希少性を増すオリジナルのプジョー106 S16【旧車ビギナーは要注意!100万円でドロ沼に陥る!?】

クルマの性能を全て使い切る楽しさを味わえるプジョー106S16

エンジンをかけてクラッチを繋げば、それこそ軽やかにタイヤは転がり始める。当然といえば当然だが、安全性を高めるために肥大化する最新モデルでは、いつのまにか一呼吸の”タメ”がなく滑らかに動き出す感覚は感じられなくなったように思う。プラスαを求めればキリはないが、最適な大きさのボディとピリっとスパイスの効いたエンジンの組み合わせは掛け値なしに運転していて楽しい。使い切れないほどの余裕も良いが、その前にクルマの性能を全て使い切る楽しさを味わえた1台としてプジョー106S16を車歴に刻んでおくのも悪くない。

直列4気筒DOHCが搭載されるエンジンルームは意外にも空きスペースはなく、みっちりと詰まっている。最高出力は118psで驚くほどではないが、トップまで回し、パワーを使い切り、操る気持ち良さは抜群。

19年落ちなれど内装はまずまず:シートは前後ともレザーとアルカンターラのコンビで、内装はブラックで統一されている。使用頻度の高い運転席座面のアルカンターラ部分は、致命的ではないが擦れが見られる。タイヤサイズは前後共に185/55R14。ラゲッジスペースは実用的で使い勝手も良い。後席のシートバックは分割可倒式で、座面を跳ね上げればラゲッジとあわせてフラットな収納スペースとなる。

1999 PEUGEOT 106 S16

車両本体価格:420,000円

コンパクトハッチ度 ★★★★
実用度 ★★★
ドロ沼度 ★★★

ゴム類など細かなパーツの供給は減少傾向にあるが、現車は良好な状態を保っているため考えるより先に動くのもアリ。ムリな走りをすれば当然の様にラインは膨らみスピンもする。電子制御に頼らない、プリミティブなドライブの楽しさと魅力を再確認できる1台だ。

【SHOP INFORMATION】
J.ENGINE(ジェイ・エンジン)
住所:埼玉県川口市東領家4-19-8/電話:048-225-5040/営業時間:10:00-18:00/定休日:火曜日(月曜日が祝日の場合は月曜休みで火曜日営業)

Text:中本健二/Kenji NAKAMOTO Photo:山本佳吾/Keigo YAMAMOTO カー・マガジン473号(2018年3月号)より転載

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