改良版ミニの高性能モデル
いまやBMWグループの一翼を担うプレミアムコンパクトのMINI(ミニ)が、先ごろ大幅改良を敢行。その高性能バージョンにあたる「ジョン・クーパー・ワークス(JCW)」の日本仕様に試乗できたのでここに報告しよう。
今回マイナーチェンジが施された、3ドアと5ドアおよびコンバーチブルは、ヘッドライトのLEDデイタイムランニングライトが楕円でつながり、リアコンビランプには左右非対称で「ユニオン・ジャック」をデザイン。そして、ウイングを広げた前後の「MINI」エンブレムが最新CIに沿ったプレート風になっている。
試乗に供されたミニJCW(3ドア)の外観をみれば、「ヤンチャ」を象徴するモデルとはいえ、あからさまに戦闘力をひけらかさない「ヒツジ狼」気質はこれまで通りだ。一方のコクピットは、ヘッドレスト一体型セミバケットシートや赤いステッチ入りレザーステアリング、専用デザインのメーターなど、ドライバーを刺激するような相変わらずの「ヤル気」に満ちていた。
むしろ機能装備の進化が著しく、インフォテインメントは8.8インチ液晶ディスプレイがタッチ式で使いやすくなり、もちろん「Apple CarPlay」にも対応。通信デバイスを内蔵したことで、AIによるボイスコントロール機能も格段に洗練されたほか、リモートサービスやコールセンター(SOS含む)との通話、ナビの目的地検索およびリアルタイム渋滞情報といったコネクティビティ機能では、同グループ旗艦の7シリーズに匹敵する「おもてなし」ぶりを実現している。
欧州車ならではの年次改良かもしれないが、走り出してみるとボディやステアリングのしっかり感が向上した印象も得られ、騒音・振動・ハーシュネスの面では明らかに改善されているものの、走行路面の状況は18インチのランフラットタイヤを介してつぶさに伝えてくる。こうしたクルマとの密なコミュニケーションが、ミニを操る歓び的な「くすぐりドコロ」と実感した。
ミニJCWの3ドアとコンバーチブルが搭載するエンジンは、最高出力231psと最大トルク320Nmを発揮する2リッター直4直噴ターボのキャリーオーバーとなるが、従来の6速ATから新たに8速ATが組み合わされたところがトピック。多段化の恩恵で一般公道の流れに乗るレベルなら、1000rpm前後の回転で効率よく(JC08燃費15.8km/L)クルージングできるようになった。そういう意味では、「ヤンチャ」一辺倒ではない「オトナ」のマナーを身に付けたといえるだろう。
もちろん走行モード「SPORT」(トグルスイッチに移設)を選べば、オプションの「アダプティブ・サスペンション」も奏功して、JCWの特長といえる「ギュン!」と加速して「スパッ!」とコーナーを斬るような走りはいつでも引き出せるし、これまでのように「ヤンチャ」の極みを愉しみたいなら、6速MT仕様(4,320,000円)も用意されているのでご安心を。
MINI JOHN COOPER WORKS
【Specification】■全長×全幅×全高=3875×1725×1430mm■ホイールベース=2495mm■車両重量=1290kg■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1998cc■最高出力=231ps(170kW)/5200rpm■最大トルク=320Nm/1450-4800rpm■トランスミッション=8速AT■サスペンション(F:R)=ストラット:マルチリンク■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク■タイヤサイズ(F:R)=205/40R18:205/40R18■車両本体価格=4,500,000円
MINI公式サイト https://www.mini.jp
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