットスポークホイール。このほか17〜21インチまで豊富に用意。

最大トルク365Nmのエンジンは、1787kgの車両重量に対して必要にして十分+αといったところ。インジニウムの初期の頃に比べれば低回転域のターボの立ち上がりがかなり素早くなり、9速ATも進化しているようで、スペック以上に力強く、ドライバビリティがよく感じられる。回せば6500rpmまでスムーズに吹け上がり、クロス気味のギア比によってテンポ良く加速。100km/h巡航では9速・1500rpmなので極端にハイギアードを狙ったのではなく、クロス気味にすることで燃費と加速、ドライバビリティの向上が図られている。

パワーユニットは2L 4気筒ターボのインジニウムをチューン違いで用意する。初のマイルドハイブリッド搭載もニュース。

もう一のP300MHEVはスタータージェネレーターが加速のアシストもしているが、それは明確には体感できない。とはいえ、そもそも400Nmの大トルクを発生するエンジンによって、頼もしさはワンランク上。100km/hで9速・1500rpmというのはP250と変わらないが、その回転域でのトルクがより充実しているので高速巡航に落ち着きがあって余裕綽々。洗練されたシャシーと相まって、ロングドライブなどでの疲れは最小限に抑えられることになる。

写真は250ps仕様のSE P250。シャシーやトランスミッションなどを自動制御するテレイン・レスポンス2は、実はイヴォークには初搭載。

MHEVのいいところは、17km/h以下で早々とアイドリングストップし、エンジン再始動が素晴らしくスムーズなことだ。全力ダッシュしたときの爽快感もP250を確実に上回る。驚くほど速いというわけではないが、イヴォークのもつスポーティなイメージに相応しいパフォーマンスで、シフトパドルを操作して積極的に多段ATを操るのが楽しい。
2代目となったイヴォークの乗り味は大いに洗練された。エンジン横置きのFFベース車としては、世界一高級感のある乗り味だろう。これぞ正真正銘のレンジローバーブランド。そのコクのある深い味わいの虜になりそうだ。

リポート:石井昌道/M.Ishii フォト:郡 大二郎/D.Kori  ル・ボラン8月号より転載

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石井 昌道
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2019/07/22 11:10

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