ローカルラリー最高! カメラマン山本佳吾の【フランス選手権】漫遊リポート

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WRCは決着したけど

2018年のWRC(世界ラリー選手権)はセバスチャン・オジェがドライバーズタイトル、トヨタがマニュファクチャラータイトルを獲得して幕を閉じました。が、今シーズンのラリーはまだまだ終わってません。というのも、世界各地ではいろんなラリーがまだ開催されています。毎年ヨーロッパの国内選手権を撮影に出かけてるんだけど、なぜか今年はタイミングがあわずに行けずじまい。こりゃいかん! とお財布とマイルと世界中のラリーのカレンダーを検討した結果、フランス南部のサントマキシム近郊で開催されるフランス選手権最終戦「Rallye du Var」に行ってきました。

ニースから西へ約1時間の地中海に面したリゾート地のサントマキシムは、ニースやモナコみたいに大きくはないけど、こじんまりとしたステキな街。そこのマリーナをベースに、周辺の山岳路がステージとなるラリーです。峠を越えて地中海に向かって一気に下ります。とにかく景色がいい。1950年に始まったこのラリー。去年はセバスチャン・ローブが306マキシで走ったり、2011年にはヤリ-マティ・ラトバラがフランス人以外で初勝利を挙げたりと、いろいろと話題も多いのです。

ちなみに僕は2015年に同じくフランス選手権で、これまたニース近郊で開催された「Rallye Antibes」の撮影に行って以来、2度目のフランス選手権。日本のメディアが取材に来ることなんてないからか、取材受付で大歓迎されました。お互いカタコトの英語なんだけど、受付のおばちゃんが「アンタのこと、知ってるわよ」と、ほんとかウソがよくわからないけど、とにかくまあ歓迎されました。本当にボクのことを知ってるとしたら、それはそれでちょっと怖いな(笑)。

ここでフランス国内ラリーについて簡単に解説してみます。って言ったものの、ボクもよくわかってません。そもそもフランス語わからんし……。ともあれ日本の全日本選手権にあたるのが、「Championnat de France des Rallyes」。長ったらしいけど、要するにフランス選手権。で、フランスはターマック(舗装路)とグラベル(砂利道)で選手権が分かれていて、今回行ったのはターマックの選手権です。ちなみにイタリアもターマックとグラベルが別です。昔からフランスはターマックのラリーが盛んで、舗装路が得意なドライバーを多く輩出しています。古くはディディエ・オリオール、最近はローブやオジェが有名どころですね。

こんなアルピーヌA310がウジャウジャ走ってました。日本じゃ考えられない……。

クルマのレギュレーションはこれまたよくわからんのですが、大雑把に言うとR5マシンを頂点に、Gr.Nやヒストリックまで多種多様なクルマが参戦しています。ヒストリック部門があるのだけど、選手権のほうにシムカ・ラリーみたいな古いクルマが参戦していたり、F2と呼ばれるクラスではエンジンスワップや派手なオーバーフェンダーが認められたり、まあとにかくよくわからないけど、いろんなクルマが走っているので飽きません。

サンク・ターボ2は意外と少なくてこの1台のみでした。

Gr.Aのシエラもヨーロッパのヒストリックラリーでは常連です。

参加台数もヒストリックまで入れると250台以上! 1分おきにスタートするので、最終号車がスタートするのは1号車スタートから約250分後。気が遠くなります。金曜のお昼過ぎにスタートなんだけど、最終号車がスタートして最初のステージに着く頃にはもう夜なんです。だからなのか、ヒストリックが後半にスタートするラリーが多い中、このラリーはヒストリックからスタートなんです。たぶん、おじいちゃんドライバーが多いから、夜は目が心配なのと、早起きだからではなかろうかと思われます。

スッキリしたカラーリングでボク好みなボナートのシトロエンC3。

今年のフランスチャンピオンはすでに決まっていて、シトロエンC3R5を駆るヨアン・ボナートが去年に続いてチャンピオンを獲得。WRC2にもたまに参戦しているボナート。若そうに見えて、もう35歳なんですねえ。

 

フォト&リポート:山本佳吾 K.Yamamoto

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