テールランプ回りに新たな試みも

日本ではエントリーモデルの「X2」が発売されたばかりだが、BMWのクロスオーバーSUVシリーズであるSAC（スポーツ・アクティビティ・クーペ）の旗艦、「X6」の次期モデルと思われるプロトタイプが最小限といえるカムフラージュで突如姿を現した。

このX6というクルマ、初代は2008年にデビューしていて当時はニッチ（隙間）モデルの典型といわれていたが現在に至るクーペ風SUVというマーケットを確立。BMWの中では後に「X4」や「X2」をラインナップさせる基礎を作り、自身は2014年に2代目へと進化。ライバルのメルセデス・ベンツやアウディに対抗モデル（GLE/GLCクーペやQ8）を投入させた立役者にもなっている。

そんな、ビジネス的には大成功を収めている銘柄とあって3代目となる次期X6も基本的なスタイリングは現行型の面影を色濃く残す仕立てとなるようだ。グラスエリアは、Bピラー付近を頂点としてエンド部まで緩やかな弧を描くクーペテイストの典型。しかし、プロトタイプのシルエットを見れば明らかなように、従来のX6と比較すれば前後に伸びやかなプロポーションへと進化しているようでクーペ資質には一層の磨きがかかっている。現状、ボディサイズに関する情報は入ってきていないが、前後方向に拡大されている可能性はありそうだ。

一方、ディテールについては先頃発表された新型「X5」に通じる仕立てとなる模様。X2ではキドニーグリルの基本造形が変更されているが、次期X6では従来からあるBMWの文法通り「下辺」より「上辺」が長い形状が踏襲されているようだ。一方、フロント左右のインテーク形状はX5よりコンパクトなようで、ハニカムメッシュ形状を組み合わせたことでクーペらしいスポーティな風情を演出。さらに、現行型より天地が薄い形状となるテールライトには波打つようなグラフィックを採用するなど、独自の形状も与えられている。

搭載するパワーユニットは、基本的に新型X5と同じ。ガソリンは3リッター直列6気筒ターボと4.4リッターV型8気筒ツインターボの2種で、最高出力はそれぞれ340psと462psを発揮する。また、ハイエンドモデルとして600ps以上が噂される「X6M」やハイブリッドモデルが設定されることも間違いないだろう。そのワールドプレミアは早くとも2019年秋以降となりそうだが、エクスクルーシブなSUVが気になる向きは乞うご期待の1台だ。