プリンス自動車がスカイラインGTの参考にしたコルチナ・ロータス「羊の皮を纏った狼」の魅力【自動車型録美術館-第2回】

全ての画像を見る

第2回コルチナ・ロータス/CORTINA LOTUS/1962-1966(Mk.1) 1966-1970(Mk.2)

前回のエラン1500に続き、今回もロータスを選んでしまいました。

カタログのサイズは209×275mm、全8ページ。

カレーライスかライスカレーか

コルチナ・ロータスとロータス・コルチナ、どちらが正しいのか、というたのしい論議が仲間内で繰り広げられたことがあります。この手の議論を収拾するには、権威による見解を確認するのが正攻法。たしかカタログがあったはずと探し出してみると、メーカーによる記載は一種類しかありません。これで無事、不毛の議論に終止符が打たれました。

小さな謎解き

話題を変えます。プリンス自動車がS5型のスカイラインGTを開発するにあたり、最も参考にしたのがコルチナ・ロータスだったのは有名な話です。実は、カタログからそのことをうかがい知ることができるのです。

この場合のカタログとは、初代GT-R、すなわちPGC10のカタログのこと。まずはコルチナ・ロータスのカタログ表紙。英国のナショナルレーシングカラーである緑で3本のラインが入っています。英語表記に倣って、ラインの向きは横。一方のPGC10のカタログ(一番下の画像参照)ですが、日本をあらわす白地に赤のラインがやはり3本あしらわれています。こちらのラインは日本語表記の特徴である縦方向。

どうです、このように製作者の意図を妄想しながらカタログをながめるのも、たのしいものではありませんか。

速い箱:「羊の皮を纏った狼」の魅力はこれらのカタログからも充分に伝わってくる。

わたしはかなり長い間、コルチナ・ロータスに対して大きな誤解をしていた。コルチナ・ロータスでまず思い浮かぶ外観は、このMk.1。ところが内装となると、印象的なのはMk.2のダッシュ上にある4連メータ。わたしはMk.1のエクステリアにMk.2の4連メータのインテリアを勝手に組み合わせた、想像の産物でしかないものを、ずっとコルチナ・ロータスだと思いこんでいた。これらのカタログを入手したのは長じてからだったので、メータまわりの様子に驚き、長年の無知を恥じたのが、今も忘れられない。以下はMk.2のカタログ。

 

S5スカイラインとの対比でいうならば、Mk.1のダッシュボードは、S5スカイラインで100台が限定生産された初代GTのメータまわりに通じるものを感じる。すなわち、初代GTの乗用車然とした棒状スピードメータが思い出されるのである。PGC10のカタログは、わたしが最初に入手したカタログ。何度も目を通したので、表紙もボロボロだが、それだけ愛着も深い。ナショナルカラーの3本線をあしらったカタログは、他にフェラーリ250LMがある。そちらもいずれご紹介したい。PGC10のカタログのサイズは横長の297×209mmで、4ページにディテールの画像が並んだ折り込み1ページという作り。

わたしが最初に入手したPGC10のカタログの表紙。

Text:板谷熊太郎 /Kumataro ITAYA カー・マガジン454号(2016年4月号)より転載
2019/07/10 08:00

愛車の売却、なんとなく下取りにしてませんか?

複数社を比較して、最高値で売却しよう!

車を乗り換える際、今乗っている愛車はどうしていますか? 販売店に言われるがまま下取りに出してしまったらもったいないかも。 1 社だけに査定を依頼せず、複数社に査定してもらい最高値での売却を目 指しましょう。

手間は少なく!売値は高く!楽に最高値で愛車を売却しましょう!

一括査定でよくある最も嫌なものが「何社もの買取店からの一斉営業電話」。 MOTA 車買取は、この営業電話ラッシュをなくした画期的なサービスです。 最大20 社の査定額がネット上でわかるうえに、高値の3 社だけと交渉で きるので、過剰な営業電話はありません!

【無料】 MOTA車買取の査定依頼はこちら >>

注目の記事

「ル・ボランCARSMEET」 公式SNS
フォローして最新情報をゲット!