4気筒ターボは是か非か! ポルシェ新型718ケイマンに試乗/後編

全ての画像を見る

ステアリングギアの変更でいっそうシャープに

 

「キュキュキュキュッ、ブォゥン! ボボッボボボボ……」

お、のっけからずいぶん変わったことをアピールしてくるじゃないの。試乗車はオプションのスポーツエキゾーストシステムを装着していたからそのせいもあるのだろうが、目覚めのひと吠えもアイドリング音もかなり低くなり、迫力を増している印象だ。先代は雄叫びも唸りももっと高音だった。文字にするなら「ファン! フゥゥゥゥ……」という感じだろうか。

 

 そしてクラッチをミート、先代と同じ感覚でアクセルを踏み込んで行ったのだが……はっ、速い!  ターボラグのイヤな低速域でのスカスカ感はまるでなく、2000rpmあたりでトルクの盛り上がりを感じたあとは、そのまま7400rpmのトップエンドまで一気にタコメーターの針が上昇。それに対して二次曲線を描くかのようにスピードが乗ってゆくのだ。この速さは先代とはまるで別モノ。よーく観察すると最後の1000rpmくらいはパワーがついてこない感じがあり、このあたりに回せば回すほどにパワーの出た2.7リッター自然吸気式エンジンとの違いを感じるものの、これはまぁオイシイゾーンがちょっと下に移動した、より低回転域からオイシくなったと感じる人もいるだろう。いろいろなところで「昔のスバルっぽい」と書かれているエキゾーストノートも、確かに不等長特有のビートは似ているといえば似ているのだが、ちゃんとポルシェのブランドに恥じぬよう重厚に調律されている。

718 CAYMAN 2017 (2)

 

 そしてハンドリングだが、これはもう、先代譲りのスポーツカーの理想を絵に描いたようなパーフェクトさにいっそう磨きがかけられたと言っていい。実は6気筒→4気筒になってさらに身のこなしが軽くなったのでは……と期待していたのだが、実際は2気筒のマイナスぶんよりおもにターボ周りの重さが嵩んだせいで、車重は25kgのプラスとなる1335kgに増加している。だがそんなことを感じさせないばかりか、足回りのリファインでより安定性が増したことを背景に行なわれたという、911ターボ譲りの10%ダイレクトなステアリングギアを採用した効果の方が顕著に出ており、以前にも増してノーズがクイックに反応するではないか。

 

 迫り来るコーナーに向けてブレーキング。パワーの増大に伴い先代ケイマンSのそれが奢られたというブレーキシステムは効きもフィーリングも絶品。ヒール&トゥでアクセルをあおった時の回転上昇がやや緩慢になったことにターボ化されたことに気づかされるものの、ミッドシップらしからぬ高いフロントの接地感、ステアリングを切り込んでいった際のよりダイレクトな反応、そして何より脱出で踏み込んでいった時のはるかに強力な立ち上がり。ケイマンらしさと、新しいケイマン像のシアワセな同居。しかもこれで安くなったんだから、アリもあり、大アリだ。

■関連記事

2016/08/05 20:05

関連記事

愛車の売却、なんとなく下取りにしてませんか?

複数社を比較して、最高値で売却しよう!

車を乗り換える際、今乗っている愛車はどうしていますか? 販売店に言われるがまま下取りに出してしまったらもったいないかも。 1 社だけに査定を依頼せず、複数社に査定してもらい最高値での売却を目 指しましょう。

手間は少なく!売値は高く!楽に最高値で愛車を売却しましょう!

一括査定でよくある最も嫌なものが「何社もの買取店からの一斉営業電話」。 MOTA 車買取は、この営業電話ラッシュをなくした画期的なサービスです。 最大20 社の査定額がネット上でわかるうえに、高値の3 社だけと交渉で きるので、過剰な営業電話はありません!

【無料】 MOTA車買取の査定依頼はこちら >>

注目の記事

「ル・ボランCARSMEET」 公式SNS
フォローして最新情報をゲット!