SUVじゃデカすぎませんか?【国内試乗】フォルクスワーゲン・パサート・オールトラック

TDI×4WD×ワゴンの
理想的な組み合わせ

現行型パサートが日本に導入されたのは2015年のこと。同年の東京モーターショーでは、ステーションワゴンのパサート・ヴァリアントをベースとするパサート・オールトラックがジャパンプレミアを果たした。あれから3年、ついに待望のクロスオーバー4WDモデルが日本でも発売になった。

注目は現行型パサートとしては初の4WDということに加えて、2リッター直列4気筒ディーゼルターボエンジンを搭載していることだ。フォルクスワーゲンでは2018年2月にクリーンディーゼルエンジンを積むパサートTDIを皮切りに、TDIと呼ばれるディーゼルエンジン搭載モデルのラインアップを強化。その甲斐あって、すでにパサートではセダンの約40%、ヴァリアントの45%がTDIエンジン搭載モデルとなった。そんなTDIと4MOTIONと呼ばれる4WDを組み合わせたパサート・オールトラックだけに、その発売を待ち焦がれていた人は少なくないだろう。

端正だがちょっと地味なパサート・バリアントに対して、パサート・オールトラックのエクステリアは明らかに存在感がアップした印象だ。クロスオーバー4WDの定石どおり、最低地上高を30mm高めたことに加えて、アンダーガードを備えた前後バンパーや、コントラストカラーのフェンダーアーチモール、235/45R18から245/45R18にサイズアップしたタイヤ&ホイールなどのおかげで、ひとまわり大きく見えるほど。それでいて、派手すぎず、主張しすぎないのが、フォルクスワーゲンらしいところだ。

搭載される2.0 TDIエンジンは、最高出力140kW(190ps)、最大トルク400Nm(40.8kgm)の実力で、これはパサートTDIと同じスペック。さっそく走り出すと、FFのパサート・バリアントTDIに比べて多少重たい感じはあるものの、低回転からトルク豊かなTDIエンジンのおかげで動き出しはスムーズで、その加速には余裕がある。街中を走るような速度域では、軽くアクセルペダルを踏むだけで力強い加速を示し、1.4リッターのガソリンターボはいうまでもなく、2リッターターボと比べても扱いやすいほど。低速域でこそ耳につくディーゼルエンジンの音や振動は、スピードが上がるにつれて気にならなくなる。

ディーゼルエンジンとしては高回転まで加速が伸びるフォルクスワーゲンの2.0 TDIだけに、高速の合流や追い越しでもストレスは皆無だ。さらに、6速、100km/h走行時のエンジン回転数は1750rpmと低く抑えられることもあって、高速巡航ではガソリン仕様より快適なほどだ。もちろん、燃費も期待どおりで、JC08モードでも17.3km/Lのパサート・オールトラックは、高速だけなら20km/L、ペースを抑えて丁寧に走ったときには25km/Lまで燃費を伸ばすことができた。

ベースモデルに比べて車高が高く、大きなタイヤを装着するパサート・オールトラックだけに、乗り心地が悪化したり、ロールやピッチングが大きくなっていないか心配だった。しかし、今回試乗した上級グレードのパサート・オールトラック TDI 4MOTION アドバンスには電子制御ダンパーのDCC(アダプティブ シャシー コントロール)が標準装着されることもあって、無駄なボディの動きを抑えつつ、十分フラットで快適な乗り心地を実現していた。高速走行時の直進安定性も高く、その燃費の良さも手伝って、つい遠出したくなる1台に仕上がっている。

ブーム真っ只中のSUVだが、より走りを重視したい人や、駐車環境を考えると入手が難しいという人には、こんなクロスオーバー4WDが打ってつけである。


VOLKSWAGEN PASSAT ALLTRACK TDI 4MOTION Advance
【Specification】■全長×全幅×全高=4780×1855×1535mm■ホイールベース=2790mm■車両重量=1680kg■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ディーゼルターボ/1968cc■最高出力=190ps(140kW)/3500-4000rpm■最大トルク=400Nm/1900-3300rpm■トランスミッション=6速DCT■サスペンション(F:R)=ストラット:4リンク■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク■タイヤサイズ(F:R)=245/45R18:245/45R18■車両本体価格=5,699,000円

リポート:生方 聡 S.Ubukata フォト:小林俊樹 T.Kobayashi

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